2017/05/16

賃貸物件  庭木の剪定は誰がすべき?

暮 life
AD

暮らしっく不動産 福岡オフィスの前川です。

このところ福岡は曇りがちの日が続いていましたが、やっとパリッと晴れた天気になってきました。
こんな天気で休みの日は、家のメンテナンスをする気分になります。
やろうやろうと思っていた、洗面台の徹底的な掃除、靴箱の片づけ、そして庭木の剪定。

現在の棲み処、入口から庭につながる通路に一本の木が植わっています。
自転車置き場もこの通路を通って行った先です。この木何の木か気にもならない普通の雑木ですが、冬が終わった辺りから枝葉が急激に伸び始め、やがて通路の交通を妨げる存在になっていました。
反対側は公道で、運送屋のトラックは車体上部が枝に接触する程です。

剪定に取りかかろうと、自分の戦闘用具はひ弱なもので、4・5段の室内用脚立と簡易のの剪定バサミのみ。


img_20170429162745311189c7fd87c27f48c2ac02b4c66ea791e4cd70.jpg

隣のマンションの庭木は先日業者が来て綺麗に剪定していたなぁ、あの時ついでに頼んでおけば良かった、と悔やみながら作業開始。

細い枝はまだ大丈夫。
問題は少々太くなった枝で、右手の甲と親指が痛くなってきたところで、庭木との格闘終了。
切り終わった後に、手入れ前の姿を写真に収めていないことに気づきます。
頑張った感を示すために、以下イメージ画像です。


img_201704291628442cb65ba6a862935757533ffc9a1b80a1029d7ea3.jpg

 Before


After

この頑張りを伝えたい相手は、大家さん。
痛い思いをしながら剪定してあげたんだから少し今月の家賃下げてー、と言いたいところです。


この問題、不動産の管理業にも関係あるので、まじめに考えるとどう取り扱うべきなのでしょうか?

賃貸物件の庭木の剪定はどちらの負担?

賃貸の場合、賃貸借契約書・重要事項説明書の中に専用庭や庭木の手入れに関する事項が記載されていれば、もちろん契約したその条件に従わなければいけません。


該当する事項が記載されていない場合も多々あるので、個々の程度や場合によって意見の分かれるところです。
賃貸人は、善管注意義務をもって目的物を保管しなければなりません。

善管注意義務とは、《「善良な管理者の注意義務」の略》
業務を委任された人の職業や専門家としての能力、社会的地位などから考えて通常期待される注意義務のこと。

注意義務を怠り、履行遅滞・不完全履行・履行不能などに至る場合は民法上過失があると見なされ、
状況に応じて損害賠償や契約解除などが可能となる。
[補説]民法第644条に「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」とある。

引用:goo辞書
出典:デジタル大辞泉 
    
https://dictionary.goo.ne.jp/jn/125818/meaning/m0u/%E5%96%84%E7%AE%A1%E6%B3%A8%E6%84%8F%E7%BE%A9%E5%8B%99/ 


ですから極端に言うと、借主(今回は私)が、木が邪魔だから許可も無く根っこから切り落とした、というのは問題があります。
大家さんの側も、賃借人が目的物の利用に支障のないように管理する義務があります。
今回のように、敷地内の通行に支障が出てきた、といった場合や、庭木が公道や隣地に越境して問題が起きそうだという場合、大家さんが責任を持って処理すべきことだと考えられます。

しかし、今回のように緊急性があったとは言えない状況で、賃借人が大家さんの許可を経ずに勝手に枝切りをした場合、もし隣地に損害を与えた時の補償や、事後における剪定費用の請求は、当然には発生しないものと考えられます。

そもそも、契約とは利害の異なる者同士が、トラブル回避のために行う決め事です。賃貸借に限ったことではありません。
当事者が良好な関係を維持していくことが大切です。
国土交通省が公表している賃貸住宅標準契約書の最後に次の文言があります。

第 17 条 甲及び乙は、本契約書に定めがない事項及び本契約書の条項の解釈について疑義が生じ
た場合は、民法その他の法令及び慣行に従い、誠意をもって協議し、解決するものとする。


出典:国土交通省HP
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html


「事前に決めていない事態が起こったら、両者が話し合って決めましょう」ってことです。

今回の自分のケースは、普段良好な関係を作っていることもあって(たぶん)、事後報告で「ありがとうございます」の返事をいただきました。「家賃まけて〜」は別の問題であることが分かったので、今回は太っ腹で言わないでおきましょう。

ただ、庭木の上の部分で、自分の手の負えない範囲に関しては、大家さんに「早く切らないと、もうすぐ電線に引っかかりますよ」と報告する必要があります。


img_201704291641105cc05d5ac72d1c5d9b7b861da0a70a4a8a4097aa.jpg

業者さんを呼んで、芯止めとか必要そうです。
もう一つ、切った後の枝木をどう処分するのかに関しても大家さんと相談しておかないと、放置場所によっては風で飛んで行って隣地に損害を与えるかもしれませんから。


img_20170429164220d68aa98afe29ed616247a0829aba9898cfa883ba.jpg

今回は、私が不動産屋ではなく賃貸人としての立場でした。
大家さんや管理会社と良好な関係作りをしておくことも、平穏な生活を送るために必要なことが分かりました。
さっぱりついでに、自分の髪の剪定にも行ってきました。専門業者(床屋)に任せています。


img_201704291642431f5075131e784dfc4a5325cfd36fd7846b5402f9.jpg

白いもの混じりの私の枝葉。

関連記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
著者
前川和俊
前川和俊

不動産売買デベロップメント(株)一社員 開業支援のコンサルティング会社を経て、個々の独立開業のお手伝いをしてきました。 不動産との係わることはこれまでにもありましたが、本業として不動産業に携わるのは初ですので、 業界の疑問点や改善すべき慣習にピュアに取り組んでいます。 福岡を主に九州他県や地方からの情報発信を行ってまいります。

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

暮らしっく不動産の最新記事をお届けします

Twitterでも最新情報をチェック

AD

人気の記事

新着コラム