【大家さん向け】空室対策は「写真」と「管理会社のDX」で決まる!内見率を劇的に上げる最新手法

「魅力的な写真を載せているはずなのに、内見の申し込みが全く入らない…」
「長期間空室が続いていて、家賃を下げるしかないのだろうか…」

こうした悩みの原因は、もしかすると「物件の写真」だけではないかもしれません。

スマートフォンの普及で入居希望者の「物件の探し方」が変わったように、不動産業界の裏側、つまり「仲介会社(客付け業者)の物件の紹介の仕方」も、DX化によって劇的に変化しています。

この記事では、最新の部屋探しトレンドデータを交えながら、入居希望者の心をつかむ「写真術」と、仲介会社に「この物件を紹介したい!」と思わせる「管理会社のDX対応」という、空室対策の「両輪」について徹底解説します。


1. なぜ今「写真」が最重要なのか?最新データが示す部屋探しの現実

まず大前提として、入居希望者の目に留まらなければ内見は始まりません。
私たちが分析する「2026年版 部屋探し成功の5つの鍵」というデータからも、物件写真の重要性は明らかです。

「2026年版 部屋探し成功の5つの鍵」(暮らしっく不動産)

鍵1:情報の「質」と「量」がクリックを左右する

ある調査によれば、部屋探しユーザーが物件情報を絞り込む際、8割以上が「写真の点数と質」を最重要視しているという結果が出ています。

魅力的な写真が1枚目(メイン画像)になければ、その物件情報はクリックすらされません。逆に、写真が豊富で「生活感」や「メリット」が伝わる物件は、閲覧時間が長く、内見希望にも繋がりやすい傾向があります。

鍵2:オンラインでの「体験」ニーズの急増

「2026年版 部屋探し成功の5つの鍵」の2つ目は、オンラインでの「体験」です。

「わざわざ不動産屋に行かなくても、スマホで情報収集を完結させたい」というニーズが非常に高まっています。オンライン内見や紹介動画を希望するユーザーは、この2~3年で倍増しており、写真が魅力的でない物件は、その「オンライン体験」の土俵にすら上がれないのです。


2. 【実践編】内見率を上げる物件写真の撮り方(スマホOK)

高価な一眼レフは必要ありません。今のスマートフォンでも、少しのコツで写真は劇的に変わります。

ステップ1:撮影前の「準備」

  • 徹底的な清掃と整理整頓: これが最も重要です。清潔感が伝わらなければ、どんなに良い物件も台無しです。
  • 天気と時間: 基本は「晴れた日の午前中」がベスト。自然光が最も明るく、部屋を広く、清潔に見せてくれます。
  • 室内の照明はすべてON: 自然光+室内の照明で、部屋の隅々まで明るく照らします。
  • スマホのレンズを拭く: 意外と忘れがちですが、指紋やホコリで写真は曇ります。

ステップ2:基本の撮影テクニック

  1. 「水平・垂直」を徹底する: スマホの「グリッド線」機能をONにし、柱や窓枠が垂直に、床や天井が水平になるように構えます。
  2. 「明るさ」を確保する(逆光に注意): 窓に向かって撮ると部屋が暗くなりがちです。スマホの「露出補正(明るさ調整)」機能で、部屋の中がしっかり明るく見えるように調整します。
  3. 「アングル」は部屋の四隅から: 「部屋の四隅の角」に背中をつけて、対角線上にある反対側の角に向かって撮るのが、部屋を広く見せる基本です。
  4. 「広角レンズ」の使いすぎに注意: 広く見せたいあまりに広角を多用すると、部屋が歪んで不自然な印象になります。

ステップ3:入居希望者が「見たい」ポイントを撮る

  • 収納: 必ず「扉を開けた状態」で撮影します。奥行きや棚の様子がわかるように。
  • 水回り(キッチン・浴室・トイレ): 「清潔感」が命です。コンロの口数、シンクの広さ、独立洗面台の様子など、設備がしっかりわかるように寄りで撮影します。
  • 日当たり・眺望: 窓から光が差し込んでいる様子や、窓の外の景色も重要なアピールポイントです。
  • 設備・共用部: インターホン(モニター付きか)、コンセントの位置、エアコンの型番、宅配ボックス、オートロックなど、「あると嬉しい設備」は必ず写真に収めます。

3. 【盲点】あなたの物件、実は「仲介会社に嫌われて」いませんか?

さて、ここからが本題です。
いくら素晴らしい写真を用意しても、それを見て「お客様に紹介しよう!」と動く仲介会社にとって「手間がかかる」物件だったらどうでしょうか?

答えは簡単です。紹介の優先順位を下げられてしまいます。

近年、不動産業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)は急速に進んでおり、昔ながらの「電話とFAX」に頼った管理会社は、仲介会社から敬遠され始めているのです。

ケース1:物件確認(空き確認)

  • 昔ながらの管理会社:
    仲介会社「〇〇アパートの101号室、まだ空いてますか?」
    管理会社「担当者が不在なので折り返します」(→数時間後、やっと連絡が来る)
  • DX化された管理会社:
    仲介会社がオンラインシステム(BtoBサイト)で即時確認できる。
    もしくは、24時間対応の電話自動応答システムで、営業時間外でも瞬時に空き状況がわかる。

仲介会社のホンネ:
お客様を目の前にして「確認して折り返します」は致命的。すぐに空きがわからない物件は、その場でお客様のリストから除外されてしまう。

ケース2:内見の手配

  • 昔ながらの管理会社:
    仲介会社「内見したいので、名刺をFAXします」
    管理会社「FAXを確認したら、鍵の場所を電話でお伝えします」(→FAXが届かない、担当者不在で電話が繋がらない…)
  • DX化された管理会社:
    オンラインの内見予約システムから、仲介会社が24時間いつでも予約を入れられる。
    予約完了と同時に、現地にあるキーボックスの暗証番号などが自動で発行される。

仲介会社のホンネ:
FAXを送るためだけに事務所に戻るのは非効率。スマホで完結できない物件は、そもそも内見の提案自体をしたくなくなる。

「内見のしやすさ」「物件確認のしやすさ」は、入居希望者ではなく、仲介会社にとっての「しやすさ」です。ここがスムーズでないと、あなたの物件は土俵にすら上がれない可能性があるのです。


4. 実録:高田馬場で見た「管理会社」による空室率40%の差

この「DX化の差」が、いかに空室率に直結しているか。私たちが高田馬場で目の当たりにした、衝撃的な事例をご紹介します。

ある日、高田馬場で空室に悩む大家さんからご相談を受けました。
詳しくお話を伺うと、その大家さんは昔から付き合いのある不動産管理会社に任せきりになっていました。その管理会社は、まさに「物件確認は電話のみ」「内見手配は名刺FAX」という、昔ながらのやり方を続けていたのです。

驚くべきことに、そのアパートのすぐ隣には、私たちが管理をお受けしている、築年数も間取りもほぼ同程度のアパートがありました。

結果はどうだったか。

  • 古い管理会社のアパート: 空室率40% (常に複数の部屋が空いている)
  • 弊社(DX対応)管理のアパート: 満室御礼

物件のスペックに大差はありません。この差を生み出した決定的な要因は、管理会社の「仲介会社に対する営業のしやすさ(=DX化対応)」にあったのです。

DX化に対応した弊社管理物件は、地域の仲介会社が「いつでも」「ストレスなく」お客様に紹介できる体制が整っています。その結果が、満室という成果に繋がっています。


5. まとめ:空室対策は「入居者」と「仲介」の両輪で

オンラインでの部屋探しが主流となった今、空室対策は2つの側面から考える必要があります。

  1. 入居希望者へのアピール:
    魅力的な写真、360度カメラや動画、無料インターネットや宅配ボックスといった人気設備の導入。
  2. 仲介会社へのアピール:
    オンラインで完結する「物件確認」と「内見予約」の仕組み。

どれだけ素晴らしい物件でも、その情報がスムーズに流れなければ、お客様の元には届きません。

もしあなたが「写真は頑張っているのに空室が埋まらない」と悩んでいるなら、一度、ご自身の物件が「仲介会社にとって紹介しやすい状態になっているか?」を、管理会社に確認してみてはいかがでしょうか。