大手ポータルサイト徹底比較
「掲載物件数」と「不動産会社数」
見るべきはどちらか?
お部屋探しを始める時、多くの人が大手ポータルサイトの「物件数」に注目します。しかし、不動産会社の視点から見ると、その数字には「物件の重複」という大きな落とし穴が隠されています。このインタラクティブ・レポートでは、なぜ「物件数」での比較が意味をなさないのか、そして代わりに注目すべき「不動産会社数」という指標が何を示しているのかを、データを基に探求します。
なぜ「物件数」での比較は意味がないのか?
最大の理由は、同じ一つの物件が、複数の不動産会社によって、複数のサイトに掲載されている「重複」にあります。このセクションでは、その仕組みをインタラクティブに体験できます。
インタラクティブデモ:物件重複の仕組み
「パークアクシス渋谷 101号室」という1部屋の物件が、3社によって各サイトに掲載される様子をシミュレーションします。ボタンを押して、各サイトの「延べ掲載数」がどう増えるか見てみましょう。
理由2:お部屋探しは「会社探し」でもある
上記の通り、どのサイトで見ても、最終的にたどり着く「物件(部屋)」は同じ可能性が非常に高いです。そうなると、次に重要になるのは「どの不動産会社(担当者)に問い合わせるか」です。同じ物件でも、会社によって対応の質やスピードは異なります。だからこそ、サイトに掲載されている「不動産会社数」が、より良い出会いのための重要な指標となるのです。
データで比較:「不動産会社数」 3大サイト
「物件数」ではなく「不動産会社数(加盟店数・会員数)」という指標で3大サイトを比較したグラフです。この数字が、各サイトがどれだけ多くの不動産会社と接点を持っているかを示しています。
暮らしっく不動産的 分析:
やはりアットホームが圧倒的な「不動産会社数」を誇っています。これは、アットホームが古くから不動産会社間の情報流通システム(BtoB)に強く、全国の大小さまざまな不動産会社が加盟しているためです。
データ出典
| サイト名 | 不動産会社数 | データ時点・出典 |
|---|---|---|
| アットホーム | 約 59,000 店 | 2023年4月時点 |
| ライフルホームズ | 30,440 店 | 2024年9月時点 |
| スーモ (SUUMO) | 20,370 件 | 2023年3月31日時点 |
各サイトの特徴と選び方
「物件は重複している」という前提に立ち、各サイトをどう使い分けるべきか。「不動産会社数」の視点から、それぞれの強みと特徴を分析します。タブをクリックして、各サイトの詳細を確認してください。
1. アットホーム (会社数:約5.9万店)
- 強み: 圧倒的な加盟店数。全国津々浦々、特に地域密着型の不動産会社や、古くから営業しているベテランの会社が見つかりやすい傾向にあります。
- 視点: 物件は他サイトと同じでも、「この街で長くやっている会社の話を聞いてみたい」という場合、思わぬ優良店との出会いがあるかもしれません。
結論:サイトは「併用」、会社は「吟味」
このレポートから導き出される最も重要な戦略は、「一つのサイトに固執しないこと」そして「物件情報だけでなく、それを扱う会社にも注目すること」です。
私たち「暮らしっく不動産」からお伝えしたいのは、「どのサイトが一番」と決める必要はない、ということです。
物件は重複しているのですから、スーモで見つけた気になる物件を、アットホームやライフルホームズで探し、「より信頼できそうな不動産会社」が掲載していないか探してみる、といった使い方も有効です。
ポータルサイトは、あくまでお部屋と不動産会社に出会うための「入り口」に過ぎません。
物件情報だけを追いかけるのではなく、その情報を掲載している「不動産会社」がどんな会社なのか、少しだけ注目してみてください。それが、満足のいくお部屋探しへの一番の近道だと、私たちは考えています。
