大手ポータルサイト比較:不動産会社数と「物件重複」の視点
この記事の目次
こんにちは。「暮らしっく不動産」のスタイルで、不動産ポータルサイトについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
前回は「不動産会社数」という視点でお話をしましたが、多くの方が疑問に思うであろう「物件の重複」についても触れておきましょう。
お部屋探しをしていると、「あれ?この物件、スーモでもアットホームでも見たな…」と感じたことはありませんか?
その感覚は正しく、大手ポータルサイトでは、物件の重複掲載が非常に多く発生しています。
はじめに:「物件数」より「不動産会社数」
お部屋探しを始めるとき、多くの方が「スーモ」「アットホーム」「ライフルホームズ」といった大手ポータルサイトを開きます。
「物件数が一番多いのはどこだろう?」と考えるのは自然なことです。
しかし、私たちは不動産会社の目線で、「物件数」での単純比較はあまり意味がない、と考えています。
なぜ「物件数」だけの比較は意味がないのか?
理由1:物件は「重複」している
最大の理由は、同じ物件が、複数の不動産会社によって、複数のサイトに掲載されているからです。
例えば「パークアクシス渋谷 101号室」という物件があったとします。
この物件の募集は、管理会社からA社、B社、C社…といった多くの不動産会社に依頼(広告掲載の許可)が出されます。
- A社は「スーモ」と「アットホーム」に掲載
- B社は「ライフルホームズ」と「スーモ」に掲載
- C社は「アットホーム」だけに掲載
こうなると、お客様から見れば「スーモに2件、アットホームに2件、ライフルホームズに1件」、合計5件の「異なる掲載情報」があるように見えますが、実際は「たった1つの同じ部屋」なのです。
各サイトは「延べ物件数(重複を含む)」を競っている側面もあるため、単純な物件数の多さが、そのサイトでしか出会えない物件の多さには直結しないのです。
理由2:お部屋探しは「会社探し」でもある
物件が重複しているということは、どのサイトで見ても、最終的にたどり着く「物件(部屋)」は同じ可能性が高い、ということです。
そうなると、次に重要になるのは「どの不動産会社(担当者)に問い合わせるか」です。
同じ物件でも、A社は対応が早く親切かもしれないし、B社は連絡が遅いかもしれません。だからこそ、「暮らしっく不動産」は、サイトに掲載されている「不動産会社数」にも注目すべきだと考えています。
🔍 【不動産会社数】3大サイト徹底比較
(※各社公式発表データに基づく)
| サイト名 | 不動産会社数(加盟店数・会員数) | データ時点・出典(リンク) |
|---|---|---|
| アットホーム | 約 59,000 店 | 2023年4月時点 |
| ライフルホームズ | 30,440 店 | 2024年9月時点 |
| スーモ (SUUMO) | 20,370 件 | 2023年3月31日時点 |
(暮らしっく不動産的 分析)
やはりアットホームが圧倒的な「不動産会社数」を誇っています。
これは、アットホームが古くから不動産会社間の情報流通システム(BtoB)に強く、全国の大小さまざまな不動産会社が加盟しているためです。
🏠 各サイトの特徴と「重複」を踏まえた選び方
「物件は重複している」という前提で、各サイトをどう使い分けるか、不動産会社数の視点から考えてみましょう。
1. アットホーム(会社数:約5.9万店)
- 強み: 圧倒的な加盟店数。全国津々浦々、特に地域密着型の不動産会社や、古くから営業しているベテランの会社が見つかりやすい傾向にあります。
- 視点: 物件は他サイトと同じでも、「この街で長くやっている会社の話を聞いてみたい」という場合、思わぬ優良店との出会いがあるかもしれません。
2. ライフルホームズ(会社数:約3.0万店)
- 強み: 会社数はアットホームに次ぐ規模。知名度のある大手から中堅まで、バランス良く掲載されています。「接客評価」など、会社の「質」を見せようとする試みも積極的です。
- 視点: 「同じ物件なら、評判の良い会社から問い合わせたい」と考える人にとって、一つの判断材料を提供してくれます。
3. スーモ(会社数:約2.0万件)
- 強み: 会社数では上記2サイトに及びませんが、圧倒的な知名度と集客力が特徴です。サイトのUI/UX(見やすさ・使いやすさ)は抜群です。
- 視点: 掲載しているのは、集客に積極的な会社が多いと推測できます。物件検索の「入り口」として非常に優秀ですが、「問い合わせ先」の会社がどんな会社なのかは、しっかり見極める必要があります。
結論:サイトは「併用」、会社は「吟味」
私たち「暮らしっく不動産」からお伝えしたいのは、「どのサイトが一番」と決める必要はない、ということです。
物件は重複しているのですから、スーモで見つけた気になる物件を、アットホームやライフルホームズで探し、「より信頼できそうな不動産会社」が掲載していないか探してみる、といった使い方も有効です。
ポータルサイトは、あくまでお部屋と不動産会社に出会うための「入り口」に過ぎません。
物件情報だけを追いかけるのではなく、その情報を掲載している「不動産会社」がどんな会社なのか、少しだけ注目してみてください。それが、満足のいくお部屋探しへの一番の近道だと、私たちは考えています。
この記事が、あなたの良いお部屋探し、
良い不動産会社との出会いのきっかけになれば幸いです。
他にお部屋探しで気になることや、
不動産業界の「ここが知りたい」という点があれば、
お気軽にご質問くださいね。
