【業界の闇】大手不動産の「囲い込み」がついに明るみに。消費者が損をする仕組みとは?

こんにちは、暮らしっく不動産の門傳です。

おかげさまで、暮らしっく不動産にとって初となる繁忙期が無事に終わりました。
予想を上回る多くの反響をいただき、本当にありがとうございます。

忙しさの中で会社が成長してくると、どうしても「利益」や「数字」に目が行きがちになります。しかし、私たちは「消費者のための不動産取引」という原点を忘れてはいけません。
繁忙期が明けた今だからこそ、改めてその想いを強く持ち、進んでいきたいと思います。

さて、今日はそんな「消費者の利益」に関わる、非常に重要なニュースを取り上げます。

大手不動産が不正行為か? 流出する"爆弾データ"の衝撃

Yahoo!ニュース(元記事:ダイヤモンド・オンライン 2015年4月13日)にて、不動産業界の闇に切り込む記事が掲載されました。

「大手不動産が不正行為か 流出する"爆弾データ"の衝撃」
大手の不動産業者が情報を隠蔽し、消費者を騙して自社の利益を優先している――。

週刊誌のような見出しに「まさか嘘でしょ?」と思う方も多いかもしれません。
しかし、現場にいる人間として断言します。これは残念ながら「真実」です。

私自身、この記事にあるような「囲い込み(かこいこみ)」と呼ばれる現場を何度も目の当たりにしてきました。
これまで業界内で暗黙の了解とされていたグレーな部分が、ようやく表に出てきたな!と、ある種嬉しくさえ思います。

なぜ「囲い込み」が起きるのか?

「囲い込み」とは、売却や賃貸募集を依頼された物件情報を、他の不動産会社に紹介させない(情報を隠す)行為のことです。

特に、新築や条件の良い優良物件が狙われます。
なぜ、そんなことをするのでしょうか?答えはシンプルで、不動産会社の「利益」のためです。

  1. 両手仲介(りょうてちゅうかい)の徹底
    自社で見つけた客に売れば、売主と買主の「両方」から手数料が取れる(利益が2倍)。
    他社に客付けされると、手数料は「片手」になる。だから他社には「商談中です」と嘘をついて紹介させない。
  2. 意図的な値下げ誘導
    囲い込みをすると、当然なかなか売れません(借り手がつきません)。
    そこで「反響がないので値下げしましょう」と売主に提案し、安くなったところで自社の顧客に売りつける。

売主・大家さんが囲い込みをされる仕組みの図解

この図のように、売主(大家さん)は機会損失を被り、買主(借主)は物件に出会えない。
得をするのは情報を隠した不動産会社だけという、非常に不健全な構図です。

実際に起きている「被害」

ちょうど繁忙期が終わった今、私の元にも情報の囲い込み被害に遭ってしまった新築賃貸物件のオーナー様から相談が来ています。

売買に関してはさらに顕著です。
もし友人や知人から売却の相談を受けたら、私は迷わずこう言います。
「絶対に大手には頼まないほうがいい」と。

今回のニュースにあるように、大手ほど「自社のネットワークで売る」ことに固執し、結果として情報をオープンにせず、消費者が損をするケースがあまりにも多いからです。
こうした背景を知る方が増えてきたのか、暮らしっく不動産でも売買の相談案件が少しずつ増えてきました。

日本の不動産業界は、世界最低レベル?

以前の記事(南アフリカと日本、どっちの不動産屋が信頼できる? 2014/11/18)でも書きましたが、情報の透明性において、日本の不動産業界は先進国の中でダントツの最下位と言われています。

消費者の不利益の上に成り立つ「利益」など、長続きするはずがありません。
そういった意味で、今回のニュースが大手メディアで取り上げられたことは、業界が健全化するための第一歩だと感じています。

暮らしっく不動産のスタンス

グレー、あるいは真っ黒な慣習が明るみになり、住みよい世の中になることを心から願っています。

ちなみに、弊社では「オープンな広告」「情報の透明化」を徹底しています。
情報を隠さず、広く市場に出すこと。
普通に流通を考えれば、これこそが「高く売る」「早く貸す」ための一番良い方法であるはずです。

これからも、私たちは「正直な不動産屋」として、当たり前のことを当たり前に続けていきます。

それでは、今日はこのあたりで!