こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

年明けより少しづつお問合わせをいただいております。
その中でも比較的、この時期にご質問を多くいただく不動産屋に支払う初期費用について今日は解説してみたいと思います。

1.敷金

東京の場合、多くの物件で家賃1ヶ月分というところが多いです。
家賃80,000円 管理費7,000円だとしたら、敷金一ヶ月の場合は80,000円が敷金です。
新築だと2ヶ月というところもあります。
基本的な考え方として、敷金は退去時にクリーニング代や原状回復の費用を差し引かれたものが返ってきます。



2.礼金

礼金は大家さんに払うものです。
家賃の1ヶ月という物件が多いですが、一部礼金0ヶ月となっている物件もけっこうあります。
礼金が0の物件の特徴としては

  • 競争力のない物件
  • 短期解約違約金がついている物件
  • 解約予告が2ヶ月前

など礼金が0の代わりに他の条件がついていることが多いです。
携帯の料金プランのような構図になっているので、礼金が0だからといって両手をあげて喜べるわけではありません。
礼金一ヶ月で家賃80,000円 管理費7,000円の物件だとしたら礼金は80,000円です。





3.前家賃

家賃は前払いです。
仮定として2/10に契約開始(入居できる日)だとすると3月分の家賃を先に支払う必要があります。
家賃80,000円 管理費7,000円の物件だとすると前家賃は87,000円になります。





4.日割り家賃

先程家賃は前払いと書きましたが、2/10に契約開始(入居できる日)だとすると2/10から2/28までの19日分の家賃も支払う必要があります。家賃80,000円 管理費7,000円の物件の場合、19日分の家賃は59,035円。
月頭に近づけば近づくほど日割り家賃の金額は高くなります。
この日割り家賃の要素が1ヶ月分の家賃を左右する要素です。



5.家賃保証会社利用料

賃貸の契約の場合、家賃が万が一払えなくなった時のために連帯保証人を設定するケースがほとんどです。
多くの場合、連帯保証人は契約者と同等かそれ以上の収入があり、お仕事をされている方という条件である事が多いです。
ですが、借りる人の条件によっては連帯保証人がたてられないケースもしばしばあります。
そんな時に利用するのが家賃保証会社です。
相場としては物件や条件によりまちまちですが、家賃総額の30%から100%ということが多いです。
(物件によっては連帯保証人がたてられれば50%。立てられない場合は100%という設定をしている物件もあります。)

近年は家賃回収の手間や管理上の問題から家賃保証会社必須の物件が増えています。
都内で家を借りる場合は必要経費と考えておくと安心です。
2014年の調査データでは全物件の56%の物件が保証会社必須物件となっています。
例として家賃80,000円 管理費7,000円 駐輪場500円という物件で保証料50%の場合、43,750円が家賃保証料となります。





6.火災保険料


万が一火災などを起こしてしまった時のために入っておく保険です。
多くの物件で必須です。
賃貸の面積によって値段が異なりますが、一人暮らし用の物件の場合、13,000円から20,000円の範囲で有ることが多いです。




7.鍵交換費用


鍵の交換費用は

  • 入居者負担で必須の場合
  • 大家さん負担
  • 任意で交換(入居者からの希望があれば交換)
  • そもそも交換してくれない・部材的にできない



という場合があります。
オートロックと連動している鍵やタッチ式のチップが入っているキーやディンプルキーは値段設定が高めです。
相場としては通常のU9と呼ばれるものが16,200円、ディンプルキーで25,000円程度であることが多いです。
業者に見積や工事の手配をする関係で日にちを要しますので、申込みの際に担当者に聞いておくといいです。




8.仲介手数料


入居までのプロセスを整えた不動産会社に支払うのが仲介手数料です。
家賃の1ヶ月分+消費税という金額です。
家賃80,000円 管理費7,000円という物件であれば、86,400円が仲介手数料となります。
まれに仲介手数料半額、仲介手数料ゼロという不動産会社もありますが、これにはきちんとしたからくりがあります。
それについては下記の記事を参照してください。




仲介手数料無料でもやっていける不動産屋の仕組み


https://www.kurachic.jp/column/1082/



安さありきで探している人は利用してみるといいかもしれません。
広告費が出る物件のみを紹介しているので選べる物件数は少なくなります。







9.その他の費用

今までご紹介してきた1から8に関しては多くの物件でかかってくる費用です。
この9の項では下記のような物件でかかってくる費用について見ていきます。

  • 相場よりも賃料設定が安い物件
  • 若い人に人気のある駅近・設備重視物件
  • ハウスメーカーや大手デベロッパーなどが企画・建築・募集している物件







9-1  24時間サポート費用

設備故障・鍵の紛失時などに24時間のコールセンターサービスへの加入が必須な場合があります。
管理会社と連絡のつかない年末・年始や営業時間外のトラブル時には安心です。
相場としては12,000円から20,000円ぐらいでしょうか。








9-2 契約事務手数料

家賃があまりにも安い物件ですと契約事務手数料や書類作成日という名目で料金を設定している場合があります。
風呂無しアパートや、築年数のかなり古いアパートなどに多い傾向があります。
3,000円から10,000円ぐらいが相場です。




9-3 簡易消火器代・入居者応援セットなど


物件によってはこれらの購入が必須の場合があります。
その販売分の何%かが募集元の不動産会社の儲けとなります。それを含めての家賃設定になっていると考えると良いでしょう。







まとめ  引越し時に不動産会社に支払う初期費用はどれぐらいなのか?

9の要素は物件や不動産会社によってムラがあるので1から8の項目で考えてみたいと思います。
例として家賃80,000円 管理費7,000円 駐輪代500円の物件で考えてみます。
入居日は2/10入居と仮定しています。

項目 概算
1.敷金(1ヶ月) 80,000円
2.礼金(1ヶ月) 80,000円
3.前家賃 87,000円
4.日割り家賃(19日分) 59,035円
5.家賃保証会社利用料(50%で計算) 43,750円
6.火災保険料 20,000円
7鍵交換費用 16,200円
8.仲介手数料 86,400円
合計 472,385円

家賃80,000円 管理費7,000円 駐輪場500円の物件で2/10(日割り家賃19日分)に入居した時の概算を出してみました。
472,385円という結果になりました。
家賃+管理費+駐輪場代の約5.4倍の金額です。
これに物件によっては前述の9の項目の料金が加算されます。

ということは、家賃の5ヶ月から6ヶ月分の費用が不動産屋に支払う必要のあるお金ということになります。
考え方を変えると、これぐらいの費用があればどんな物件でも選べる可能性が高いということです。
この物件すごく気に入ったけど費用が1ヶ月分足りない!なんてことにならないように計画的に資金の準備をしておきましょう。

そして、この金額はあくまでも不動産屋に支払う費用の計算です。
これに引越し業者に支払う費用、家電や家具を揃える費用がかかってきます。
しっかりとした資金計画が必要です。