焦りすぎていませんか?それ、早すぎません?

今年もあと一ヶ月ほどとなりました。この時期、増えてくるのは「物件がなくなるので、早く探したい!」という問い合わせ。

年明けから3月にかけては、不動産の繁忙期シーズン。引越しもピークです。人気物件はどんどん契約が決まり、選べる幅が狭くなっていくように......感じます。

でも、落ち着いてください。「物件はなくなりません」。

いや、むしろ増えるんです。では、その理由を見ていきましょう!

賃貸市場は常に動いている

賃貸市場って、生き物みたいなものです。人気物件が埋まる一方で、新しい物件情報がどんどん出てきます。これはいつの時代も変わりません。2025年も大きくは変わらないでしょう。

物件が「なくなる」というより、タイミングが合わないだけなんです。

例えば、繁忙期の賃貸市場ではこんな動きが起こります。

  1. 引越しが引き起こす空室連鎖
    「人が動く」=「物件が空く」ということ。誰かが引越しするたびに、住んでいた物件が空室になります。つまり、物件探しが活発な時期だからこそ、新たな選択肢が生まれるのです。3月に多くの人が引越します。時期に融通がきく方であれば、4月入居が一番おすすめです。実は、良い物件を選べます。
  2. キャンセル待ちという名の逆転劇
    人気物件があっという間に埋まったとしても、キャンセルが出ることがあります。「決まってたと思ってた物件が戻ってきた!」なんてことも日常茶飯事です。特に最近は電子申込システムが増えてきた影響なのか、キャンセルも多いなんて話をあっちこっちからよく聞きます。
  3. 新築物件はタイミング次第
    特に都市部では、再開発による新築物件が定期的に供給されています。完成したタイミングで募集が始まるため、繁忙期に追加されることも多いんです。

募集物件の推移(2024年の繁忙期を見てみる)

と言っても、なかなか信じられないと思いますので、実際の募集物件数を見てみましょう。
高田馬場駅、池袋駅の募集物件の推移をグラフにしてみました。

※物件条件
  • 駅から徒歩10分以内
  • バス・トイレ別
  • 時期:2023年11月から2024年6月まで
(国土交通省が運営するレインズ、不動産屋が一番使っているアットホームからのデータを集計したものを暮らしっく不動産で独自にまとめたものです)

募集物件推移グラフ

年月日 高田馬場 池袋
2023.11 356 569
2023.12 321 514
2024.01 352 609
2024.02 500 486
2024.03 443 523
2024.04 349 600
2024.05 345 556
2024.06 293 522

変動はあるものの、なくなることはないです。
またこれはあくまでも物件であって、良い物件かどうかは別問題です。(良い物件の定義は人によって違うと思っていますので、本当に焦らないことです)

焦ると損をする

「でも、早く決めないといい物件がなくなっちゃう!」と焦る気持ちはわかります。でも、その焦りが落とし穴になることも。条件を妥協しすぎたり、情報を十分に確認せずに契約してしまったり。後悔するくらいなら、一呼吸おいて、準備を整える方が賢明です。

また早く決めすぎてしまうと、その分家賃も多くかかります。
少し前の記事ですが、家賃発生日について書いたものです。

家賃発生日はどれくらい待ってもらえる?
https://www.kurachic.jp/column/670/

2025年の物件探しを成功させる4つのポイント

  1. 条件を「柔らかく」する
    理想の条件を並べるのは簡単ですが、現実的な選択肢を広げるためには妥協も必要。駅徒歩10分を15分に広げるだけで、選べる物件がぐっと増えることもあります。あと、広さ(㎡)もキリの良い数字でなく、あくまで建築する立場からで考えること、など。
  2. 時期を長めに取る
    決め打ちで内見の日を設定してしまうと、その日にあるものしか選べません。地方からの場合は難しい部分もありますが、探す時期、入居日(契約起算日)に幅を持たせておくとよいと思います。
  3. タイミングを信じる
    焦らず、こまめに物件情報をチェック。タイミングが合えば、皆さん良い物件にお引越しされています。
  4. 情報収集は慎重に
    物件情報は鮮度が命。一般のポータルサイト(スーモ、ホームズ等)は2次情報が多く、この時期はあまり役に立たない印象です。物件情報よりも、その街や、不動産会社の情報や口コミ、Googleマップで現地の様子などをしっかり調べましょう。

結論:「物件はなくならない」

2025年も、賃貸市場は動き続けます。焦らず、でも油断はせず。

自分に合ったペースで物件探しを進めてください。「物件はなくならない」という事実を信じて、あなたの物件探しを楽しみましょう!それではまた。