【2026年部屋探し】東京の家賃相場はどうなる?23区シングル「10万円超」の現実と賢く借りる3つのコツ

【2026年部屋探し】東京の家賃相場はどうなる?
23区シングル「10万円超」の現実と賢く借りる3つのコツ

「2026年の引越しに向けて部屋探しを始めたけど、家賃が高くていい部屋が見つからない……」
これからお引越しを考えている皆さま、そんな風に感じていませんか?

実はその感覚、気のせいではありません。
アットホーム株式会社が2025年11月26日に発表した最新資料によると、東京都内の家賃は過去最高レベルを更新し続けていることが明らかになりました。

今回は、この最新データをもとに、2026年の部屋探しで知っておくべき家賃相場のリアルと、この厳しい市況の中でどうやって自分に合う部屋を見つければいいのか、そのヒントをお伝えします。

1. 衝撃の事実:東京23区の一人暮らし家賃は「10.4万円」

まず、こちらのデータをご覧ください。東京23区の賃貸マンションの平均募集家賃(2025年10月時点)です。

東京23区 平均募集家賃(2025年10月)

  • 一人暮らし向け(30㎡以下): 104,594円(前年同月比 +10.6%)
  • カップル向け(30〜50㎡): 171,031円(前年同月比 +11.7%)
  • ファミリー向け(50〜70㎡): 249,649円(前年同月比 +10.2%)

※出典:アットホーム株式会社「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向(2025年10月)」

なんと、23区内の一人暮らし向け物件の平均家賃は「10万円の大台」を突破しています。
特に前年の同じ月と比べると、一人暮らし向けで+10.6%、カップル向けでは+11.7%も上昇しています。

例えば、これまで9万円で借りられていたような部屋が、更新や引っ越しのタイミングで約10万円になっているイメージです。これは家計にとってかなり大きなインパクトですよね。

2. なぜこんなに家賃が上がっているの?

「大家さんが儲けようとしているだけ?」と思うかもしれませんが、実はそう単純な話ではありません。主な理由は大きく2つあります。

① 建てるのも維持するのもお金がかかる

建物の建築費や、維持管理にかかるコスト(人件費や材料費など)が高騰しています。新しいマンションを建てるコストが上がれば、当然家賃も高く設定せざるを得ません。

② 物件が足りていない(空室が出ない)

今、賃貸市場では「需要に対して供給が足りない」状況が起きています。

  • 引っ越さない人が増えた: 引っ越し費用や更新料などの諸費用も高いため、「今の家に住み続けよう」と更新を選ぶ人が多く、空室が出にくくなっています。
  • 買わずに借りる人が増えた: 分譲マンションの価格も高騰しているため、購入を諦めて賃貸で探し続けるファミリー層が増加しています。

つまり、「空きが出にくいのに、探している人は多い」という状況が、家賃を押し上げているのです。

3. 諦めないで!賢く探すための3つの視点

「じゃあ、もう2026年は東京で安く住むのは無理なの?」
そう悲観する必要はありません。データを見ると、賢くお部屋を見つけるための「狙い目」が見えてきます。

視点① エリアを少し広げてみる(都下エリアの注目)

23区にこだわらず、東京都下(市部)に目を向けると、相場は劇的に変わります。

  • 一人暮らし向け: 23区 約10.4万円 に対し、都下は 約6.2万円
  • ファミリー向け: 23区 約25万円 に対し、都下は 約13.5万円

電車で数十分移動するだけで、家賃が半額近くになるケースもあります。「絶対に23区」という条件を一度外してみると、理想の広さや設備の部屋に出会える確率がグッと上がります。

視点② 「マンション」ではなく「アパート」も検討する

鉄筋コンクリート造の「マンション」は人気ですが、木造や軽量鉄骨造の「アパート」も選択肢に入れてみましょう。アパートの平均家賃は、マンションに比べて2〜3割安く設定される傾向があります。

実際、東京23区内でもアパートのシングル向け平均家賃は約7万円(70,732円)となっており、マンション(約10.4万円)と比べると3万円以上も差があります。最近は内装がおしゃれで防音性に配慮された新しいアパートも増えています。

視点③ 条件の「見極め」がこれまで以上に大事

あらゆる物価が上がっている今、消費者の皆さんはこれまで以上に「コストに見合うかどうか」を厳しく見極めるようになっています。
「新築・駅近・オートロック」すべての条件を叶えようとすると、予算オーバーは避けられません。「駅からは少し歩いてもいい」「築年数は古くても内装が綺麗ならいい」など、自分にとっての優先順位を整理することが、良い物件に出会う近道です。


まとめ:これからは「プロと一緒に戦略的に探す」時代

残念ながら、家賃の上昇傾向はもうしばらく続くと予想されています。「下がる要素が見当たらない」というのが現在の正直な市況です。

プロの考察:高級物件は「天井」の兆しか

昨日のコラム「大手賃貸に異変あり?2026年繁忙期、家賃値下げとフリーレントの裏側を独自データで読む」では、大手のいわゆる高級物件において値下げやフリーレント(家賃無料期間)が増えている件について触れました。

これを考えると、高級物件などの家賃相場は一旦「天井」に達しているのかもしれません。しかし一方で、今回ご紹介したシングル向けなどの一般価格帯は依然として上昇基調です。市場全体で動きが異なるため、より慎重な判断が求められます。

市場はあくまで「平均」の話です。すべての物件が高いわけではありません。
エリアごとの特性や、隠れた優良物件の情報を持っているのは、やはり地場の不動産屋です。

「相場が高いから……」と諦める前に、まずは暮らしっく不動産にご相談ください。
お客様のライフスタイルと予算に合わせて、この厳しい市況の中でも「無理のない、最適な選択肢」 を一緒に探していきましょう。

この記事を書いた人:門傳義文

暮らしっく不動産 代表。
業界の最新動向を調査・分析する「日管協総合研究所」の委員も務める、賃貸管理のプロフェッショナル。
(保有資格:宅地建物取引士、賃貸不動産管理士、ファイナンシャルプランナー2級)
お部屋を「貸す側」と「借りる側」の双方の視点から、実践的なアドバイスをお届けします。