結論:「SEOに改善点があります」という営業メールの指摘を自社サイトで確かめたところ、2点のうち1点は外れ、1点は当たりでした。
なぜ重要か:自動診断の指摘は、外れていることも、もっと大事なミスを見落としていることもあります。
次にすべきこと:
- http:// と www. 付きのアドレスが https:// に切り替わるか見る
- この記事のセルフチェックで、自社サイトを15分見直す
こんにちは。暮らしっく不動産の門傳です。
はじめに:「SEO面で改善の余地があります」というメール
先日、暮らしっく不動産を運営する株式会社ラインズマンの会社サイトあてに、ホームページ制作会社から「貴社サイトを拝見したところ、SEO面で改善の余地がある」という営業メールが届きました。指摘は「HTTPS未対応」と「画像のalt属性が未設定(9/9枚)」の2点で、無料の診断レポートを送るので返信してほしい、という内容です。
不動産会社をやっていると、この手のメールは毎週のように届きます。今回は無視するだけではもったいないので、指摘が本当かどうかを自社サイトで確かめてみました。同じようなメールを受け取っている不動産会社の方の参考になればと思います。
なお、送り主を批判する意図はないため、会社名やサービス名は伏せています。
指摘1「HTTPS未対応」→ 実際は対応済みでした
結論から言うと、この指摘は当たっていませんでした。弊社サイトは https:// で正常に表示され、ブラウザにも鍵マークが付いています。
では、なぜ「未対応」と判定されたのか。考えられるのは、診断ツールが「http://」や「www.」付きのアドレスをチェックしたケースです。サイトによっては、https化していても http:// でアクセスすると自動で切り替わらないことがあります。
確認方法は簡単で、次の4つのアドレスをブラウザに入力し、すべて https:// に切り替わるか見るだけです。
- http://自社ドメイン
- http://www.自社ドメイン
- https://自社ドメイン
- https://www.自社ドメイン
切り替わらないものがあれば、サーバー側で転送(リダイレクト)を設定すれば直ります。制作会社に作り直してもらう話ではありません。
指摘2「画像のalt属性が未設定」→ これは当たっていました
トップページの画像を確認すると、サービス紹介の写真やフッターの画像に、alt(画像の説明文)が入っていませんでした。こちらは指摘どおりです。
alt属性は、画像が表示されないときや、読み上げソフトを使う人に向けた説明文です。検索エンジンが画像の内容を理解する手がかりにもなります。ただ、入っていないから検索順位が大きく下がる、というほどの要素ではありません。
直し方は、ホームページの管理画面(CMS)で画像ごとに「不動産売買のイメージ」「高田馬場の街並み」のような短い説明を入れるだけです。こちらも、自社で十分対応できる範囲でした。
本当の収穫は、営業メールが指摘しなかったミスでした
指摘を確かめるために自社サイトを見直したところ、メールには書かれていなかったミスが2つ見つかりました。
- フッターの社名の誤字:「Linesman」のはずが「Linsman」になっていました
- 説明文の取り違え:「不動産売買」の紹介文に、退去診断や退去費用など賃貸の内容が入っていました
どちらもSEOのツールでは見つかりにくいものです。ただ、お客様が見れば「この会社、大丈夫かな」と感じるかもしれません。不動産会社のサイトでは、こうした信頼に関わる部分の方が、技術的な項目より大事だと感じました。
(2点とも修正済みです)
営業メールを開く前に。不動産会社のサイトセルフチェック
今回の経験から、制作会社に相談する前に自分で確認できる項目をまとめました。15分ほどで一通り見られます。
- □ http:// と www. 付きのアドレスが、すべて https:// に切り替わる
- □ 問い合わせ・査定フォームのページも https:// になっている
- □ 主な画像に alt(説明文)が入っている
- □ 社名・住所・電話番号・宅建業の免許番号が、全ページで正しく、表記がそろっている
- □ サービス紹介文が、そのサービスの内容と合っている(コピペの残りがない)
- □ スマホで見ても文字や画像が崩れていない
- □ 掲載中の物件情報や「最新情報」が古いまま放置されていない
- □ Googleサーチコンソール(無料)に登録して、エラーが出ていないか見ている
- □ フォームから自分宛てにテスト送信して、ちゃんと届く
特に最後の項目は、意外と見落とされがちです。問い合わせが減ったと思ったら、フォームが壊れていたという話もよく聞きます。
もう1つの定番:問い合わせフォームから届く「相互リンク」のお願い
メールだけではありません。暮らしっく不動産の問い合わせフォームにも、ある建築関連の会社から「相互リンクをしませんか」という依頼が届いたことがあります。ドメインパワーが上がる、検索順位が上がる、アクセスが増える、という3つのメリットが並んだ文面でした。
面白いのは、フォームの「営業・勧誘について」という項目で「営業・勧誘ではありません」が選ばれていたことです。お客様からの問い合わせと同じ窓口に届くので、担当者は毎回中身を確認しなければなりません。
では、相互リンクで本当に順位は上がるのでしょうか。Googleは、「過度なリンク交換」(「リンクしてくれたらリンクします」というやり取り)を、ガイドライン違反(リンクスパム)の例として挙げています。読者の役に立つから紹介するリンクなら問題ありませんが、面識のない会社と「お互いに貼りましょう」と交換するリンクに、大きな効果は期待しにくいです。
断る場合も、基本は返信不要です。フォームに「営業目的のご連絡はご遠慮ください」と書いておくと、少しは減らせます。
「補助金で最大2/3」という言葉の受け止め方
今回のメールにも、ITツールの補助金を使えば導入費用の最大2/3が補助される、と書かれていました。補助金そのものは正式な制度ですが、「最大」の部分は割り引いて考えた方が安全です。
契約前に、次の点を確認しておくことをおすすめします。
- 自社が補助の要件を満たしているか(申請してみないとわからない部分もある)
- 採択されなかった場合、費用は全額自己負担になるのか
- 補助金が入るのは支払いの後。いったん全額を立て替える必要があるか
- 申請や実績報告の手間は、誰がどこまでやるのか
- 月額費用や最低契約期間など、補助の対象外になる費用はいくらか
補助率や上限額は年度や申請枠によって変わります。営業担当の説明だけでなく、制度の公式サイトで最新の要件を確かめてから判断しましょう。
まとめ:自動診断はきっかけ。答えは自分で確かめる
今回の営業メールで指摘された2点は、1つが外れ、1つが当たりでした。そして一番の収穫は、自分で見直したときに見つかったミスでした。
自動診断の指摘は、自社サイトを見直すきっかけとしては役に立ちます。ただ、「改善点があります」と言われても、すぐに作り直しを考える必要はありません。まずは上のチェックリストで、自分で確かめてみてください。
この記事の執筆者
執筆:門傳 義文(株式会社ラインズマン 代表取締役/宅地建物取引士/FP2級)
