結論:賃貸の重要事項説明は、ビデオ通話のオンライン(IT重説)で受けられます。暮らしっく不動産では、今は4件に3件ほどがオンラインです。

なぜ重要か:お店に行かずに済み、落ち着いて説明を聞けます。ただし、書類を先に受け取って手元に置いておくことが前提です。

次にすべきこと:

  • 届いた重要事項説明書を、説明の前に一度読む
  • 不安な点は、説明の日より前に質問として送っておく

こんにちは。暮らしっく不動産の門傳です。

部屋を借りるときの重要事項説明は、以前は不動産会社のお店に行って、対面で受けるのが当たり前でした。今は、ビデオ通話を使ったオンラインでの重要事項説明(IT重説)が選べるようになっています。

暮らしっく不動産でも、今は重要事項説明の75%くらいがオンラインです。この記事では、実際に私たちがオンラインで説明している流れをもとに、受ける前の準備や、よくあるつまずきをまとめます。重要事項説明書そのものの見方は「賃貸の重要事項説明書をわかりやすく解説」をご覧ください。

IT重説(オンラインの重要事項説明)とは

IT重説は、宅建士がビデオ通話などで重要事項説明をすることです。賃貸では2017年10月から本格的に始まりました(国土交通省の発表)。さらに2022年5月の法改正で、重要事項説明書や契約書を紙ではなく電子書面で受け取れるようになり、申込みから契約までオンラインで終えられる物件も増えました。

オンラインでも、説明するのは宅建士です。国土交通省の考え方では、次のことがそろっているときに、対面と同じ扱いになるとされています。

  • 宅建士が記名した重要事項説明書などを、説明の前に受け取っている(電子書面でもよい)
  • 書類を見ながら説明を受けられ、映像と音声の状態を説明の前に確かめている
  • 宅建士が宅建士証を画面で見せ、受ける人がそれを確認できている
  • 映像や音声に問題が出たら、説明をいったん止める

オンラインで受けたい人は増えている

不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)の2025年の調査では、賃貸の住まい探しをしている人のうち、IT重説を「活用したい」と答えた人は56.7%でした。オンライン接客やオンライン内見、オンライン契約より高く、非対面のサービスの中でいちばんです。2022年の調査では43.5%だったので、毎年増えています(RSC「不動産情報サイト利用者意識アンケート」2025年10月発表)。

現場の感覚でも、オンラインを選ぶのは「遠方の人」や「若い人」に限りません。ビデオ通話に慣れている人なら、ほとんどの方がオンラインを選んでいます。

暮らしっく不動産のオンライン重要事項説明の流れ

会社によって違いますが、私たちの場合は次のように進めています。

  1. 申込み・入居審査:審査が通ったら、説明の日を決めます。
  2. 書類を送る:重要事項説明書などは、PDFをメールで送ることが多いです。家に印刷できる環境がない方には郵送します。すべて電子契約で終えられる物件の場合は、電子契約サービスのURLをお送りします。
  3. 3日ほどあけて説明する:書類を送ってから説明まで、3日くらいあけるようにしています。郵送(レターパック)なら翌日には届きますが、読む時間も含めて余裕をもたせています。
  4. ビデオ通話で説明:私たちはGoogle Meetを使っています。宅建士証を画面で見ていただいてから、書類にそって説明します。説明した内容は、お客様に事前に確認したうえで、社内で記録に残しています。
  5. 契約:電子契約に対応している物件は、そのままオンラインで署名します。対応していない物件は、郵送で契約書をやりとりします。

受ける前に準備しておくこと

いちばん大事なのは「不安な質問を先に送っておく」こと

説明する側としていちばんお願いしたいのは、気になることは、説明の日より前に質問として送っておいていただくことです。

オンラインの説明は、思っている以上にスムーズに進みます。その場で考えながら聞いていると、聞きたかったことを言いそびれることもあります。事前にもらった質問なら、こちらも調べて確かな答えを用意できます。

そのほかの準備

  • 書類を一度読んでおく:届いた重要事項説明書に目を通し、わからない言葉に印を付けておきます。
  • 書類を手元に置く:印刷した紙か、通話とは別の画面で書類を開けるようにしておくと、見比べながら聞けます。
  • 落ち着いて話せる場所で受ける:説明は大事な契約の話です。周りに人がいない、静かな場所で受けましょう。
  • 通信環境を確かめる:以前は回線のトラブルも多かったのですが、オンライン会議が広まった今は、ほとんど起きなくなりました。それでも、音が途切れたり画面が止まったりしたら、遠慮せず止めてもらってください。

オンラインならではの、よくあるつまずき

電子契約でよくあるのが、署名や同意のボタンの押し忘れです。すべて終わったつもりでも、1か所だけ押していなかった、ということがあります。私たちは、押し忘れがないかをこちらでも確かめて、フォローするようにしています。

また、オンラインは進むのが速い分、わからないところを聞き流してしまいがちです。私たちは説明の途中で区切って、質問の時間をとるようにしています。わからないところがあれば、その場で止めて聞いてください。

対面とオンライン、どちらがいい?

実際にやってみると、オンラインのほうがスムーズに終わることが多いです。お客様にとっては、会社に行って契約する緊張から解放される、というのも大きいと思います。会社に行って契約をするのは、ふつうの人からすると緊張しますよね。私も、車を買うときの契約は今でも緊張します。

そのうえで、私たちは次のように考えています。

  • 一人暮らし用など、居住用の賃貸:オンラインで十分です。
  • 店舗や事務所などのテナント:契約の内容が物件ごとに大きく違うので、対面のほうが向いています。

なお、オンラインに対応しているかどうかは不動産会社によって違います。希望する場合は、申込みのときに伝えておきましょう。

よくある質問

オンラインの重要事項説明は、どれくらい時間がかかりますか?

暮らしっく不動産の場合、賃貸の重要事項説明はだいたい20分から30分ほどです。オンラインのほうが、対面よりスムーズに終わることが多いです。質問が多ければ、もう少しかかります。

家にプリンターがなくても受けられますか?

受けられます。印刷できない方には、書類を郵送することもできます。通話とは別の画面でPDFを開いて、見比べながら聞く方法もあります。

電子契約に対応していない物件でも、説明だけオンラインで受けられますか?

物件や不動産会社によりますが、説明はオンラインで受けて、契約書は郵送でやりとりする方法もあります。申込みのときに相談してみてください。

オンラインだと、対面より説明が軽くなりませんか?

説明する内容は対面と同じで、説明するのも宅建士です。途中で質問の時間もとります。気になる点は事前に送っておくと、より確実です。

さいごに

オンラインの重要事項説明は、今では賃貸のごく普通の選び方の一つになりました。お店に行く手間がなく、落ち着いて説明を聞けるのが大きな利点です。

ただ、どれだけ便利になっても、重要事項説明が「契約の前に、大事なことを確かめる場」であることは変わりません。書類を先に読み、不安なことは前もって質問しておく。この2つだけで、オンラインでも安心して契約に進めます。

この記事の執筆者

執筆:門傳 義文(株式会社ラインズマン 代表取締役/宅地建物取引士/FP2級)