結論:家賃は土地の値段にほぼ比例します。20m²分の土地が618万円の高島平は1Kが6.2万円、2,940万円の南青山は12.2万円でした(2016年当時の調べ)。

なぜ重要か:相場からかけ離れた条件で探すと、いつまでも見つかりません。

次にすべきこと:

  • 住みたい街の公示価格を調べる
  • 予算に合わせてエリアか条件をゆるめる

こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

部屋探しのコツは、相場感覚を持つことです。家賃は土地の値段にほぼ比例しているので、住みたい街の土地の値段がわかれば、その街の家賃の見当がつきます。部屋がすぐ決まる人と、なかなか決まらない人の差は、この相場感覚があるかどうかだと感じています。

暮らしっく不動産では、この記事を書いた2016年当時、9割を超えるお客様がお問い合わせフォームから連絡をくださっていました。お問い合わせをいただくと、物件を探してメールでお送りします。そのやりとりの中で感じた、部屋が決まる人と決まらない人の差を考えてみました。

相場感覚があるかないか

このコラムでも何度か書いていますが、相場感覚はとても大事です。

土地の値段は、国が毎年「公示価格」として発表しています。つまり、場所ごとの相場はある程度決まっています。

一方、建物を建てる費用は、東京で建てても九州で建てても大きくは変わりません。ですから、賃貸の家賃は土地の相場によって変わってくると言えます。

土地の公示価格は、国土交通省の地価公示のページから調べられます。

3つの街で土地の値段と家賃を比べてみた

ここからの数字は、記事を書いた2016年2月当時に公表されていた公示価格と、2015年の家賃データをもとにしています。

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たとえば、暮らしっく不動産のある高田馬場3丁目。公示価格は50万円/m²でした。20代の人が一人暮らしをするのによくある20m²の部屋で考えると、一人暮らし分の土地の値段は1,000万円になります。

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都会の香りがする港区南青山の住宅地も見てみます。公示価格は147万円/m²。20m²で考えると、一人暮らし分の土地の値段は2,940万円です。

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板橋区の高島平の住宅地です。都営三田線が通っているエリアです。公示価格は30万9千円/m²。20m²で考えると、一人暮らし分の土地の値段は618万円になります。

これをふまえて、家賃の相場と並べてみます。

場所 20m²に換算した土地の値段 1K・風呂トイレ別の平均賃料(2015年データ)
高田馬場3丁目 1,000万円 8.8万円
南青山4丁目 2,940万円 12.2万円
高島平5丁目 618万円 6.2万円

※国土交通省の地価公示・都道府県地価調査と、不動産会社向けの物件データベースをもとに、暮らしっく不動産でまとめたもの(当時)

見事に、土地の値段に比例して家賃が変わっています。

家賃が土地の値段に比例する理由

大家さんの立場で考えてみましょう。土地を買って賃貸物件を建てたら、土地の購入費と建物の建築費を回収しなければいけません。

家賃はどう決めるでしょうか。土地の値段と建築費が高ければ、そのぶん家賃を上げて回収したいと考えるのは当然です。それだけお金がかかっているからです。

相場より安い物件にはわけがある

相場より安い物件とは、どんな物件かも考えてみます。

大家さんがいちばん避けたいのは空室です。収入を生まない部屋は意味がありません。安くしてでも入居者がいてくれたほうがよいのです。そのため、平均的な物件より何かが劣っている場合は、家賃を下げて募集します。たとえば次のような物件です。

  • 築年数が古い
  • 立地がよくない、駅から遠い、坂の下にある
  • 設備が時代遅れ
  • 狭い
  • お風呂がない
  • 洗濯機置き場がない(コインランドリーを使ってね、という意味です)
  • トイレが共同

逆に、新築・設備が新しい・駅に近いのに相場より安い物件は、おとり物件や、更新のない定期借家の物件の可能性が高いです。見分け方はおとり物件を見分ける5つのポイントや、相場より安い賃貸物件の9つの理由にまとめています。

東京23区と吉祥寺の土地相場と家賃の関係

23区と吉祥寺の土地の公示価格と、家賃の相場を見てみましょう。吉祥寺は23区外ですが、人気のある街なので入れてみました。

場所 20m²に換算した土地の値段 1K・風呂トイレ別の平均賃料
千代田区六番町 6,300万円 15.5万円
中央区勝どき3丁目 2,060万円 9.4万円
新宿区高田馬場3丁目 1,000万円 8.8万円
港区南青山4丁目 2,940万円 12.2万円
板橋区高島平5丁目 618万円 6.2万円
渋谷区代々木3丁目 1,808万円 10.2万円
品川区東五反田4丁目 1,548万円 11.0万円
目黒区駒場2丁目 1,374万円 8.5万円
世田谷区代田3丁目 1,170万円 8.1万円
大田区蒲田3丁目 802万円 8.4万円
杉並区高円寺南4丁目 1,116万円 8.7万円
中野区東中野3丁目 1,034万円 8.4万円
練馬区豊玉上1丁目 848万円 7.5万円
豊島区巣鴨1丁目 1,206万円 9.2万円
文京区小石川2丁目 1,596万円 9.3万円
北区田端2丁目 974万円 8.9万円
足立区西新井6丁目 474万円 7.2万円
葛飾区西新小岩4丁目 636万円 6.9万円
江戸川区平井6丁目 688万円 7.4万円
荒川区西日暮里4丁目 958万円 8.1万円
墨田区菊川3丁目 878万円 9.5万円
江東区東陽1丁目 906万円 8.7万円
台東区谷中2丁目 1,334万円 7.2万円
武蔵野市吉祥寺南町3丁目 1,180万円 8.0万円

※国土交通省の公示価格と、不動産会社向けの物件データベースをもとに、暮らしっく不動産でまとめたもの(2016年当時)

この表をグラフにしてみます。

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※国土交通省の公示価格と、不動産会社向けの物件データベースをもとに、暮らしっく不動産でまとめたもの(2016年当時)

場所によって多少の差はありますが、ほぼ土地の値段に比例しているのがおわかりいただけると思います。

ですから、「代々木で家賃5万円台、オートロック、風呂・トイレ別、2K、築浅、独立洗面台、追い炊きつきの物件はないですか?」と聞かれても、ありません。これが現実です。

相場感がずれていると、いつまでたっても見つからない

話を戻します。部屋がなかなか決まらない人には、次のような流れがよく見られます。

  1. 「代々木で5万円台、オートロック、風呂・トイレ別、2K、築浅、独立洗面台、追い炊きつきの物件に住みたい」と考える
  2. でも、その予算では物件がない
  3. 「不動産屋を変えたり、時期を変えたりすれば出てくるかもしれない」と思う
  4. 不動産屋や時期を変えても気に入る物件が見つからず、いつまでたっても決まらない

とくに、引越しを急ぐ理由がない人に多い傾向です。自分の条件を変えないので、いつまでも決めきれずに待ち続けることになります。

ネットで見つけた物件がおとり物件で、時間と手間をむだにしてしまうこともあります。最後は疲れて、引越しそのものが面倒になってしまいます。決められない理由と条件の見直し方は、賃貸の部屋が見つからない人の共通点でも書いています。

相場感覚を身につけるには

相場感覚を持つには、次のような順番で考えるとわかりやすくなります。

  1. 住みたい街の公示価格を調べて、土地の値段の高い・安いをつかむ
  2. その街で、自分の希望の間取りの家賃がいくらくらいか、不動産会社に聞いたり物件サイトで見たりする
  3. 予算に合わないときは、エリアを土地の値段が安い方向へずらすか、条件の優先順位を決めてゆるめる

上の表の数字は2016年当時のものです。今の家賃の傾向は2026年の東京の家賃相場の記事もあわせて見てください。

さいごに

ネットで「家賃相場」と検索すると、いろいろなサイトが出てきます。先ほど紹介した国土交通省のページで土地の値段を調べてから、予算に合わせて住むエリアをしぼり込んでいくのも1つの方法です。

参考にしていただければと思います。それでは。