こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
熊本地震の影響は計り知れませんが、SNSを中心に支援の動きが活発化しています。
東日本大震災の教訓もあってか、前回の震災よりは初動が早かったように思っています。
ですが、現場では水や食料や毛布が足りないといった情報も錯綜しており、その情報をさばくスタッフの人手も足りないようですね。かといってボランティアスタッフを受け入れる体制も整っていないようなので、まだまだ混乱は続きそうです。
さて、暮らしっく不動産のコラムで何度かご紹介している国土地理院のサイトを覗いてみますと、熊本地震の分析が既にはじまっていました。
地殻がどれぐらい動いたのか?
最初に地殻とはどこの部分かを書いておきます。
参照:wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%AE%BB)
上の図でいう1番の部分です。何層にもなっている一番表層の部分ですね。
ではその地殻がどのぐらい動いたのかというお話し。
参照:国土地理院 平成28年(2016年)熊本地震(4月16日、M7.3(暫定値))前後の観測データ
http://www.gsi.go.jp/common/000139639.jpg
これは水平方向にどれぐぐらい地殻が動いたのかを示すデータです。
電子基準点である長陽では南西方向に97cmも動いたようです。
参照:国土地理院 平成28年(2016年)熊本地震(4月16日、M7.3(暫定値))前後の観測データ
http://www.gsi.go.jp/common/000139641.jpg
上下方向については先ほどの長陽というところで上に23cm隆起したというデータ。
ここ数日の地震で地面が97cm横にずれて23cm上に移動してしまったのです。
地震のエネルギーのすごさを思い知らされます。
太平洋プレートが年間7から8cm動いていてハワイが日本に近づいているなんて話もありますからこの一瞬で97cmと考えるととんでもないパワーがかかっていることが想像できます。
どうなってしまったのか?
参照:地理院地図(平成25年に撮影されたもの)
これが地震前の空中写真だそうです。
参照:地理院地図
そしてこれが4/16に撮影されたもの。
阿蘇大橋が崩れたのは有名な話ですが、山の土砂がなだれこんでいるのがよくわかります。
右端のほうも土がむきだしになってしまった部分があるようですね。
参照:国土地理院動画チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=C52Niq2jNdI
この阿蘇大橋近辺を無人航空機を使って撮影したものが国土地理院のYoutubeにUPされていました。
地震のエネルギーがよくわかる動画ですね。人間は自然災害には無力です。
参照:国土地理院 平成28年熊本地震に伴い発生した土砂災害の立体図(阿蘇大橋周辺)
http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/H27-kumamoto-earthquake-index.html#2
立体的な地図で見ても道路が寸断されているのがわかります。
さいごに
東京では土地の境界線1cmで揉め事が起こったりします。
土地の値段も1m2が数百万円するようなところもあります。
そのような当たり前の暮らしですが、地震が起きて土地が97cmも動いてしまうことを考えてみます。
位置がずれるだけならまだしも、土地の大きさがある日突然、大きくなったり小さくなったりしてしまうことも考えられるわけです。
人間が勝手に決めた道路や境界が自然を前にすると何の意味もなくなってしまうということ。
国土地理院が発表したデータを見て、自然の怖さと人間の無力さと国土地理院の仕事の早さを感じています。
熊本の人たちが一刻も早く日常を取り戻せますように。
それでは。