こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。


世間では再び"おとり物件"という単語が話題になっているようです。
部屋探しをしているお客さんからも"この物件ありますか?"とスーモやat homeやホームズなどの物件のURLを教えていただくことがあるのですが、実際に探してみるとその物件が無いということも多々あります。

さて、今日のポイントは"おとり物件にひっかからないポイント"と題して3つのポイントを書いておきたいと思います。

大前提として"おとり物件"は自社に来てもらう・自社に問い合わせてもらい自社で契約してもらうための"毒餌"であるということです。

1.更新日が古い物件は要注意

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前の入居者が退去してから次の入居者が入るまでの期間というのはどれほどでしょうか?
これは物件にもよりますが、展開が早い物件だと二週間。
1F、駅から遠い、古い、線路沿い、高速道路沿いのように、住む上でなんらかの"気になる要素"がある物件だと半年、一年と空室であることがあります。
おとり物件に使われるような物件は駅近、新築、綺麗と物件として"気になる要素"がありません。
そのような物件が半年や一年と空いていることはありませんので、ネットの更新日が一年も前のような物件はまず無いと言えます。
もしかしたら空いているかも。。。は無いです。

※ちなみにですが、最近覆面調査をしたかぎりでは更新日をきちんと手入れしている"おとり物件"もありました。
(毒餌の手入れをする知恵があるなら、まともな方向に知恵を使えよ。とつっこみたい。)

2.相場と比べて安い物件は要注意

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大家さんも慈善事業ではないので、非の打ち所がない物件を相場より安く貸し出すということはしません。
投資した金額を何年で回収するのか?というところまできちんと計算して周りの相場を調査したうえで貸し出します。
7万円から10万円ぐらいの価格帯の物件で相場と比べて2,000円ぐらい安い物件はあるかもしれませんが、10,000円以上安い物件というのは、まず"おとり物件"と考えていいと思います。(同一の築年、同一の部屋の広さ、同一の設備と仮定しています。)
仮に相場よりも1万円安い物件があったとしたら、解約予告が2ヶ月前、短期解約違約金がある、更新料が高い、退去時のクリーニング代が高い。などの賃料でマイナスになっていいる部分のお金を回収できる要素がついていると考えたほうがいいです。
不動産屋で物件紹介しているホームページやスーモやat homeやホームズといった不動産情報サイトにはそのような細かい事は書いていないので、ついつい問い合わせしてしまいがちです。

※写真は都心部の新築、25m²、日当り良好、三口コンロ、バス・トイレ別、宅配ボックス付きの物件からの写真。
仮にこんな景色が見えて前述の物件スペックで8万円だったら問い合わせをしてしまいそうですが、実際は12万円を超える家賃です。

3.おとり物件をやる業者は(だいたい)決まっているので要注意

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"おとり物件"というのは営業スタッフが個人でやることではなく会社ぐるみ・店舗ぐるみで常態化していることが多いです。
つまり、会社の方針ということです。
毎日のように物件図面を眺めて仕事をしていると、お客さんから物件のURLが送られて来た時に"あぁ、またこの業者の物件のURLだ。。。"と思うこともしょっちゅうあります。
そして、そういう会社にかぎって、申込みをするまで帰らせなかったり、しきりに来店を促したり、内見をしたら必ず申し込みをさせたりと営業手法が強引なようです。
すごくポジティブに書いてしまえば、"背中を押してくれる不動産屋"といえるかもしれませんが、悪く言えば"ただお客さんを(ノルマのために)崖から突き落としてる"というだけに過ぎません。

さいごに

おとり物件の掲載を行って注意を受けた業者は一般のサイトに物件情報をしばらくの間、掲載できなかったり、罰金を受けたりします。
ですが、"おとり物件"であるという裏取りが非常に難しく、摘発できたとしても氷山の一角。
会社によっては店名や責任者を変えて再オープンしているケースもありますので、実態としては何も変わりません。
それほど(都心部は特に)店舗間の競争が激しく、個人のノルマが厳しい業態であるといえます。

根本解決をするには"おとり物件"業者を摘発するのではなく、根本的なルール作りや規制の整備が望まれるところです。
そして"相場感覚"を身につけることが自己防衛につながります。