こんにちは暮らしっく不動産の門伝です。
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さて、今日は敷引と敷金償却の話です。

敷引、償却は戻ってこない

敷引、敷金償却、と記載のある場合、その敷金は戻ってきません。
関西のほとんどの物件は敷引という条件が契約に入るそうです。

関東では少ないですが、そのような物件もあります。
多くの場合は備考欄に書いてあります。

参考図面で見てみましょう。

多くの場合備考欄に小さく記載だけで、分かり難い!



右下のところにある赤い部分です。

小さくて見えにくいんですけど、この記載が入るだけで賃料の1ヶ月分ほどが消化されてしまうことになります。
不動産屋の営業マンも見落としていて契約前に発覚するということも時々ありますので注意しましょう。

原状回復費用はどうなる?

基本的には、敷引・償却がある場合は、「そこから充当して足りない部分を請求する」という解釈が多いです。

敷引・敷金償却と原状回復費用はトラブルになりやすく、発展して裁判になっているケースもあります。 賃貸トラブルガイドラインの冊子にも書かれています。

そのうちの一つをここで紹介したいと思います。

[事例28] 敷引特約が、消費者契約法に反し無効とされた事例

奈良地方裁判所判決 平成19年11月9日 〔敷金40万円 返還26万2729円〕

1 事案の概要(原告:賃借人X 被告:賃貸人Y)

賃借人Xは、賃貸人Yと平成14年7月、月額賃料4万5000円で賃貸借契約を締結し、敷金として40万円を差入れた。
本件契約書には、敷金について、明け渡しの1か月後に20万円を差引いて返還するとの特約が付された。
賃借人Xは、平成17年8月15日に本件物件を明け渡したが敷引特約が消費者契約法に違反し無効 であるとして、敷金40万円から毀損したことを認めている部分を差引いた39万8425円の返還を求めた。

これに対して、賃貸人Yは敷金以上の原状回復費用を要したとして、その費用相当額から敷金 (敷引部分を除く)を控除した46万8745円の損害賠償の反訴請求をして争った。

2 判決の要旨

これに対して裁判所は、 (1)敷引特約について、賃貸借契約においては、賃借人に債務不履行があるような場合を除き、

賃借人が賃料以外の金銭の支払を負担することは法律上予定されておらず、奈良県を含む 関西地方において敷引特約が事実たる慣習として成立していることを認めるに足りる証拠もなく、民法の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者である賃借人の 権利を制限するものというべきである。自然損耗についての必要費を賃料により賃借人か ら回収しながら、さらに敷引特約によりこれを回収することは、賃借人に二重の負担を課 すことになり、同特約が敷金の50%を控除するもので、賃借人Xに大きな負担を強いるも のであることを指摘して、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであると判断せざるを得ないとして消費者契約法10条に違反し無効であるとした。

(2)賃貸人Yの損害賠償請求については、賃借人Xの通常の使用を超える使用部分について、 経過年数を考慮した範囲で敷金から13万735円(消費税別)を差引くことを認めた。

(3)以上から、賃借人Xは敷金の一部が認容され、賃貸人Yの反訴請求は棄却された。

引用 国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

http://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf

難しいと思うので、簡単に説明します。

家賃45,000円の契約、敷金は40万円。
契約条件には、20万円の敷引あり。

このような契約内容。
そして出ていこうとしたら、なんと46万円の請求!

入居者の言い分「敷引なんてオカシイ!消費者法違反だ」
ということで、裁判。

結果

敷引特約はちょとやり過ぎ。 経年劣化を考慮した範囲での補修しか認めない。
46万は請求しすぎで、13万円が入居者負担。

簡単に説明するとこのようなかたちです。

敷引が妥当と認められる判例もありますが、横暴な敷引はほとんど認められていません。
敷引でオカシイ!と思ったらきちんと交渉をすることをおすすめします。

さいごに

敷引、償却は関東ではほとんど見かけませんが、存在はします。(事務所店舗は償却多いです)
知らなかった!で後悔しないように、図面の備考欄もきちんとみておきましょう。

それではまた。