こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

賃貸の部屋探しをしていると考えることが多すぎて
"どこにピントを合わせていいかわからなくなった"という声もよく聞きます。
今日は部屋探しで煮詰まった時にどのようなところを考えていくと良いかというポイントを見ていきます。

1.東京は人口が増えている

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まず第一に考えておきたいのは東京は人口が増えているということ。
よくニュースなどで"少子高齢化により人口が減っています。"という報道を耳にしますが、それは東京以外の話であるということを考えるべきです。

人口増減率を都道府県別にみると,増加は7都県となっており,東京都(0.68%)が最も高く,次いで沖縄県(0.40%),埼玉県(0.23%)などとなっています。
この7都県のうち,前年に比べ増加率が上昇したのは東京都,埼玉県及び神奈川県で,減少から増加に転じた千葉県を含めると,東京圏の1都3県で人口増加率が上昇しています。

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出典:平成27年4月17日公表 総務省統計局 人口推計 結果の要約より
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2014np/

人口が増加しているということは空き家が増えつつあるとはいっても住みたい人の需要があるということです。
東京に住むことを決めた場合、どのような場所を皆さん考えるでしょうか。

2.アクセスを重視したいか設備や広さを重視したいかに別れる

アクセス重視の場合

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満員電車には誰しもが乗りたくありません。
いつぞやフレックス出社などが流行った時期もありましたが、全体数から見ればまだまだ少ない。(平成28年度の調査では7.8%ということです。)ということは皆が同じ時間に出勤してくる可能性が高いということです。

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出典:厚生労働省 平成28年就労条件総合調査 結果の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/16/dl/gaiyou01.pdf

ちなみに東京の平均通勤時間は51分という結果が出ています。
参考:弊社記事  東京圏の平均通勤時間は片道51分 51分でどこまで行ける?https://www.kurachic.jp/column/1327/

上記の結果から何が言えるのかというところですが、資本主義である日本で、人より良い条件(この場合だと今よりも都心部への通勤時間を短くしたい場合)を求めた場合、平均値よりも高い金額を払わないと平均値よりも良い条件は得にくいということが言えます。


賃貸の場合は

  • 広さ
  • 設備
  • 築年数
  • 立地

と複合的な要素のバランスで賃料が決まりますが、単純に今住んでいるところと部屋の条件が同一であった場合ですが都心部までのアクセスよくしようと思った時は今よりも家賃を上昇させないと実現できないということが言えます。

設備や広さ重視の場合

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アクセスよりも住環境を良くしたいと思っている方も多いです。
個人的な感覚に過ぎませんが、男性と女性で求めるモノが違うように思えます。

  • 男性→通勤先までのアクセス時間
  • 女性→独立洗面台やオートロックやモニター付きインターフォンなどの設備、買い物要素

男性がアクセスを重視する傾向が多いのに対して、女性は設備や広さを求める傾向がある気がしています。
家賃は"土地の値段+ 建物の建築費"から算出されることが多いので、設備部分を追求すればするほど建物の建築費は高くなり土地の値段の安い場所に行かないと自分の求める物件に希望の金額で入居することができません。

女性から比較的リクエストの多い設備条件で東京の家賃相場を調べてみたことがあります。

女性に人気の条件で見る東京の家賃相場

https://www.kurachic.jp/column/1478/

調べた条件が下記のような条件です。

  • 1K
  • 2F以上
  • バス・トイレ別
  • オートロック
  • 独立洗面台
  • 室内洗濯機置場

このような条件なのでこれに宅配BOXや駐輪場、ダイニング部分が欲しいので広めの部屋を。。。
となってくると家賃は表示の金額よりも上昇します。
例えば中野区の場合、都心部へのアクセスが30分程度で行けるので便利なのですが上記の条件ですと9.3万円。

都心部までのアクセスが良い=需要があるので土地の値段が高い

ということを意味しますので、"家賃=土地の値段+建物の建築費"の公式にあてはめると当然家賃は高くなります。


3.需要があるということは競争力がある

  • アクセスを重視した場合
  • 設備や広さを重視した場合

このどちらのパターンにせよ、需要がある土地に住む以上、その土地の物件には競争力があります。
誰しもが良き条件で住みたいと考えるからです。

大家業も慈善事業ではないので家賃を根拠なく下げることは行いません。
これは大家業に限ったことではありませんが、皆さんがお勤めの業種でも同じではないでしょうか。特に理由もなく製品やサービスの安売りは行わないですよね?製品を扱うような業種の場合、安売りを行うのは下記のようなケースではないでしょうか。


  • 在庫が過多なので安く売る
  • 傷物だったので安く売る
  • 賞味期限が近いので安く売る
  • 近所に競合店ができたので安く売る
  • 親戚や友達だったので安く売る

これを不動産の場合で考えて見ましょう。

  • 在庫が過多なので安く売る→競争力があるので難しい
  • 傷物だったので安く売る→設備が古かったりすれば安い物件もある
  • 賞味期限が近いので安く売る→築年数が古いと(1981年以前の建築物など)ある
  • 親戚や友達だったので安く売る→そのようなコネクションは難しい

"築年数が古いとある"というところですが、希望が築10年だったものを20年にしたぐらいでは物件は思っていたほど増えないことが多いです。築30年とか築40年ぐらいにしないとこの場合は増えません。
つまり需要が少ない(競争力が少ない)条件で探す必要があるということです。

4.掘り出し物件は無い

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中野区で9.3万円?
えっ?そんなにするの?
といっても1件ぐらい6.5万円ぐらいで広くて設備新しくてRCの素敵な家あるんでしょ?
掘り出し物件みたいなの隠し持ってるんでしょ?

このような事を言われることもありますが、競争力のあるエリアで探している以上、まずありえません。
仮に相場よりも安い物件を見つけられたとしても契約条件が通常よりも厳しい物件がほとんどといえます。
どのような厳しさかといえば下記のようなもの。

  • 抗菌処理や消臭サービスが必須
  • 退去時のクリーニング代が相場よりも高い
  • 解約予告が早い(3ヶ月前など)
  • 契約時に事務手数料や書類作成費のようなものを取られる

相場よりも安く賃料設定をしているため、こういう見えづらい部分でお金を設定しないと赤字になってしまうので設定されているという意味合いです。相場よりも安くしているため相場に近くする調整金のようなものでしょうか。このような物件に納得されて住まわれるのであればいいのですが、非常に見えづらい部分なので契約時や退去時にトラブルになりがちなのです。

家賃=土地の値段+建物の建築費

という公式を先程お話しましたが、この場合だと下記のようになります。

本来の家賃=土地の値段+建物の建築費+(調整費)

5.まとめ

1件ぐらいないかなぁと思ってオンリーワンな物件を探しているといつまでも物件を見つけることができず、家探しに疲れてしまいます。また、アクセス重視なのか設備や広さを重視なのかの軸がぶれていても物件を絞り込むことが難しくなります。

賃貸の最大のメリットは住み替えがきくところなので、今の自分のライフスタイルに必要なものに優先順位をつけていくことが大切です。もちろん払えるお金があればそんなことは考えなくていいのかもしれませんが、やっぱり競争力のある街に限り有るお金で住むということは何かを諦めなくてはいけない要素が出て来るものです。

必要なものと諦めるべきものの見極めが大事です!