こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

今日は都内某所で保険屋さん主催の研修があり行ってきました。
家に住んでいるとトラブルや損害がないとはかぎりません。

水漏れ、火災、盗難etc

いつどこでこのようなトラブルが起きるともわかりません。
万が一起きた場合、加入している家財や火災保険を利用して保険金を請求することになるかと思うのですが、どのような点に気をつけておくと手続きがスムーズなのかを書いておきます。

1.保険金を受け取るまでの流れ

まずトラブルが起きて保険金を受け取るまでの流れを書きます。
会社によっても色々だとは思いますが、大きく書くと下記のような流れになります。

  1. 事故発生
  2. 応急処置(被害の拡大をふせぐ)
  3. 保険会社への連絡
  4. 事故現場の記録と保存
  5. 保険金額の算出・書類の作成や手続き
  6. 保険会社からお支払い


case1:水漏れ
あなたは3Fに住んでいる住人だとします。
いつものように生活をしていると洗濯機から水が漏れ、床は水浸し、近くにあったテレビも電源がつかなくなりました。
さて、このような場合、どのような対処を行えばスムーズでしょうか。

2.大切なのは記録と報告

トラブルが発生した時に大切なのは記録と報告です。
保険会社もトラブルが起きたからといって、簡単にお金を払ってくれるわけではありません。
それ相応の手続きと書類が必要になってきますので、保険を適用するにはきちんとした準備が必要になります。

2-1.まずは応急処置

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case1の水漏れの場合は一刻も早く被害を最小限に抑える必要があります。
水漏れということなので水道の元栓を閉めたり、階下にそれ以上水が行かないようにする必要があります。
3Fからの水を早く止めておけば被害が自室のみですんだかもしれませんし、パニックになって放っておいたがために2F、1Fと被害が拡大するおそれもあります。被害を最小限に抑えるためにも早めの行動を心がけましょう。

まずは被害の拡大を防ぐこと。

2-2.現場の記録

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保険会社に連絡するにしても最低限伝えなければいけないことがいくつかあります。
病院で症状を説明する時やIT業界でトラブルが起きた時にもよく使われる手法ですが5W1Hの記録は忘れないようにしましょう。

  • いつ(WHEN)
  • どこで(WHERE)
  • 誰が(WHO)
  • 何を(WHAT)
  • なぜ(WHY)
  • どのように(HOW)

これがけっこう大事とのこと。
これは誰の保険が適用になるのかという責任の所在を判明させるうえでもとても大切なところです。
自分の不注意によるのであれば自分が加入している保険の適用になりますし、設備的な老朽化(躯体の中にある配管など)による被害なのであれば大家さんの保険が適用となります。
なので5W1Hを冷静に記録し保険屋さんに方向するというのはとても大切なことです。

  • いつ→20XX年X月X日XX時頃(14:00頃のように24時間表記にしておくと認識の差を防ぐことができます。)
  • どこで→自宅の洗濯機置場で
  • 何を→洗濯機置場の排水口から
  • なぜ→原因は不明(仮)
  • どのように→洗濯をしている最中に水があふれた


トラブル中は慌ててしまいがちですが、応急処置をしたら必ずこれをメモしておくこと。
そしてこれをすぐに保険会社に連絡することがポイントです。

2-3.現場状況の写真での記録

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早速、片付けたいところですが、まずは現場を記録しておきましょう。

保険金を請求するにしても証拠が必要になります。
証拠も記録せずに勝手に片付けてしまうと問題解決に至るまでの時間が長くなるということなので気をつけたいところです。
今ではスマホを持っている人が多いわけですが、スマホでもかまいません。
どのような品物が、どのように壊れたのかを記録しておきましょう。
全体像、型番、壊れ方の3つの状況を記録しておくと良いかもしれません。

これが何故大事なのか?というところですが、保険適用をうける場合に損害額を計算する時の証拠になります。

"◯◯電機で買った20万円ぐらいのTVなんだよね。壊れちゃったからもう捨てたけど"

というのでは証拠にもならず認められないので、きちんとこういうものを持っていましたという証拠を提示・記録することが大事です。
よくTVドラマなんかで刑事が現場保存や記録をしていますが、あれとまったく同じ発想です。

2-4.感情論でトラブルの長期化を防ぐのも大切

他の住人に迷惑をかけてしまった場合に、早期に迷惑をかけてしまった方にご挨拶をしておくのも大切なことなのだそうです。
やっぱり頭でわかっていても感情論になってしまう部分もありますので、早い段階で被害に遭われた方々にご挨拶しておき、"保証の範囲や金額に関しては保険屋さんにおまかせしておりますので、後日。"という形でお話しをされることが大事とのこと。
金額的には問題がないにもかかわらず初動の態度で示談になかなかならずトラブルが長期化することもあるようです。

3.補償される金額で気をつけたいこと

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さて、補償される金額についても少し書いておきたいと思います。
ご加入中の保険の内容によって異なってきますが、下記のような考え方に基づいて金額は算出されることもあるそうです。

時価での考え方

例えばcase1の例。
水漏れによりテレビの電源がつかなくなり壊れたという例ですが、この壊れたテレビを6年前に20万円で購入していたと仮定します。
テレビにかぎらず家電製品の多くは時間が経ってしまうと価格が大幅に下落していくのですが、この"時価"の考え方ですと、今現在その製品を購入するとした場合の金額が補償されます。

6年前→20万円
現在→15万円

このような売値であれば買った時の20万円ではなく15万円が補償されるということです。

減価償却での考え方

個人事業主の方や会社経営の方であれば意識されることも多いかと思うのですが、減価償却に基づき補償額が算定される場合もあります。

事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。他方、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません。
 減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくべきものです。この使用可能期間に当たるものとして法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続です。

出典: 国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2100.htm

ものには耐用年数というものがあります。
一般的にその製品が何年程度でその価値を失うのかというのが耐用年数なわけですが、さきほどのテレビの例でいえば5年となっています。
ですので6年前のテレビとなると、その価値はありません。
どのような年数になっているかは下記の国税庁のリンクをご参照ください。

国税庁:法定耐用年数

https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34358.php

その他 気をつけたいこと

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ご加入中の保険のプランにもよりますが、下記のようなケースは補償されない場合もあるとのことなので気をつけましょう。

  • 一人入居専用の物件でもう一人入居者を住まわせてしまい、同居人(契約者以外)が水漏れや火事などの事故を起こした場合。
  • 友人などと自宅で飲酒パーティー。友人が自宅のトイレを破壊して水漏れ。

どちらのケースでも同じなのですが、保険の契約者以外が事故を起こしているケースです。
しかも一つ目のほうは一人入居専用の物件で二人入居なので賃貸契約書違反でもあります。

さいごに

トラブルの際には慌てがちですが、まずは冷静に。
応急処置、記録、報告が大切です。
手続きが面倒だからと放置したまま"いつお金は入ってくるの?"としつこく電話をしても保険会社からお金は振り込まれてくるわけではありませんのでご注意を。きちんとした証拠や手続きをふまないとお金はおりません。