こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

街中の不動産屋やチラシでみかける不動産情報を見たことがありますでしょうか?
ほとんどの人が一度は目にしたかと思うのですが、その広告に書いてあるキャッチコピー、よく見ていただきたいのです。このキャッチコピーにはルールがあるのをご存知でしょうか?今日はそのお話です。

宅建業法上でもきちんと定められています。

宅建業法の第32条でも明確に誇大広告が禁止されています。

  1. 物件の所在
  2. 物件の規模
  3. 物件の形質
  4. 環境の(現在・将来の)利用の制限
  5. 環境の(現在・将来の)環境
  6. 環境の(現在・将来の)交通その他の利便
  7. 金銭の代金・借賃等の対価の額、支払方法
  8. 金銭の代金・交換差金に関する金銭の貸借のあっせん

これら8つの項目を対象として、著しく事実に相違する表示と実際のものより著しく優良か有利であると誤認させるような表示を禁止としています。

誇大広告を行えば、現実に購入者が誤認する被害がなくても宅建業法違反となり6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはその両方の刑が科せられます。

公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会

公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会

なにやらやたらと長いこの名前、不動産業界では重要な公益社団法人です。


公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会は、不動産公正取引協議会連合会(全国9地区の不動産公正取引協議会が会員である。)が不当景品類及び不当表示防 止法(昭和37年法律第134号)の規定に基づいて申請し認定された「不動産の表示に関する公正競争規約」(不動産広告のルール)及び「不動産業における 景品類の提供に関する公正競争規約」(景品提供のルール)を関東甲信越の地域において運用するために昭和38年8月に設立された不動産業界の自主規制機関 です。

秩序なく広告を出されたのでは困るので、ある一定のルールに基づき、広告を出しましょうと呼びかけている団体です。先ほどの宅建業法の条約にある内容を円滑かつ効果的に実施するために存在している機関でもあります。

ではどんなキャッチコピーがNGなのか見ていきたいと思います。

使用が禁止されているキャッチコピーの一例

根拠の無いものや根拠が定義できないものは使うことができません。
NGワードをみていきましょう。

特定用語編

  • 優良物件です
  • 一等地です
  • 一流工務店による施工
  • 他に類を見ない住環境完全防音万全の耐震性
  • (2回目以降の広告で)新発売
  • この上ない立地です
  • 破格のお値段
  • 特売物件
  • お年玉(新年)価格
  • 当社決算第処分価格
  • 適正価格
  • 定価販売
  • 完売間近です、お急ぎください (購入をあおる表現のため不可)
  • 完売御礼、今ならキャンセル待ち受付中  (販売が終了しているものを募集することは、おとり広告になるため不可)

これらの言葉は根拠が明確でなかったり、おとり広告になるため使用することができません。

交通編

また、不動産では最寄りの駅から分速80mで計算して端数は切り上げるため次のような表現もNGです。

  • ◯◯駅徒歩0分 (1分未満は切り上げのため)
  • ◯◯駅徒歩30秒 (1分未満は切り上げのため)
  • ◯◯駅まで約5分 (分速80mのため約での表示は不可)

価格・賃料編

  • 賃料◯◯万円(相談)   (金銭の相談を表示することは不可)
  • 賃料◯◯万円(管理費含む)    (賃料とそれ以外の金額を分けた表示が必要)
  • 坪単価◯◯万円     (一ヶ月あたりの賃料の表示が必要  正→賃料◯◯万円 坪単価△万円)
  • 再値下げ        (値下げを強調した表示であるため不可)
  • 大幅値下げ       (値下げを強調した表示であるため不可)

参考資料:アットホーム キャッチコピー活用ガイドより

このように、キャッチコピーには

  1. 事実であること
  2. 具体的な根拠の併記があること

というのが前提になります。

それではキャッチコピーとしてふさわしい表記とはどういうものでしょうか?

OKなキャッチコピー

  • 駅まで無料シャトルバスあり
  • 桜並木のある道のり
  • 2線利用可能
  • 急な雨降りでも安心の駅直結マンション
  • ◯◯線直通で乗り換えなしで都心へ行けます
  • 都心へのアクセス良好
  • 最上階の為、日当り・通風良好です
  • 採光を重視した南向き
  • 高台につき眺望良好
  • 30階のお部屋で夜には都心の夜景が楽しめます
  • コンビニまで◯m
  • くつろぎあふれる住環境
  • ファミリーに人気の◯◯エリア
  • 自然豊かな分譲地
  • イタリア風のモダンな一戸建て
  • 格調高い外観
  • ◯年◯月内装改装済み
  • 安らぎをもたらすプライベート空間
  • 外壁に遮音・断熱に優れたALCパネル

どこかで見たことや聞いたことのあるキャッチコピーだと思いませんか?もしろんこれらのキャッチコピーを使用する際にも

  1. 事実であること
  2. 具体的な根拠の併記があること

が求められます。OKなキャッチコピーの中にも、具体的な根拠示せるのか?これ。というものが混ざっているような気がしなくもないのですが、取引協議会的にはOKなようです。

まとめ

これは2/12現在、暮らしっく不動産で募集中の物件です。
"日当り抜群"と書くと問題になるので"日当り良好"と記載しています。

非常に控えめな広告ですが、事実に基づいて、根拠のあるものしか書いていません。

みなさんの周りでも、あれっ?これ、盛りすぎじゃないかなぁ?とか、宅建業法違反の広告があるかもしれません、気をつけてくださいね。

それでは!