結論:どの不動産屋さんも同じ業者専用の物件データベースを見ているので、同じ条件で探せば同じ物件が出てきます。ネットでは、広告を出せる会社が複数ある物件も重なって見えます。

なぜ重要か:仕組みを知ると、店をはしごする手間を減らせます。

次にすべきこと:

  • ネットの物件は情報更新日を見る
  • 気になる物件は空室か問い合わせる

こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

ネットや店舗で物件を探していると、違う不動産屋さんなのに「別の会社ですすめられた物件と同じものが出てきた」と思うことはありませんか。

これは、多くの不動産屋さんが同じ業者専用の物件データベースを使って物件を探しているからです。ネットの場合は、それに加えて「複数の会社が広告を出してよい物件」や「大家さんが複数の会社に募集を頼んでいる物件」も、違う会社の名前で同じ物件が出てくる理由になります。

この記事では、同じ物件がいろいろな不動産屋さんで出てくる仕組みを、図を使って説明します。

違う不動産屋で同じ物件が出てくるのはなぜ?

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この物件は、2016年2月25日時点で暮らしっく不動産が募集していた、蓮根(はすね)にある物件です。

たとえば、蓮根の近くに住みたいと思った人が、複数の不動産屋さんに物件を紹介してもらったとします。すると、A不動産でもB不動産でもこの物件が出てきた、ということが起こります。

「元付け」と「客付け」の2種類の不動産屋

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上の図は、仲介手数料のしくみを説明するときに使った図に、少し手を加えたものです。

不動産屋さんには、2種類の立場があります。

  • 元付け(もとづけ):その物件を管理している不動産屋さん
  • 客付け(きゃくづけ):物件は管理していないが、お客さんに紹介して仲介する不動産屋さん

仲介手数料のしくみについては、仲介手数料の記事でも説明しています。

不動産屋さんは業者専用のサイトで物件を探している

ネットワーク化が進んだいまは、多くの不動産屋さんが業者専用の物件情報サイトで物件を探します。業者専用のサイトには、大きく分けて2種類あります。どちらも業者専用なので、一般の人は見ることができません。

レインズ

1つ目は、国土交通大臣の指定を受けた公益財団法人東日本不動産流通機構が運営している「レインズ」というサイトです。

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朝いちばんなどの混んでいる時間帯は、サーバーが混み合ってエラーになることもあります。使いやすさに疑問を感じることもありますが、多くの不動産屋さんが利用しているサイトです。

ATBB

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2つ目は、アットホームが運営している「ATBB」という業者専用のネットワークシステムです。探す側から見ても、比較的見やすいシステムです。こちらも業者専用なので、一般の方は見ることができません。

どの店でも同じデータベースを見ている

多くの不動産屋さんがこの2つのサイトを使っています。そのため、どこの不動産屋さんに行っても、同じ条件・同じ時期に問い合わせると、同じ物件が出てきます。

客付けの会社がAでもBでも、同じデータベースを見ているので、当然の結果なのです。

ネットで違う不動産屋の名前で同じ物件が出てくるのは?

不動産屋さんのサイトやポータルサイトを見ていると、同じ物件が違う不動産屋さんの名前で出てくることがあります。これはどういう状況なのかも見てみましょう。

複数の会社が広告を出してよい物件

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1つ目に考えられるのは、その物件が「複数の不動産屋さんで広告掲載可」になっている場合です。新築の物件や、空室の期間をつくりたくない物件によく見られます。

管理会社も一般向けのサイトに物件情報を出しますし、仲介会社も管理会社の許可を取って一般向けのサイトに出します。ちなみに、許可を取らないで掲載するのは宅建業法違反です。

反対に、不動産会社が他社の広告を断る理由は、募集しているのに広告制限?で説明しています。

上の図では仲介会社Aとなっていますが、仲介会社BやCも同じように一般向けのサイトに登録すると、お客さんからは、違う不動産屋さんで同じ物件が出ているように見えます。

ネットの物件情報は更新日を確認しよう

ネットで物件を探すときに気をつけたいのが、情報の新しさです。ネットの物件情報は、リアルタイムで更新されるものではありません。不動産会社や、その委託を受けた会社が更新しているのが現状です。そのため、どのくらいの頻度で更新されているかが大事になります。

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あるポータルサイトでは、物件情報の下のほうにこのような「情報更新日」が書いてあります。その情報がいつの時点のもので、次はいつ更新される予定なのかがわかります。

上の例で、次の更新日までの8日の間に物件が決まってしまい、更新が遅れると、問い合わせたときにはもう募集が終わっている、ということが起こります。これは業者専用のサイトでも同じで、更新が遅れていると、私たち不動産屋も無駄足をふむことがあります。

ネットに載っているのに実際には借りられない物件については、おとり物件の見分け方もあわせて読んでみてください。

もう1つの理由:大家さんが複数の不動産屋さんに依頼している

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違う不動産屋さんの名前で同じ物件が出てくる理由として、もう1つ考えられるのは、大家さんが複数の管理会社に広告や管理をまかせている場合です。

大家さんからすると、空室の期間はなるべくつくりたくありません。複数の会社に頼むことで、宣伝の効果を高めてもらおうという方法です。

いろいろな人の目につく反面、同じ物件が違う不動産屋さんの名前で何度も出てくるため、「人気がない物件なのかな?」と思われてしまうこともあります。

同じ物件が出てくる仕組みを知って部屋探しに生かすには

仕組みがわかると、部屋探しのやり方も考えやすくなります。

  • 店をたくさん回らなくてもよい:同じ条件で探せば、どの店でもおおむね同じ物件が出てきます。条件をはっきり伝えて、信頼できる不動産屋さんにしっかり探してもらうほうが近道です
  • ネットで見つけた物件は、空室かどうかを問い合わせる:情報更新日を見て、古いようなら募集中かどうかを確認しましょう
  • 同じ物件でも、店によって条件や費用が違うことがある:会社ごとにつける費用やサービスが違う場合があります。見積もりの内訳を見比べてみてください。初期費用の見方は初期費用の記事で説明しています

どこまで条件や費用が違うかは、物件や不動産会社によって違うので、申し込む前に確認してください。

どのお店にしっかり探してもらうか迷ったら、不動産屋の選び方も参考にしてください。

業者専用のサイトを一般に開放すればいいのでは?

ここまで読んで、「業者専用のネットワークを一般の人にも開放すれば話が早いのでは?」と思った方もいるかもしれません。

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図にすると、とてもシンプルになります。総務省の「通信利用動向調査」によると、2024年の個人のインターネット利用率は85.6%です(令和7年版 情報通信白書)。部屋探しも、ほとんどの人がまずネットで物件を調べる時代になりました。

そう考えると、借りる人と大家さんや管理会社が直接つながるサイトがあってもよさそうです。とても合理的でわかりやすい話ですが、今も業者専用のサイトは一般には公開されていません。

業者専用のサイトが公開されないのには、理由があります。

  • 個人情報と防犯のため:大家さんの氏名や連絡先、詳しい部屋番号、退去予定日、鍵の保管場所といった、外に出せない情報が載っているからです。
  • 取引の安全のため:専門知識のない人どうしが直接やりとりして契約トラブルになるのを防ぐため、宅建業者(プロ)が間に入る仕組みになっています。

最近は、不動産会社が業者専用サイトの情報を自社のシステムに取り込み、登録した人にほぼリアルタイムで物件を届けるサービスも増えています。「業者のサイトを自分で見られるようになった」と感じるかもしれませんが、実際には不動産会社が仕組みを通して見せているだけで、業者専用サイトそのものが一般に公開されたわけではありません。

これをやってしまうと、管理物件を持たない不動産屋さんは成り立たなくなります。不動産屋はコンビニよりも多いと言われるほどの大きな業界なので、業界への打撃が大きく、なかなかこの流れは進んでいないのが現状です。

実際の店に行くか、インターネットで選ぶかは、借りる人が選ぶ時代だと思います。ただ、一般向けのサイトは物件の広告サイトとしての面が強く、一般の人は業者が見ているサイトを見られないため、仕組みが複雑になっています。

さいごに

最後は業界への提言のようになってしまいましたが、同じ物件なのに違う不動産屋さんで出てくる理由について書いてみました。

仕組みを知っておくと、ネットで見た物件を不動産屋さんで紹介されても慌てずにすみます。気になる物件があれば、まずは今も募集中かどうかを問い合わせてみてください。