こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

2月末から3月の頭にかけてお話をさせていただいた方々がポツポツと入居の時期を迎えられています。
4月の入学式に狙いを定めて、(遠方の方であれば)短期間の間に東京の地理感や相場感の情報を入手して物件を決めた方々です。
東京では今日、桜の開花。薄着をするにはまだ少し肌寒い日が続いていますが、なんだか桜の開花と共に入居っていいですね。

さて、最近では4月や5月の入居に照準を合わせた方々とお話をさせていただいています。
この時期に引っ越しをされる方は社会人の方が多いわけですが、やはりここでも重要になってくる相場感覚。
社会人の方であれば学生さんよりは収入がきちんとあったりしますから、少し欲が出てきたりします。
あの設備やこの設備、友達とパーティーしたいから綺麗な部屋、オートロックetc
みなさん、いろいろなこだわり条件をお持ちです。

ターミナル駅から少しはずした駅

サラリーマンであれば宿命ともいえる通勤ラッシュ。
誰しもが避けたいと思っています。
多くの会社は山手線圏内にあるわけで、理想とする通勤時間30分と考えると山手線圏内を少し出たところということになります。
ですが、山手線を中心に考えた時に山手線の多くの駅が何かしらの私鉄や地下鉄、遠方に行く路線とつながっているため、山手線から少し出たぐらいでは家賃がなかなか下がらないというのが現実です。

一見、みんなはターミナル駅近辺を狙っているはず。誰しもが思いつかないから掘り出し物件がありそう。。。と思いがちですが、誰しもが考えていますし、そんなに東京は甘くないぞ!というのが現実です。多くのお客様にこの方法で探してみてもらえませんか?と実際言われています。
大家さんであれば尚更で、大家業というのは一種の会社経営みたいなものですから、マーケティングをかなりしっかりやっています。
自分の物件がターミナル駅に近かったりアクセスがしやすいというのをよくわかっていて需要があるので家賃を下げる理由も頻繁にリフォームする必要もないのです。場所が収益を産んでいる状態ですね。

こう考えると、もし設備が豪華な物件の場合はそのまま家賃に跳ね返ってきます。
オフィス街から30分以内で家賃が安いところというのはないに等しいです。

築浅で設備が豪華な物件で初期費用が安いところ

これもよくあるご要望。
築浅で設備豪華で初期費用が安いところ。これもよくいただくご要望なのですが、築浅、設備豪華となれば借り手からのお問い合わせがたくさんくるのは管理会社も大家さんもよくわかっています。古いものに価値を見出す欧米の人達とは異なり、日本人は築浅が大好きなのです。人気があってお問い合わせがよく来る物件とわかれば少々高くても満室にできる!と考えるのが管理会社や大家さんの発想。
建築費用をはじめとした諸々のお金を賃料で回収しないといけませんから、色々と付加価値と言う名のもとにオプションがついてきます。
こういう物件は世の中のニーズやトレンドを知り尽くした大手メーカーやデベロッパーが企画して運営することが多いです。
自分がイケメンであることを知り尽くしたモデルのような存在ですね。

よくある例としては

  • 賃貸保証必須
  • 24時間サポート必須
  • 鍵交換必須(高め)
  • 事務手数料(高め)
  • 敷金1.5ヶ月

こういう、いわゆる見えない部分にお金がかかってきます。
人気があるのをよくわかっているので(初期費用が高くても借り手がいるので)費用を下げる理由がないのです。
自分が大家さんだったらどうするかな?と考えると想像ができますね。

都心部で徒歩15分

これもよくいただくご要望。
さすがに徒歩5分以内じゃ設備が綺麗で安い物件はないかぁ。となると、じゃー徒歩15分で!となるのですが、都心部の路線図や地図をよくみていただきたいのです。

15分歩くと別の駅についてしまう!

駅近ほど値段が高くなるのは事実ですが、都心部で15分歩くと隣の駅か、別路線の駅についてしまいます。
結局のところ、別の駅の駅近ということになってしまい家賃はさがりませんし、同じ価格帯では設備も豪華になりません。
大家さん的発想をすれば、うちの物件は二路線で徒歩15分以内だ。家賃を下げる理由もないな。むしろ上げてもいいかも。と考えるので掘り出し物件というのはなかなか出てこないのが現実です。

郊外で徒歩15分

実はこれ、けっこう有効な条件だったりします。
まずは街づくりの構成から考えてみます。

人の集まるところには商店が立ち並びます。人が集まるので駅もできます。
ということは吉祥寺に代表されるように、駅周辺は商店が立ち並んでいます。そうなると住宅街はもっと奥。
都心部の住宅と違って自宅までの距離が遠いわけです。

ここで大家さんはどう考えるか?
都心部に住もうとしているお客を自分の物件に目を向けさせたいわけです。

都心部と同じ価格帯で設備を都心部よりも豪華にしよう!

場所重視派の人にはあまり有効ではありませんが設備や内装重視の人からすると、ありがたい話ですね。
駅から遠い分、訴求力のある内容です。
ですので代換の電車がない郊外の徒歩15分という条件はかなり効果的なのです。
ガスコンロが2口になったり独立洗面台がついたり、オートロックがついたりとかなり豪華。

もしそのような設備が無い場合だと家賃もぐっと安くなります。

さいごに

やっぱり大家さんや管理会社というのは経営のプロです。
マーケティングをきちんと行い、世の中の需要と供給バランスをよくわかっています。
多くの人が、パッと思いつくことは大体お見通しで、そこの部分もきちんと値段に反映されているのです。

一日中マーケティング戦略を練るのを仕事にしている人と、数年に一度マーケティングを考える人ではやはり経験値の差が出てしまいます。物件を探すときは大家さんの目線で考えることが大事です。

それでは。