結論:楽器可の物件は東京23区で4,164件あり、家賃は3.7万円から190万円まで幅がありました(2016年3月当時)。差が出るのは間取り・場所・防音・演奏時間です。
なぜ重要か:「楽器可」でも弾ける楽器や時間は物件ごとに違います。
次にすべきこと:
- 弾く楽器と時間帯を決めておく
- スタジオ代と家賃を合わせて予算を考える
こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
楽器が弾ける部屋は、東京23区にもあります。この記事を書いた2016年3月28日当時に調べたところ、楽器演奏ができる物件は23区全体で4,164件でした。ただし、「楽器可」といっても、弾ける楽器・時間帯・防音の程度は物件によってまったく違います。家賃も3.7万円から190万円まで幅がありました。
「何か楽器を演奏できますか?」と聞かれれば、リコーダー、ギター、ピアノ、ベース、ドラムなど、いろいろな答えが返ってくると思います。でも「今も何か楽器を演奏していますか?」と聞くと、ほとんどの人の手があがらなくなるでしょう。
それでも、世の中には楽器を演奏する人が一定数います。今日は、そんな方のための部屋探しのお話です。
目次
東京23区で楽器が演奏できる物件は何件ある?
2016年3月28日当時、不動産会社向けの物件検索サイトで、東京23区の楽器演奏ができる物件を検索してみました。
東京23区全体で4,164件。思ったよりも多くの物件があります。次に家賃の幅を見てみましょう。
こちらは家賃が高いほうの物件です。港区高輪台の6LDK、定期借家で、賃料は190万円でした。
いちばん安いほうでは、家賃3.7万円からありました。
| 項目 | 2016年3月28日当時の検索結果 |
|---|---|
| 東京23区の楽器演奏ができる物件 | 4,164件 |
| 家賃のいちばん安いほう | 3.7万円から |
| 家賃の高いほうの例 | 190万円(港区高輪台・6LDK・定期借家) |
件数や家賃は、検索した日の募集状況によって変わります。今の状況は不動産会社に聞いてみてください。
楽器可の物件で家賃が変わる4つの要素
3.7万円から190万円まで、どんな違いがあるのでしょうか。家賃が変わる要素としては、次の4つが考えられます。
- 間取り
- 場所
- 防音のレベル
- 24時間演奏できるかどうか
防音のレベルは物件によりけり
間取りや場所で家賃が変わることは、ご存じの方が多いと思います。
防音のレベルとは、部屋のつくりの話です。床だけ防音になっている部屋もあれば、部屋全体が防音になっている部屋もあり、程度はいろいろです。施工にお金がかかっていれば、そのぶん家賃にはね返ってきます。
建物の構造による音の伝わり方の違いは、木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの違いや、RC造の壁と防音性・戸境壁の見分け方の記事でも説明しています。
演奏できる時間帯も確かめる
24時間演奏できるかどうかも大切なポイントです。趣味で弾く人からプロの方まで、演奏する頻度はさまざまです。夜中にひらめくタイプの方なら、夜中でも演奏できる物件を探す必要があります。
家賃が安い物件だと、大家さんのご好意で「平日の昼間だけなら可」という場合もあるので注意してください。
楽器の種類で必要な防音が変わる
最近はエレキギターでも、パソコンにつないで音を出さずに演奏できることが多くなりました。でも、ドラムやグランドピアノはそうはいきません。
しっかりした指のタッチや楽器の感覚は、本物を弾いてこそ身につきます。本格的になればなるほど防音のレベルも上がり、費用がかさみます。
日本は、音楽をする環境としてはとても厳しい条件にあります。アメリカでは自宅のガレージにメンバーが集まって演奏することもよくあるようですが、日本でそれをやると、すぐにお巡りさんを呼ばれてしまいます。
楽器を演奏する人は10%ほど
総務省統計局が平成23年(2011年)に行った社会生活基本調査では、次のような結果が出ています。
出典:総務省統計局「平成23年社会生活基本調査結果」
これは男女・年齢別に、趣味や娯楽の種類ごとの行動者率をまとめた表です。
- 10歳以上で楽器を演奏する人は10.6%
- 小学校・中学校の習い事の時期には30%以上の人が楽器を演奏している
- 40歳を境に10%を下回る
DVDで映画を観る、CDで音楽を聴くという人は多いのですが、自分で演奏するとなると一気に少なくなります(いずれも平成23年当時の調査結果です)。
楽器を続けるにはお金がかかる
小学校の習い事に多いピアノから、ロックにはまると弾きたくなるギターまで、楽器にはいろいろあります。共通しているのは、楽器を続けるにはお金がかかるということです。
- 楽器代
- レッスン料
- 練習で借りるスタジオ代
- 教材費
一生懸命練習したからといって、プロになれるわけではありません。地道なスケール練習や理論の勉強をしても、ライブで儲かるわけでもなく、多くは自己満足になりがちです。演奏を続けるのは、とても労力のいることなのです。
それでも「演奏したい」「楽器が好きだ」という人は、やっぱり自宅でも気がねなく弾きたいと思うはずです。
私も、かれこれ100万円以上は楽器に使っているような気がします。
楽器可の物件は音大のそばや郊外に多い
楽器相談可の物件は限られています。ペット可の物件と同じで、ピンポイントで物件を選ぶことになるため、選択肢がとても少ないのです。
音大のそばや、郊外に行くと楽器可の物件が多くなります。楽器にお金がかかることを考えると、家賃はなるべく抑えたいところです。駅までのアクセスを少しがまんして、郊外に住むミュージシャンの方も多くいます。
練習で借りるスタジオ代と家賃のバランスをきちんと考えて、物件を選ぶようにしましょう。
楽器が弾ける部屋を探すときに確かめたいこと
「楽器可」「楽器相談」と書かれていても、条件は物件ごとに違います。申し込む前に、次のような点を不動産会社に確認しておくと安心です。細かな条件は物件や管理会社によって違うので、必ず確認してください。
- 弾きたい楽器が認められているか(ピアノ・管楽器・ドラムなど)
- 演奏できる時間帯と曜日
- 床だけの防音か、部屋全体の防音か
- 契約書や重要事項説明に、楽器演奏についての条件がどう書かれているか
- ピアノなど重い楽器の場合、運び込めるか、床の補強が必要か
内見のときは、隣の部屋や上の階との間の壁や床のつくりも見ておきましょう。天井裏や床から音が伝わることもあるので、天井裏と床から考える賃貸の遮音性もあわせて読んでみてください。
さいごに
郊外を歩いていると、ピアノやバイオリンを練習している音が聞こえてくることがあります。なんとなく知っている曲を何回も練習していて、同じところでつまずく人っていますよね。
「そこはこうなのに」「次のフレーズを早く聴きたいのに」。そんな気持ちになるかもしれません。
私も楽器を弾くのでよくわかるのですが、未来のミュージシャンのために、そこは温かい目で見守ってあげてください。
それでは。
