結論:「物件数No.1」は、多くの場合「紹介できる物件が多い」という意味です。募集中の物件は業者用のデータベースで共有され、どの不動産屋でも紹介できます。

なぜ重要か:看板の数字で店を選んでも、出会える物件はほとんど変わりません。

次にすべきこと:

  • 気になる物件をどの店でも聞いてみる
  • 対応のていねいさで店を選ぶ

こんにちは。暮らしっく不動産の門伝です。

「物件数No.1」「地域一番の物件数」という看板や広告を見かけることがあります。結論からいうと、多くの場合は「紹介できる物件が多い」という意味での広告です。募集中の賃貸物件の情報は不動産屋どうしで共有されているので、紹介できる物件の数でいえば、どこの不動産屋でもほとんど同じです。

「物件数No.1という看板を見るけれど、あれって本当なんですか?」

このような質問をよくいただきます。そこで今回は、「物件数No.1」の本当のところを、実際のデータを見ながら説明します。

賃貸物件の情報は、業者用のデータベースで共有されている

賃貸物件は、基本的に「レインズ」や、業者用の物件情報サイトに登録されます。不動産屋だけが見られるデータバンクのようなもので、ここに募集中の物件が載っています。

不動産屋はこのデータを見て、お客さまに物件を紹介します。大家さんから直接まかされていない物件でも、ここに載っていれば紹介できるのです。

同じ物件がいくつものサイトや不動産屋に出てくるのも、このしくみがあるからです。くわしくはネットや複数の不動産屋で同じ物件が出てくる仕組みで説明しています。

高田馬場駅周辺で、物件の数を数えてみた

では、本当に物件を一番多く持っている不動産屋はどこなのでしょうか。レインズで、高田馬場駅周辺の物件を見てみました。

2016年4月16日11時の時点で、募集中の物件は500件以上ありました。レインズには、大家さんが依頼している不動産屋の名前も出ます。この件数を数えれば、物件数No.1の不動産屋がわかります。

項目 2016年4月16日時点(高田馬場駅周辺)
募集中の物件 500件以上
一番多く物件を持っている不動産屋 100件ほど(いわゆる老舗の不動産屋)
一般的な不動産屋 平均10〜20件ほど
街の仲介会社 管理物件を持たないところもある

一番多いところでも100件ほどで、全体の500件以上から見れば一部です。街中にある不動産仲介会社には、管理している物件を持たないところもあります。

管理物件を持たない仲介会社でも、データベースに載っている物件は紹介できます。つまり、お客さまから見ると「その店が持っている物件の数」と「その店で紹介してもらえる物件の数」は別のものです。看板の「物件数」がどちらの意味なのかは、広告を見ただけではわかりません。

気になるときは、「この数字は何を数えたものですか」と聞いてみるのもひとつの方法です。ていねいに答えてくれるかどうかも、お店選びの参考になります。

本当の物件数No.1は、「No.1」と言わない

実際に一番多く物件を持っている不動産屋は、わざわざ「物件数No.1」という看板を出しません。老舗の落ち着いた不動産屋さんは、「No.1宣言」はしないものです。

そもそも、紹介できる物件の数でいうなら、どこも同じです。その意味では、どこの不動産屋でも「物件数No.1」といえてしまいます。

「物件数No.1」争いは、地方のおみやげ屋さんの「元祖」争いのようなものです。大々的に「物件数No.1」と広告しているところは、「紹介できる物件が多い」という意味で言っている、というのが本当のところでしょう。

不動産屋を選ぶときに見たいこと

紹介できる物件がどこも同じなら、何で不動産屋を選べばよいのでしょうか。看板の数字よりも、次のような点を見るのがおすすめです。

  • 気になる物件が今も募集中か、すぐに確かめてくれるか:ネットで見つけた物件を伝えて、確認の早さと答えのていねいさを見る
  • よい点だけでなく、気になる点も話してくれるか:日当たりや音、周辺環境など、言いにくいことも伝えてくれるか
  • 初期費用の内訳を説明してくれるか:何にいくらかかるのかを、聞けばきちんと答えてくれるか
  • 希望をよく聞いてくれるか:条件を聞かずに、決まった物件ばかりすすめてこないか

もうひとつ気をつけたいのが、広告に出ているのに実際には借りられない「おとり物件」です。「物件数が多い」と見せるために、すでに決まった物件を載せたままにしているケースもあるといわれます。見分け方はおとり物件の見分け方を、ネットの物件情報の見方は不動産情報のネット検索はあてにならないを参考にしてください。

さいごに

不動産の取引は金額が大きいこともあり、競争がはげしく、不動産屋はあの手この手で広告を打ちます。「物件数No.1」という言葉にまどわされず、広告の中身を見ぬいて、よい部屋探しにつなげてください。

気になる物件があれば、どの不動産屋で見つけたものでも、気軽に聞いてみてください。