結論:東京都心の一人暮らしの賃貸では、引越しの挨拶をする人はほとんどいません。当社の現場の印象では、2016年当時で100人に一人くらいでした。
なぜ重要か:しなくても失礼にはなりにくい一方、物件によっては挨拶が役立つこともあります。
次にすべきこと:
- 建物の雰囲気や住む人の層を見て決める
- 迷ったら管理会社に聞いてみる
こんにちは。暮らしっく不動産の門伝です。
東京で一人暮らしをする場合、引越しの挨拶は「しなくても大丈夫」なことがほとんどです。都心部の一人暮らし向けの賃貸では、挨拶をする人はほぼいない、というのが不動産屋としての実感です。
ネットで見ていると「引越しの挨拶は必要!」「いらない」など、いろいろな声があります。この記事では、東京の一人暮らし・賃貸の場合を、不動産屋と大家さんの目線で見てみます。あわせて、挨拶をしたほうがよさそうなケースや、するときのしかたも紹介します。
目次
引越しの挨拶をする人はどれくらい?
「引越し 挨拶」で検索すると、引越しの挨拶をする範囲やマナー、手土産を紹介するページがたくさん出てきます。

(引越し会社の情報サイトの画面。2016年時点)
こちらを見る限りでは、引越しの挨拶をする人が60%もいるとのことです(2016年当時)。たぶん、これは地方も含めた数字だと思います。
これは引越し会社の見方です。ここからは、不動産屋と大家さんの立場から、東京都心部の賃貸物件の「引越し挨拶」事情を見ていきます。
不動産屋の実感:「ほとんど挨拶なし」
東京の一人暮らし向けの物件の場合、引越しの挨拶は「ほぼなし」という印象です。
私たちは契約が終わってから入居のときまでサポートをしていますが、ほとんどの人が引越しの挨拶はしていません。
新宿区をはじめ、都心部の物件を取り扱うことが多いのですが、引越しの挨拶はほとんどないようです。ときどき挨拶をする人もいますが、割合でいうと100人に一人くらいといったところです(2016年当時)。
東京の一人暮らしは、住む人の入れ替わりも多く、生活の時間帯も人によって違います。そのため、昔ながらの「引越し挨拶」が行われることは、ほぼないような状況です。
大家さんの声:「最近は少ないね」
新宿区高田馬場で50年ほど大家さんをしている方にも聞いてみました。50部屋くらいを持っている方です。
「最近は少ないね〜」
昔は多かったようですが、最近はほとんどの人が、わざわざ引越しの挨拶をしないということでした。
挨拶をしたほうがよさそうなケース
一人暮らしの賃貸では挨拶をしない人がほとんどですが、次のような場合は、挨拶をしておくと安心なこともあります。決まりがあるわけではないので、自分の状況に合わせて考えてみてください。
- 大家さんが同じ建物や近くに住んでいる:顔を合わせる機会が多いなら、ひとこと挨拶しておくと、困ったときに相談しやすくなります
- ファミリー向けの物件や、長く住む人が多い建物:住む人が入れ替わりにくい建物では、挨拶が今も残っていることがあります
- 音が出やすい暮らし方をする:小さな子どもがいる、楽器を弾く(弾いてよい物件の場合)、帰りが夜遅いなど、まわりに音が伝わりやすいときは、先にひとこと伝えておくと気持ちよく暮らしやすくなります
- 引越しの作業で迷惑をかけそう:作業の音や、共用の廊下・エレベーターを長く使うときなど
楽器が弾ける部屋を探すときの確認点は、楽器が弾ける部屋に住みたいで紹介しています。
挨拶をするときのしかた
挨拶をすると決めたら、次のようなことを気をつけるとよいでしょう。どれも一般的な目安なので、建物の雰囲気に合わせてください。
- 相手:両隣と上下の部屋の人、大家さんが近くにいれば大家さんに、というのがよく言われる範囲です
- タイミング:引越しの前後、なるべく早めに。朝早い時間や夜遅い時間は避けます
- 手土産:気をつかわせない、ちょっとした消耗品やお菓子などがよく選ばれます
- 留守のとき:何度か訪ねても会えないときは、無理に会おうとしなくても大丈夫です
女性の一人暮らしなら、無理にしなくてよい
一人暮らしであることを知られたくない場合は、無理に挨拶をしなくてもかまいません。挨拶をする場合も、玄関のドアは開けすぎない、名前だけ伝えて一人暮らしであることまでは言わない、などの工夫をする人もいます。気になる場合は、挨拶は大家さんや管理会社だけにしておくのも一つの方法です。
迷ったら管理会社に聞いてみる
その建物でどうしたらいいか迷ったら、管理会社や仲介の不動産屋さんに「この建物では引越しの挨拶をする人は多いですか」と聞いてみてください。建物によって雰囲気は違うので、物件や管理会社によって違うと考えて確認するのが安心です。
入居の前後は、契約や手続きでも忙しい時期です。契約日と入居日の関係は契約日・入居日の記事、家具や家電の準備は引越し前の採寸の記事も参考にしてください。
入居の前後に忘れがちな手続きは、引越しの入居前・入居後にやる忘れがちなことにまとめています。
挨拶をしなくても、ご近所への気づかいは大切
挨拶をしない場合でも、次のような気づかいをしておくと、まわりの人と気持ちよく暮らしやすくなります。
- 引越しの作業は、なるべく常識的な時間に行う
- 共用の廊下や階段に荷物を置きっぱなしにしない
- ゴミ出しのルールを確かめて守る
- 廊下やエレベーターで会ったら、軽く会釈する
ゴミ出しのルールなどは物件によって違うので、入居のときにもらう書類や、管理会社の案内で確かめておきましょう。
文化は変わっていく
「家を買って、そこに長く住む」という場合は、今も引越しの挨拶をすることが多いです。一方で、東京都心部の一人暮らし向けの物件では、「引越しの挨拶」という文化はほぼなくなってきています。
「引越しの挨拶をしないなんて失礼だ!」と思う人もいるかもしれません。でも、コミュニケーションのしかたは時代とともに少しずつ変わっていきます。引越しの挨拶という文化がないだけで、みんなが冷たいというわけでもありません。
この記事を書いた2016年(平成28年)当時の東京都心部の一人暮らし向けの物件では、「引越しの挨拶」がほとんどなかった、というだけで、これから先どうなるかはわかりません。挨拶をするかどうかは、建物の雰囲気や自分の暮らし方に合わせて決めてみてください。
