結論:物件がなかなか見つからない原因は、引越しの理由と時期があいまい、希望の条件が相場とずれている、値段ありきで探している、の3つです。
なぜ重要か:待っていても、予算と場所で決まる以上の物件はほとんど出てきません。
次にすべきこと:
- 「◯月までに引越す」と期限を決める
- 条件に優先順位をつける
こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
なかなか物件が見つからない人には、「引越しの理由や時期があいまい」「希望の条件が相場とずれている」「値段ありきで探している」という3つの特徴があります。逆にいえば、この3つを見直すと、良い物件が見つかりやすくなります。
暮らしっく不動産で契約になったお客さんのデータを分析したところ(2016年時点)、このような特徴が見えてきました。この記事では、それぞれの特徴と打開策を説明します。
なお、物件が見つかっても「決められない」という方は、賃貸の部屋が見つからない人の共通点と条件の見直し方もあわせて読んでみてください。
1.引越しの理由や時期があいまい
物件が見つかる人の多くは、引越しの時期や理由がはっきりしています。たとえば、すぐに物件が見つかる人は、こんな理由を持っています。
- ◯月に更新の時期を迎えるので、それをきっかけに職場に近いところへ引越したい
- 近所に迷惑な人がいて耐えられないので、今すぐ引越したい
- 転勤で、◯月までに引越しを終わらせなければいけない
どの例にも、引越さなければならないはっきりした動機と、「いつまでに」という具体的な期限があります。締め切りが決まっているからこそ、現実的な予算と現実的な条件で物件を探せるのです。
賃貸の物件は、常に入れかわっています。「もっといい物件があるはず」と思って探していると、いい物件を逃してしまうこともあります。
「いい物件があったら引越したい」は危険
ときどき「いい物件があったら引越したい」というご相談をいただきます。更新時期が迫っているわけでもなく、今の家にすごく不満があるわけでもない。なんとなく今の家に飽きたし、環境を変えてみたい、というものです。
気持ちはよくわかります。ただ、この理由だと「もう少し待てば、もっといい物件が出てくるんじゃないか」と期待してしまうので、なかなか決まらないことが多いです。
予算と場所で、物件の条件はだいたい決まってきます。待っていても、100%満足できる物件は出てこないことがほとんどです。
打開策:引越しの動機と期限を決める
まずは、引越しをする動機づけをしましょう。あわせて、「◯月までに引越しを終わらせる」など、ある程度の期限を決めておくのもおすすめです。
長く待ったからといって、希望の物件が出てくるわけではありません。希望の物件が出てこないのには、相場と希望のずれなど、何かしらの理由があります。
動機づけは、何でもかまいません。
- 通勤時間を短くしたい
- 進学のために、学校に近いところに住みたい
- 家賃を安くしたい
- 家族が増えるので、広いところに引越したい
動機や理由があいまいだと、何のために引越したいのかという目的が見えません。すると、候補の物件がいくつか出てきても、決め手に欠けるということが起きてしまいます。
2.希望の条件が相場とずれている

「職場のある◯◯駅まで30分以内、最寄り駅から徒歩5分以内、築5年以内、バス・トイレ別、オートロック、2階以上、独立洗面台、追い炊き、宅配ボックス、駐輪場…」。大家さんからの借り物である賃貸ですが、みなさんからのご要望はとても高いです。
自由設計で自分好みの家を建てたほうが早そうな条件もあります。ですが、ほかの人が企画・設計した家で、すべての条件を満たすのはとても難しいです。
賃貸の家賃は「場所」と「設備」のバランスで決まる
都心からのアクセスが悪いところや、駅から遠いところは人が集まりにくいので、設備を豪華にしています。反対に、設備が古くても駅が近ければ、家賃は高くなります。
たとえば同じ9万円の家賃でも、アクセスの悪いところは設備がよく、アクセスのいいところは建物が古いことが多いです。
「設備がよくて、アクセスもいいところの予算は?」と聞かれれば、もちろん相場をお伝えします。ただ多くの場合、少し予算を上げたくらいではどうにもなりません。予算9万円なのに、相場は14万円、というようなイメージです。
ここで納得していただいた方は、相場を知らなかっただけなので、物件はすぐに見つかります。
一方で、「不動産屋の言うことはあてにならない」「今日契約させたいから適当なことを言っている」「ポータルサイトにはあった」と思っている方は、なかなか物件が見つからないことが多いです。ポータルサイトのおとり物件の罠にはまっている方は、けっこう多いのです。おとり物件についてはおとり物件の見分け方の記事で説明しています。
値段相応の条件で考える
天ぷらそば1杯500円の立ち食いそば屋と、1杯1,500円のそば屋を比べて、文句を言う人はいないと思います。
ところが不動産では、価格の相場を知らない方が多いです。6万円の家に10万円クラスの条件を求めていると、なかなか物件は見つかりません。
打開策:条件に優先順位をつける
相場と希望が合っていない場合、優先順位が決まっていないことが多いです。限られた予算で引越すには、今回の引越しの目的は何か、何を優先したいのかを考えてみましょう。
| 順位 | Aさん(家賃重視) | Bさん(設備重視) |
|---|---|---|
| 1 | 家賃 | バス・トイレ別 |
| 2 | 職場までの通勤時間 | 家賃 |
| 3 | バス・トイレ別などの設備 | 職場までの通勤時間 |
この軸で見ると、家賃をいちばんに挙げる方が圧倒的に多いです。ただ、もう少し現実的なところでは、設備と相場のずれで悩んでいる方が多いように感じています。
設備を重視する場合は、たとえば次の3つのうち、1つでも叶えばいいのか、それとも全部必須なのかで、探せるエリアがある程度しぼられてきます。
- バス・トイレ別
- 独立洗面台
- オートロック
条件をゆずると候補の物件数が増える話は、恋人探しと物件探しは似ている?でも紹介しています。
3.値段ありきで探している

お部屋探しでは、こんなご要望もよくいただきます。
- フリーレントの物件がいい
- 敷金・礼金ゼロゼロの物件だけで探したい
- カードで支払える物件だけで探したい
- 礼金をゼロにしてほしい
- 家賃を5,000円下げてほしい
- 管理費の分、下げてほしい
少しでも安く住みたいという気持ちは、誰にでもあります。ですが、賃貸の金額には根拠があって値付けされています。
「1階で長く空いている」「相場と比べると高い」といった、きちんとした根拠があれば家賃が下がる可能性はあります。ただ、そういう物件はあまり多くありません。会社どうしの大きな取引のような値引き交渉は、賃貸ではあまり現実的ではないのです。家賃交渉が通りやすい部屋については家賃交渉の記事を参考にしてください。
敷金・礼金ゼロゼロ物件の注意点
初期費用を払うお金がないという理由で、敷金・礼金ゼロゼロの物件だけで探している方も、結果的に契約にいたらないケースがあります。
敷金・礼金ゼロゼロの物件にありがちなのが、次のような条件です。
- 解約の予告が早い
- 24時間サポートへの加入が必須
- 保証会社の利用が必須
- クリーニング代が高め
相場と比べて、ついてくるサービスの料金が高かったり、条件が厳しかったりすることが多いのです。「安くなった、ラッキー」と思っていたのに、初期費用の概算や契約条件を見て納得できず、契約にならない、というケースがあるように思います。
要らないサービスに払うお金まで計算したら、敷金・礼金が普通にある相場どおりの物件と、2年間で払う費用があまり変わらなかった、ということもあります。大家さんや管理会社は、契約期間でいくら回収できるかを考えているのです。くわしくは敷金礼金ゼロの物件の記事で説明しています。
打開策:「安い理由」を考える
本来かかるはずの費用が安くなるのには、何かしらの理由があります。
- 紹介できる物件がある程度限られているから安いのか
- 必須のオプションに加入することが条件だから安いのか
- 短期解約の違約金があったり、解約予告が早かったりするからなのか
- 更新料が高いから、家賃が安いのか
こうした理由を確かめたうえで、自分に合ったサービスや、自分に合ったお店を選ぶのがポイントです。
さいごに
「なかなか物件が見つからない」と悩んでいる方は、今日の3つのポイントを少し考えてみてください。
- 引越しの理由と時期をはっきりさせる
- 条件を見直し、優先順位と妥協点を決める
- 安さだけで選ばず、安い理由を考える
この3つをしないと、なかなか物件は見つかりません。不動産は、これでもかというくらい現実的です。
良い物件が見つかりますように。
