2016/10/28

建築基準法は震災に対して一定の効果あり!

建物
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こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

国土交通省が熊本地震の被害状況をまとめたレポートを公開しています。
今回のように大きな地震が起きると耐震基準を見直したりするのですが、今回の地震に関して言えば耐震基準の見直しはせず、新耐震基準への推進という形になったようです。

木造住宅の被害状況

出典:国土交通省 合同委員会概要
http://www.mlit.go.jp/common/001147568.pdf

上記のグラフは下記のように分析されています。

  • 1981年5月までに建築確認が出された木造住宅
  • 1981年6月から2000年5月までに建築確認が出された木造住宅
  • 2000年6月以降に建築確認が出された木造住宅
  • 木造全体の被害状況

グラフを見てみると1981年5月までに建てられた木造住宅では倒壊・大破の物件が非常に多いです。1981年6月から2000年5月までの物件になると倒壊・大破した物件は前述の1/3ほど。このデータからだけでも新耐震基準に意味があるということがよくわかります。
2000年6月以降に建築確認が出された木造住宅にいたっては"無被害"という比率も非常に多いことがわかります。

旧耐震、新耐震、新耐震2の違い

まずはここの文章上での言葉の定義です。

  • 旧耐震→1981年5月以前に確認申請が出されたもの。
  • 新耐震→1981年6月以降に確認申請が出されたもの。
  • 新耐震2→2000年6月以降に確認申請が出されたもの。

として書いていきます。

旧耐震→震度5程度で倒壊しないこと(震度6や7は想定していない)
新耐震→震度6,7で倒壊しないこと
新耐震2→地盤調査事実上必須。筋交いなどの接合部分の素材や接合方法を具体的に明記。耐力壁の配置にバランス計算が必要。

建築基準法が改正されて規制を強化しているだけに被害の大きさも変わってくる。
そして建築基準法の改正は一定の効果を示しているということがよくわかります。

報告書はこう結論づけた

上記のデータを踏まえた上で報告書はこのように結論づけています。

木造住宅について

1.旧耐震基準(新耐震基準導入以前のものをいう。以下同じ。)の木造建築物については、過去の震災と同様に新耐震基準導入以降の木造建築物と比較して顕著に高い倒壊率であった。

2.必要壁量が強化された 新耐震基準は、旧耐震基準と比較して、今回の地震に対する倒壊・崩壊の防止に有効であったと認めら れ、旧耐震基準の木造建築物については、耐震化の一層の促進を図ることが必要である。


3. 新耐震基準導入以降の木造建築物では、接合部の仕様等が明確化された 2000 年以降の倒壊率が低く、 接合部の仕様等が現行規定どおりのものは、今回の地震に対する倒壊・崩壊の防止に有効であったと認められる。このため、2000 年に明確化された仕様等に適合しないものがあることに留意し、被害の抑制 に向けた取り組みが必要である。

出典:国土交通省 合同委員会概要より抜粋のうえ一部編集
http://www.mlit.go.jp/common/001147568.pdf

鉄骨造・鉄筋コンクリート造について

1. 旧耐震基準の鉄骨造建築物及び鉄筋コンクリート造等建築物については、過去の震災と同様に倒壊や大破の被害が見られた。一方、耐震診断及びそれに基づき耐震改修された鉄骨造建築物及び鉄筋コンクリ ート造等建築物には、倒壊・崩壊の被害は見られなかった。このため、旧耐震基準の鉄骨造建築物や鉄筋コンクリート造等建築物については、耐震化の一層の促進を図ることが必要である。

2.新耐震基準は、今回の地震に対する鉄骨造建築物や鉄筋コンクリート造等建築物の倒壊・崩壊の防止に 有効であったと認められる。しかし、柱はり接合部における不十分な溶接方法等により倒壊又は大破し た鉄骨造建築物や、下階壁抜け柱が多く存在するピロティ構造でピロティ層が大破した鉄筋コンクリー ト造建築物が複数確認された。

これらに関しては、1995 年兵庫県南部地震後に一連の運用基準が整備されているところである。このため、新耐震基準の建築物については、こうした被害事例やそれに対応した運用基準の周知など、被害の抑制に向けた取り組みが必要である。

出典:国土交通省 合同委員会概要より抜粋のうえ一部編集
http://www.mlit.go.jp/common/001147568.pdf

まとめ

木造住宅

  1. 旧耐震の木造住宅の倒壊率は高い。
  2. 新耐震基準は一定の効果を示しており耐震化の一層の促進が必要。
  3. 先ほどの定義いう"新耐震2"も倒壊・崩壊の防止に有効で被害の抑制 に向けた取り組みが必要

鉄骨造・鉄筋コンクリート造

  1. 旧耐震の建物においては倒壊・大破が見られた。耐震改修された建物は倒壊・大破の被害は見当たらない。
  2. 新耐震基準は有効であるが、接合不良などにより大破しているものもある。

このように結論づけられており、耐震化の促進が必要と書いています。
耐震化といってもお金のかかること。
そう簡単には決断できないかもしれません。
(自治体によっては補助金がを出してくれるところもあります。)

ですが、自分の家だけでなく倒壊した建物が隣家の家に被害を出してしまったりすると管理不十分としてお金を払わないといけない判例もあるようで、耐震費用よりも結果として高くつく場合もあるようなので、できればやっておきたいところです。

賃貸の物件においても特に旧耐震と新耐震で家賃が変わってきたりします。
いつ起こるかわからない災害にお金は払えないという考え方もありますが、余裕があるなら新耐震以降の建物や耐震補強がされた建物に住みたいものですね。

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著者
徳留康矩
徳留康矩

2015年秋より暮らしっく不動産のメンバーとして参加。 戸建住宅営業、IT屋、工事現場職人をしてきており異色の経歴の持ち主でもある。 そのかたわら、音楽制作も行っており2015年には自主制作アルバムを配信した。

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