こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

今日はとある工事中の物件へ。
工事現場っていうのは色々な新しい建材や工具があるので個人的にはなかなか面白かったりするのですが、今日ご紹介したいのはホルムアルデヒドの発散量についての表示です。

ホルムアルデヒドとシックハウス症候群

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ホルムアルデヒドについては下記の記述をどうぞ。


人体へは、濃度によって粘膜への刺激性を中心とした急性毒性があり、蒸気は呼吸器系、目、のどなどの炎症を引き起こす。皮膚や目などが水溶液に接触した場合は、激しい刺激を受け、炎症を生ずる。ホルムアルデヒドはWHOの下部機関である国際がん研究機関によりグループ1の化学物質に指定され、発癌性があると警告されている。

出典:wikipedia ホルムアルデヒド
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%92%E3%83%89

体に良くない物質というのがよくわかりますね。
ですが、このような記述もあります。

接着剤、塗料、防腐剤などの成分であり、安価なため建材に広く用いられている。エンバーミングにおいてもこの希釈液が用いられる事が多い。

1948年10月30日から1990年11月22日まで農薬登録を受け、殺菌剤として稲のいもち病やジャガイモの黒あざ病防除に種子消毒の形で使用された。

出典:wikipedia ホルムアルデヒド
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%92%E3%83%89

そうなんです。接着剤や塗料には必要な成分なんですね。
特にコストダウンを強く意識すると使わざるをえない物質。いや必要悪ともいえるかもしれません。

ですが、その弊害として"シックハウス症候群"という症状が出てきました。


新築の住居などで起こる、倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などの症状があらわれる体調不良の呼び名。

出典:wikipedia シックハウス症候群
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

そうなんです。
建材に含まれるホルムアルデヒドが揮発しきれず新築なのに入居した途端になんだか体調が悪いぞ!ということがしばしば問題になっているのです。

建材屋も考える

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シックハウス症候群という言葉が認知されるようになってから建材屋さんはホルムアルデヒドの発散量が少ない建材を作るように努力しているところもあります。
ホルムアルデヒドの発散量は星で表すようになっており、星四つの"エフフォー"というのが一番少ない発散量になります。

建築基準法も変わる

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出典:国土交通省
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000043.html

建築基準法では"星3つ"や"星2つ"の建材は使用量が規制されており、"星1つ(これは表示がないです)"の建材は内装材としては使用禁止になります。

第二十条の七
建築材料についてのホルムアルデヒドに関する法第二十八条の二第三号 の政令で定める技術的基準は、次のとおりとする。  居室(常時開放された開口部を通じてこれと相互に通気が確保される廊下その他の建築物の部分を含む。以下この節において同じ。)の壁、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)並びにこれらの開口部に設ける戸その他の建具の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この条及び第百八条の三第一項第一号において「内装」という。)の仕上げには、夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・一二ミリグラムを超える量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第一種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)を使用しないこと。

二 居室の内装の仕上げに、夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇二ミリグラムを超え〇・一二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第二種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)又は夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇〇五ミリグラムを超え〇・〇二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料(以下この条において「第三種ホルムアルデヒド発散建築材料」という。)を使用するときは、それぞれ、第二種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に次の表(一)の項に定める数値を乗じて得た面積又は第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に同表(二)の項に定める数値を乗じて得た面積(居室の内装の仕上げに第二種ホルムアルデヒド発散建築材料及び第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用するときは、これらの面積の合計)が、当該居室の床面積を超えないこと。

昔の家であれば機密性が低いので仮にホルムアルデヒドが発散していても揮発してぬけていくのですが、近年の家は機密性・断熱性が高いのでホルムアルデヒドも抜けづらいのだそうです。人類が便利や快適を求めた弊害ともいえます。
こうやって技術革新が進むのだなぁと感じています。