こんにちは。
暮らしっく不動産の徳留です。
街を歩いていると、電柱などに不動産の情報であったり、ヤミ金の情報であったり、風俗系の張り紙がペタペタと貼り付けられている時があります。
このような看板は"捨て看"と呼ばれており、違法な看板になります。
風で張り紙が飛んでゴミになっていたり、雨に濡れてぐしょぐしょになっていたりと街の景観という意味でも良いものとは思えないのですが、このような宣伝方法が後をたちません。
※いろいろな意味で問題な捨て看板やちらしの例
捨て看板(すてかんばん)とは、短期間の企画やイベントを案内する日本の看板の一形態。多くは電柱に設置される。自動車のドライバーから見た場合、同じ広告が繰り返し視野に飛び込んでくるため、広告上の効果が高いとされており設置する者が後を絶たない。ほとんどの場合撤去を前提としておらず、朽ちるまで野ざらしとなることから、景観上やゴミ処理上等の問題となる。
出典:wikipedia 捨て看板
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8D%A8%E3%81%A6%E7%9C%8B%E6%9D%BF
東京都のお知らせを見ていたら、なかなか興味深い記事が出ていたので紹介させていただきます。
捨て看板等の共同除去キャンペーン
東京都では、区市、道路管理者、警察等と共同して、違反広告物の除却を行ったそうです。
なにはともあれ、まずは撤去された結果から見てみましょう。
実施期間:平成28年 9/1から10/31
実施区:江東、目黒、大田、杉並、板橋、練馬、足立、葛飾(8区)
実施市:八王子、立川、三鷹、府中、小金井、小平、国分寺、国立、狛江、東大和、清瀬、多摩
出典:東京都 報道発表 都市整備局
平成28年度第20回 捨て看板等の共同除去キャンペーン
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/11/30/06_01.html
平成28年
業種 | 枚数 |
金融 |
16 |
不動産 | 2,483 |
風俗営業 | 31 |
その他 | 266 |
データ元:東京都 報道発表 都市整備局
平成28年度第20回 捨て看板等の共同除去キャンペーン
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/11/30/06_01.html
※上記データを元に暮らしっく不動産で編集したもの
圧倒的に不動産業が多いですね。
上記データをグラフ化してみましょう。
ほぼ9割が不動産業です。
これは平成28年度のデータなのですが、他の都市もグラフ化してみましょう。
平成27年
業種 | 枚数 |
金融 |
2 |
不動産 | 5,897 |
風俗営業 | 88 |
その他 | 447 |
データ元:東京都 報道発表 都市整備局
平成28年度第20回 捨て看板等の共同除去キャンペーン
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/11/30/06_01.html
※上記データを元に暮らしっく不動産で編集したもの
平成27年は90%オーバーです。
顧客満足度とかのデータだったらとても優秀なような気がしますが、マイナス要素でシェアNo.1ですね。
平成26年
業種 | 枚数 |
金融 |
83 |
不動産 | 2,438 |
風俗営業 | 71 |
その他 | 315 |
データ元:東京都 報道発表 都市整備局
平成28年度第20回 捨て看板等の共同除去キャンペーン
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/11/30/06_01.html
※上記データを元に暮らしっく不動産で編集したもの
この年もNo.1ですね。
不動産業界は圧倒的シェアで3年連続1位です。
屋外広告に関する条例や法律など
"景観を損ねる。"
というのが要素としては大きいようですが、どのような条例や法律になっているのか見てみます。
- まず、屋外広告物の表示等が原則として、禁止される地域を禁止区域として定めるほか、さらに表示等を原則として、禁止する物件を禁止物件として指定し、重点的に良好な景観の形成等を行なっています。
- これら禁止区域や禁止物件に該当しない場合でも、都内のすべての区、市や町等の区域内は許可区域であり、屋外広告物を表示等するためには、原則として許可が必要となっています。
出典:東京都都市整備局 条例・規則・要綱
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/koukoku/kou_jourei.htm
(禁止区域)第六条 次に掲げる地域又は場所に、広告物を表示し、又は掲出物件を設置してはならない。一 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の規定により定められた第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域及び第二種中高層住居専用地域並びに同項第十二号の規定により定められた都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第十二条の規定による特別緑地保全地区。ただし、知事の指定する区域を除く。
屋外広告物法
第3条2項
次に掲げる物件には、広告物等を表示・設置してはならない。
- 橋梁、トンネル、高架構造及び分離帯
- 街路樹、路傍樹
- 信号機、道路標識、ガードレール等
- 電話ボックス、郵便ポスト及び路上変圧等
- 電柱、街路灯その他電柱の類で知事が指定するもの
- 銅像、記念碑
- その他知事が指定する物件
出典:国土交通省 屋外広告物制度の概要
http://www.mlit.go.jp/toshi/townscape/toshi_townscape_tk_000023.html
許可なく看板をかかげない。
電柱やポストやガードレールに広告を貼らない。
簡単にいうとそんなことが書いてあります。
路上に掲げてある捨て看板の内容が宅建業法的に違反かどうかはさておき、すでに都条例が守られていないということです。
不動産業の闇の部分ですね。
反応してはいけない
"あっ!狙ってたエリアでお得な物件出たみたい!"
売買であると、思わず電柱の看板を見てお得感と内見をしてみたいという気持ちにかられますが、
そもそもその広告が違法の塊です。
違法でも売れればいいというスタンスで営業している会社から物件を買うと、後々のトラブルにも繋がりかねません。
業者も業者でアルバイトなどを使い夜中に貼らせているわけですが、それなりの効果があるからこそ行っているわけです。
街の美観やクリーンな取引を行う上ではそのような広告に反応してはいけません。
製作する手間、人件費を考えたら効果が見込めないとなれば、そのうち誰もやらなくなるのではないか?と思います。