こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

街中をブラブラ歩いていると賃貸や戸建てやマンションの工事現場に遭遇します。
だいたいどんな工程をやっているかは部材を見ればわかるのですが、今日は鉄筋のお話。

基礎工事で鉄筋

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※一部写真を加工しています。

街を歩いているとこのような光景を見たことありませんか?
地上のレベルより少し低い位置で木枠を組んでいる工事現場です。

"あぁ、これから家が建つんだなぁ"

ぐらいはわかるのですが、実際何をやっているかをわかる人は実際に家を建てたことがある人か工事現場の人じゃないとわからないという感じではないでしょうか。

結論からいうと建物の基礎を作っているところです。

鉄骨造

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このように鉄筋をはりめぐらした周りを木の枠で囲っていき、この後にコンクリートを流し込みます。
上記の写真だと、この位置に柱を設置すると考えられます。ちなみにこれは鉄骨造の基礎です。

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こちらも同じく鉄骨造の基礎の部分です。
こちらは木枠ではなく金物の型を使っています。型枠の中には鉄筋が見えています。
どちらも戸建てで3F建て程度の基礎になります。


じゃー木造は鉄筋を使わないのか?という疑問が残るかと思いますが、近年の木造住宅の基礎も"べた基礎"や"布基礎"と呼ばれるものであれば鉄筋を使います。(気になる人は2000年に改正された建築基準法告示1347号を参考にしてください。)

RC造

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RCといえば日本語でいうところの"鉄筋コンクリート"。
こちらは半地下もあるようなRC造の基礎部分を作成しているところ。
RC造の場合、建物の自重(重さ)が非常に重たいので、その分ごつくなります。

鉄筋は大事

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とある工事中の物件。
外構にあるブロックを積み上げたものなのですが、こちらにもきちんと鉄筋が入っています。

建築基準法にはブロック塀にも規定があります。

第六十二条の八  補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ一・二メートル以下の塀にあつては、第五号及び第七号を除く。)に定めるところによらなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。

 高さは、二・二メートル以下とすること。
 壁の厚さは、十五センチメートル(高さ二メートル以下の塀にあつては、十センチメートル)以上とすること。
 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径九ミリメートル以上の鉄筋を配置すること。
 壁内には、径九ミリメートル以上の鉄筋を縦横に八十センチメートル以下の間隔で配置すること。
 長さ三・四メートル以下ごとに、径九ミリメートル以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの五分の一以上突出したものを設けること。
 第三号及び第四号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあつては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあつてはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の四十倍以上基礎に定着させる場合にあつては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。
 基礎の丈は、三十五センチメートル以上とし、根入れの深さは三十センチメートル以上とすること。
出典:e-Govウェブサイト(http://www.e-gov.go.jp)建築基準法施行令
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とある街中で見つけたブロック塀です。
崩れかけているのですが、隙間からは向こうが見えています。
そしてこの写真以外の部分も見てみましたが、鉄筋が少ないような。。。。
かなり古い建築物なのですが、昔はけっこうずさんな工事も多かったと聞いたことがあります。
鉄筋の量を減らす→材料費が浮く
という考えを持っていた人もいたとか。

さいごに

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鉄筋って鉄筋コンクリートにしか使わないんでしょ?
と思っていた方も多いでしょうが、実は色々なところで使われているのです。
写真はRC造の床部分。これから写真以上に鉄筋をはりめぐらしコンクリートを流し込みます。
夏場に鉄筋絡みの仕事をしたこともありますが、熱を持った鉄は軍手もしていても熱いものです。
真夏に切ったり曲げたりするのは非常に大変でした。
大変な作業ではありますが現代では欠かせない部材です。