結論:コーキングとシーリングは、すき間を埋めて水や空気を防ぐゴムのような目地材です。現場ではほぼ同じ意味で使われ、どちらで呼んでも通じます。
なぜ重要か:キッチンやお風呂、窓まわりの防水を支えているからです。
次にすべきこと:
- 水回りの目地のカビやはがれを見ておく
- すき間や浸水は自分で直さず管理会社へ
こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
コーキングとシーリングは、どちらもすき間に詰めて、水や空気が入らないようにする目地材のことです。厳密にはシーリングのほうが広い呼び名で、コーキングはその一種という考え方もあります。ただ、工事の現場ではほぼ同じ意味で使われていて、「シール」と呼んでも通じます。
不動産屋や工事の人と話していると、ときどき出てくる言葉です。この記事では、写真を使って、どこに使われているのか、何のためにあるのかを紹介します。最後に、賃貸の部屋で住む人ができることと、管理会社に連絡したほうがよいことも分けてまとめました。
コーキング・シーリングとは?

写真のピンクの囲いの中にある目地材を、「コーキング」や「シーリング」と呼んでいます。
触るとブニブニしていて、ゴムのような弾力があります。
コーキング・シーリングが使われている場所

コーキングやシーリングは、家のいろいろな場所で使われています。
- 外壁の目地(パネルとパネルの継ぎ目)
- キッチンの端の部分
- 窓ガラスとサッシのすき間
- お風呂場
- 外壁についている部品と壁が接するところ
- メーターボックスなどと壁が接するところ
キッチン

キッチンでいえば、ピンクの線の部分です。
油が付いたり、カビが生えたりしやすい場所です。
外壁

外壁にも使われています。写真はメンテナンス中のものです。
換気扇の出口

換気扇の空気の出口の部品と外壁のあいだにも、シーリングやコーキングが使われています。
コーキング・シーリングの役割は「すき間埋め」と「防水」
主な役割は次の2つです。
- すき間埋め
- 防水
たとえばキッチンと壁のあいだには、わずかなすき間があります。そこに水が入りこむおそれがあります。すき間を埋めておけば、水が入らなくなります。
外壁の目地としての役割

次に、外壁の目地として使う場合です。上の図は、3階建ての戸建てを横から見たところを想定しています。
遠くから見ると外壁は一枚のパネルのように見えます。でも、よく見ると何枚ものパネルを組み合わせてできています。

例として、さきほどの図を何枚かのパネルに分けてみました。パネルを分けるのには理由があります。
- 工場で作りやすい:決まった大きさの部品にすれば、安く作れるようになります。
- 地震のときに力を逃がしやすい:一枚のパネルだと力が逃げず、ひび割れにつながりやすくなります。

そこで、パネルの継ぎ目にシーリングやコーキングを打ちます。図でいうと、紫の線の部分です。

さきほどの実物の写真をもう一度見ると、何枚ものパネルでできているのがよくわかります。
コーキングとシーリングの違いは?
工事の現場では、ほぼ同じ意味の言葉として使われることが多かった印象です。どちらで話しても通じますが、気になったので調べてみました。
Wikipediaの「コーキング」の項目によると、JIS(日本の工業規格)の用語の決まりでは、シーリング材は「目地やすき間に詰めて、防水性や気密性を保つ材料」とされています。油性コーキング材は、そのシーリング材の一種という位置づけです。
一方、ふだんの呼び方では、次のように使い分けることが多いとも書かれています。
| 呼び方 | ふだんの使われ方 |
|---|---|
| シーリング(シーリング材) | あらかじめ形が決まっているもの |
| コーキング(コーキング材) | チューブに入っていて、コーキングガンという道具で押し出して使う樹脂のもの |
ただし、建築の現場では同じ意味で使われることが多く、職人さんの年代や会社によって呼び方は決まっていない、ともあります。
まとめると、シーリングのほうが広い言葉で、その中にコーキングがあるというニュアンスです。とはいえ、コーキング、シーリング、シールと、言い方が違っても現場では通じます。
賃貸の水回りで、住む人ができること・管理会社に連絡すること
賃貸の部屋では、キッチンやお風呂、洗面台のまわりのコーキングが身近です。どこまで自分で手入れしてよいかは、物件や管理会社によって違うので確認をしてください。目安として、次のように分けて考えるとわかりやすいです。
住む人ができること
- キッチンの端の油汚れは、こまめにふき取る
- お風呂や洗面台の目地は、使ったあとに水気をふいたり換気したりして、カビを生えにくくする
- 表面の軽いカビや汚れに気づいたら、早めに掃除する(強くこすると傷むおそれがあります)
管理会社に連絡したほうがよいこと
- コーキングがはがれている、切れている、すき間ができている
- 目地のまわりから水がしみている、床や壁がぬれている
- 掃除しても落ちない黒いカビが広がっている
- 窓まわりや外壁など、部屋の外側の目地が傷んでいる
コーキングを自分で打ち直すと、仕上がりによっては元に戻すのに手間がかかります。はがれや水もれは自分で直そうとせず、まず管理会社に連絡するのが安心です。連絡先がわからないときは「賃貸の設備故障 どこに連絡したらいいの?」も参考にしてください。
また、退去のときに汚れや傷みがどう扱われるかは、「退去費用」の記事でまとめています。キッチンができるまでの様子は「キッチンの施工」で紹介しています。
さいごに:「シール打ち立て」の表示には触れないで

以前、シール職人さんに聞いた話です。コーキング材やシーリング材は、乾いているときよりも湿度が高いときのほうが早く固まるそうです。冬より夏のほうが早く固まります。
洗濯物とは逆の考え方なので、初めて聞いたときはとても驚きました。
乾いたあとなら触っても大丈夫です。ただ、職人さんがたくさん出入りする現場では、乾く前にうっかり触ってしまうことがあります。床だと踏んでしまい、靴の跡がついてやり直しになることもよくあります。
「シール打ち立て。注意!」という表示を見かけたら、触らないように気をつけましょう。
一度固まったシールを取りのぞくのは手間がかかります。仕上がりも、1回目のほうがきれいなことが多いです。触ってしまうと、職人さんがやり直すことになってしまいます。
