結論:逃した物件は「たまたまその人の条件に合った部屋が埋まっただけ」のことが多く、同じ予算・エリア・設備なら似た部屋は見つかります。
なぜ重要か:逃した部屋にこだわると、決めきれずにまた次を逃します。
次にすべきこと:
- 本当に譲れない条件だけに絞る
- 見つからなければ予算・エリア・築年数を見直す
こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
ネットで見つけて狙っていた物件が、問い合わせたら「申し込みが1件入っています」「現在居住中です」と言われた。そんな経験はありませんか。逃した物件ほど、良い物件に見えてしまうものです。
ですが、たくさんの部屋を見てきた立場から言うと、逃した物件が特別に良い物件だったとはかぎりません。同じ予算・同じエリア・同じ設備条件なら、部屋のクオリティは似ていることが多いからです。この記事では、なぜ「逃した物件は良く見える」のか、そしてどう考えれば次の部屋を決められるのかをお話しします。
目次
「この物件ありますか?」で起きること
お客様とお話をしていると、「ネットで見つけたのですが、この物件ありますか?」という問い合わせをよく受けます。
ここでは、その物件がおとり物件ではなく、実際に募集されていた物件だとします(おとり物件の見分け方はおとり物件の見分け方の記事で説明しています)。
穴があくほど見て狙っていた物件。いざ不動産屋に問い合わせてみると、「申し込みが1件入っています」「現在居住中です」となる。2月・3月の繁忙期には、これがしばしば起きます。
募集は今の入居者が退去を決めた時点から始まる

業者用のネットワークや、一般の方が見る不動産サイトに、どのタイミングで募集が出るのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
募集は、入居者の退去が済んで部屋のクリーニングが終わってから始まるわけではありません。一般的には、今の入居者が解約通知書を出してから数日以内に募集が始まることが多いです。
そのため、図面やネットの表記で「◯月下旬退去予定」となっている物件がたくさんあります。ただ、なかには当初の予定より退去が遅れる入居者さんもいます。
人が住んでいる間は、その部屋を内見できません。一部には内見せずに契約できる物件もあるので、見ないまま決めてしまう人もいます。
こうした物件について「やっぱりいい物件は人が住んでいるのよねぇ」とおっしゃる方もいます。でも、本当にいい物件なのでしょうか。
申し込みが入っている物件が「いい物件」とはかぎらない

2月・3月は、一般の方が見るポータルサイトに表示が残っていても、問い合わせると「申し込みが1件入っています」となることがよくあります。
業者用のデータベースやネットワークである「レインズ」や「ATBB」(アットホームが運営する業者専用サイト)でも、情報がリアルタイムに更新されるわけではありません。私の感覚では、申し込みが入ってすぐに物件情報を下げることは少なく、申し込んだ人が審査に通ってから下げることが多いように感じます。
情報を下げるタイミングは業者がそれぞれ決めます。そのため、次のようなことが起こります。
- 内見の直前まで、まだ空いているかどうかわからない
- 何日も前から、その物件の内見の予約ができない
「申し込みが先に入っているのかぁ。先に取られたからすごくいい物件に見える。いい物件はすぐに埋まるのね」
これもよく耳にする言葉です。でも、本当にいい物件なのでしょうか。
家に求める条件は人それぞれ

この一年間でたくさんのお客様とお話をしてきましたが、求める条件は本当にさまざまです。
- 宅配ボックスがどうしても必要な人
- バス・トイレが一緒でも気にならない人
- 家賃が安くなるなら1階でもいい人
- 設備が整っていることが必須な人
- 駅まで徒歩5分以内が必須な人
- オートロックがどうしても必要な人
- ペット可が必須な人
年代、性別、収入、家庭環境によって、求めるものには差があります。
人口が減りはじめ、空室が増えてきている今、「たまたまその人の条件に合った物件が埋まっただけ」というのが、たくさんの部屋を見てきて思うことです。
条件が同じなら、部屋は似ていることが多い
同じ設備条件、同じ予算、同じエリアであれば、部屋のクオリティはだいたい似ている。これが現実です。
もちろん、不動産屋が出す図面のうまさや写真の撮り方で、印象は変わります。それでも、内見して実物を比べると、「予算・エリア・設備・築年数」の条件が同じなら、物件は似ていることが多いと感じます。
逆に言えば、この条件で気に入る物件が見つからない場合は、希望の条件が世の中の相場とずれているということです。そのときは「予算・エリア・設備・築年数」を見直す必要があります。部屋がなかなか決まらない人の共通点は賃貸の部屋が見つからない人の共通点の記事でもまとめています。
「いい物件」の定義は人によって違う
予算が決まっているとき、物件はおおまかに次の2つに分かれます。
- 都心部へのアクセスは良いが、設備・築年数・広さに難がある物件
- 都心部へのアクセスはあまり良くないが、設備・築年数・広さは良い物件
この2つの軸で、自分の考えがどちら寄りなのかを、自分の中ではっきりさせておくことが大切です。
ここがぶれていると、「いい部屋が出てきたら引っ越したい」というループや、「待っていればそのうちいい部屋が出てきて、いつか引っ越せる」という考えに陥ってしまいます。
通勤時間をどこまで許せるかで迷う方は、東京の通勤圏と、片道何分まで許せるかの考え方の記事も参考にしてください。
次の部屋を逃さないための整理のしかた
- 本当に譲れない条件だけに絞る:上のリストのように、人によって「どうしても必要」なものは違います。自分にとっての必須条件を先に決めておきます
- アクセス重視か、部屋重視かを決める:上の2つの軸のどちらを取るかを決めておくと、候補を見たときに迷いにくくなります
- 逃した物件の「どこが良かったか」を書き出す:その良さが、ほかの物件でも満たせる条件なのかを考えます
- 見つからないときは条件を見直す:予算・エリア・設備・築年数のどれを動かすかを、不動産屋さんと相談します
その賃貸物件に一生住むのでしょうか?

結婚や上京などで引っ越してくる方も多いのですが、そうした方が陥りやすいのが、「本当にこの物件に決めていいのだろうか」と疑心暗鬼になり、決めきれずにタイミングを逃してしまうことです。
賃貸のいちばんのメリットは、住み替えができることです。そのときの状況で、いちばん優先したいことに合った物件を選べばいいのです。
2年、4年たてば、ライフスタイルや状況はきっと変わっています。
- 転職しているかもしれない
- 結婚して住む場所が変わっているかもしれない
- 子どもが生まれているかもしれない
そのときは、そのときに必要な家を選べばいいのです。
一生住むことが前提の売買物件なら、資産価値や将来のリスクも考える必要があります。ですが賃貸で疑いすぎたり不安になりすぎたりすると、せっかくの好機を逃しがちです。
反対に、不動産屋に急かされて納得しないまま申し込むのも避けたいところです。迷ったときの考え方や断り方は「とりあえず申し込み」はしていい?の記事で説明しています。
さいごに
最後に、以前ネットで偶然見つけて、個人的に気になった言葉を書いておきます。
Everything you want is on the other side of fear.
(あなたが望むものはすべて、不安の向こう側にあります。)
逃した物件を追いかけるより、自分にとって大事な条件をはっきりさせること。それが、次の良い部屋に出会ういちばんの近道です。
