結論:国土地理院の地理院地図にある「アナグリフ」を使うと、住んでいる場所が台地の上か谷かを、地図上で立体的に見られます。
ここが大事:坂の多さや街の成り立ちが地形からわかるからです。
まずはここから!
- 候補の住所をアナグリフで見る
- ハザードマップもあわせて確認する
アナグリフ地図とは、国土地理院のWeb地図「地理院地図」で見られる、土地の高低差を立体的に表した地図です。赤と青のフィルムを貼ったメガネで見ると、地形が浮き上がって見えます。メガネがなくても、色の濃さで台地と谷の違いがわかります。この記事では、2017年当時に東京とその周辺をアナグリフで見たときの様子を、地図の画像と一緒に紹介します。
地理院地図は、使い方を覚えてしまえば、わかりやすく目で見て情報を得られます。ぼくも物件や街を調べるときに、とても役に立てています。
アナグリフ地図とは

出典:国土地理院(地理院地図 アナグリフ)
国土地理院の地図は、「ふつうの地図の上に、調査データのレイヤー(層)をかぶせる」という考え方でできている、とぼくは考えています。
以前の記事では、次のような情報を重ねた地図を紹介しました。
- 高低差
- 標高を表す方法
- 人口が多い地域
- 高低差を3D化したもの
これらのデータを重ねると、東京の地形を見ていくことができます。内見に行っても、「あぁ、ここは坂の下だなぁ」とか「台地のキワに建っている」とか、賃貸にはあまり関係のないところで町歩きを楽しんでいたりもします。
赤と青のメガネで立体的に見える
聞きなれない「アナグリフ」という機能ですが、国土地理院のページによれば、赤色と青色のフィルムを貼ったメガネで見ると立体的に見える機能とのことです。

出典:国土地理院(アナグリフの解説ページ)
このページを読んでいくと、ご丁寧に赤青メガネの作り方と、メガネの型紙までのっていました。

出典:国土地理院(アナグリフの解説ページ)

事務所を探してみると、こんなメガネが見つかりました。右目と左目にあてて地図を見てみました。
まわりから見ると「なにしてんの?」という姿ですが、見ている本人には立体的に見えているので、けっこう楽しいです。昔の子ども向けの雑誌には、こういう付録がたくさんありましたよね。懐かしいです。
アナグリフ地図の見方

出典:国土地理院(地理院地図 アナグリフ)
もちろん、赤青メガネを使わなくても高低差は見られます。中部地方は山が多いですね。美味しそうな色をしています。パンやグラタンだったら、いい焼き色です。
見るときのポイントは、次のとおりです。
- 地理院地図で、地図の種類からアナグリフを選ぶ(メニューの場所は変わることがあります)
- 文字入りの地図を薄くすると、地形が見やすくなる
- 場所がわからなくなるときは、文字を少し濃いめに残す
- 広い範囲で見てから、住所のあたりまで拡大していく
この記事の地図の画像には、それぞれ「地理院地図で開く」のリンクを付けています。同じ場所を自分で動かして見られます。
東京とその周辺をアナグリフで見る(2017年当時)
東京都の全体

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
東京都を中心に拡大してみました。文字入りの地図は薄くしたほうが(アナグリフを濃くしたほうが)見やすいのですが、記事では場所がわからなくなってしまうので、文字を少し濃いめに出しています。
西側は山が多いエリアですが、東京の都心部は全然高さがないですね。
都心部

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
都心部は、全国的に見れば高さのないエリアです(関東平野というぐらいですので)。それでも拡大していくと、細かな高低差があることがわかります。この凹凸が、坂を生み出しているんですよね。
大塚・巣鴨駅付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
JR山手線の大塚・巣鴨・駒込・田端付近のアナグリフ地図です。大塚駅から巣鴨駅まで歩くと、ほとんどの道で急な坂を通らないといけないのですが、この地図を見ると納得です。大塚駅と巣鴨駅の間に谷があり、かなり大回りをしないかぎり避けられそうもありません。
谷中・千駄木付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
谷中、千駄木、根津の近くです。「お寺のあるところは地盤がいい」という言い方をすることもありますが、この地図を見るかぎり、あながち間違っていないかもしれません。お寺のほとんどが台地の上にあります。
西馬込付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
馬込のほうへ内見に行ったとき、お客さんと「坂の多い街ですね」と話しながら歩きました。これだけ細かく高低差があれば、坂のオンパレードになるのも納得の地形です。
すべてがそうとは言い切れませんが、左上の上池台というエリアは台地の上ですね。住所に「台」がつくところは、坂の上にある可能性が高いかもしれません。
旗の台付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
旗の台は、台地の上のエリアと下のエリアがまざっていますね。広い意味では、台地の上と言えなくもないですが。地名だけで判断せず、地図で確かめるのがよさそうです。
田園調布付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
田園調布は、実業家の渋沢栄一が計画的に整えた街です。見事に台地の上に整備していることがわかります。いい場所に目をつけましたね。
参宮橋付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
参宮橋の近くも坂の多い街だと思っていましたが、やっぱり高低差のある街だということが、この地図でもわかります。高級マンションは台地の上に建てられることが多いとぼくは思っているのですが、この考えもあながち間違っていなさそうです。
目白・高田馬場付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
高田馬場から目白のほうへ歩くと急な坂が避けられないのですが、これも納得です。神田川は谷の部分を流れています。
吉祥寺・三鷹付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
吉祥寺、三鷹の近くです。井の頭公園の池をのぞけば、ほぼ真っ平らな土地といえそうです。

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
そのせいかどうかはわかりませんが、主な道路に対して、ほぼ平行な町割りになっています。見ていて気持ちがいいです。
八王子付近と中央道

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
中央道を中心にした八王子市の近くです。旅行で曲がりくねった道に出くわすと、「山をぶちぬいて真っすぐ作ればいいのに」とよくぼやいています。でも、なるべく建設費をかけずに道を通すなら、自然の地形に逆らわずに作るということなのでしょう。そういう意味では、谷あいを抜けて西にのびる中央道は正解ですね。
箱根付近

出典:国土地理院(地理院地図で開く)
こうして見ると、箱根の地形は本当に面白いですね。谷の部分に道や線路が通っています。
部屋探しでアナグリフ地図を使うとき
アナグリフ地図は、部屋探しの下調べにも使えます。たとえば、次のような見方です。
- 駅から物件までの道に、坂や谷があるか
- 物件が台地の上か、谷や低い土地にあるか
- 地名に「台」「谷」などがついていても、実際の地形と合っているか
坂の上と下で住み心地がどう変わるかは、坂の上と下の物件はどう違う?でまとめています。
ただし、アナグリフ地図でわかるのは土地の凹凸です。浸水などの災害のおそれは、各区や市のハザードマップで確かめてください。東京23区のハザードマップは東京23区のハザードマップはどこで見る?でまとめています。物件のまわりの様子は、地図アプリの路上写真で周辺環境をしぼり込む方法もあわせて使うと便利です。
さて、あなたが住んでいる場所は、どんな地形でしょうか。一度見てみると面白いですよ。
