こんにちは暮らしっく不動産の門伝です。
最近、日本賃貸管理協会の日管協総合研究所会議に参加させていたく機会がありまして、そこで興味深い話がありました。
「不動産トラブルの相談は、サラ金よりも多い」
会議に出席されていた、不動産業界の重鎮の方々からも「えー!ホントに?」という声も。
2015年度に国民生活センターの相談件数では、堂々のベスト10入り!
イメージの悪い、消費者金融(フリーローン・サラ金)よりも上です。
順位 | 商品・役務等 | 2015年度 | |
---|---|---|---|
件数 | 割合(%) | ||
1 | アダルト情報サイト | 95,364 | 10.3 |
2 | デジタルコンテンツその他 | 78,035 | 8.4 |
3 | インターネット接続回線 | 43,797 | 4.7 |
4 | 商品一般 | 42,810 | 4.6 |
5 | 賃貸アパート・マンション | 33,625 | 3.6 |
6 | フリーローン・サラ金 | 32,046 | 3.5 |
7 | 移動通信サービス | 25,492 | 2.8 |
8 | 健康食品 | 21,878 | 2.4 |
9 | 相談その他 | 17,529 | 1.9 |
10 | 四輪自動車 | 13,477 | 1.5 |
全相談件数 | 925,681 | 100.0 |
出典:国民生活センター 商品・役務等別相談件数(2015年度上位10位)
1年で、33,625件。
1日に90件ほどの相談が国民生活センターにきている数字になります。
こんなに多いのか・・。
同じ不動産業界のものとして申し訳なく思います。
若者に多い、賃貸契約でのトラブル!
次はもう少し新しく、細かいデータベースから。
2017年6月9日に消費者庁が発表したデータ「平成29年度 消費者白書」を見ていきましょう。
年代別で、1年間の相談のあった内容が集計されています。
(1年間とは、2016年度。2017年3月31日まで消費者庁集計による約1年間にあたります)
出典:消費者庁 平成29年度 消費者白書
スマフォの普及からか、デジタルコンテンツの相談がどの年代も1位になっています。
20代、30代、40代は、不動産賃貸借の相談が2位となっています。
全ての年代をまとめたものがこちらです。
1 | デジタルコンテンツ | 170,819 |
2 | インターネット回線 | 40,464 |
3 | 商品一般 | 40,140 |
4 | 不動産賃借 | 39,885 |
5 | フリーローン・サラ金 | 27,796 |
6 | 工事・建築 | 26,288 |
7 | 携帯電話サービス | 16,664 |
8 | 四輪自動車 | 14,487 |
9 | 相談その他全般 | 14,051 |
10 | 他の健康食品 | 13,733 |
出典:消費者庁 平成29年度 消費者白書
こちらでもサラ金より上位をキープ、4位でした。
サラ金10%ダウン、不動産賃貸20%アップ!?
ちなみに、サラ金・フリーローンの相談は年々減っています。
ここ3年間の推移を見てみましょう。
サラ金 |
賃貸 |
|
2014 |
30681 |
33284 |
2015 |
30727 |
39003 |
2016 |
27796 |
39885 |
参考:消費者庁 「消費者白書」平成26年から29年のデータを暮らしっく不動産でまとめたもの
2014年から比べると、消費者金融(サラ金・フリーローン)は約10%の減少。
対して不動産賃借は、約20%の上昇。
金融庁の頑張りがわかりますね。
対して不動産賃貸借に関係する国土交通省は、もう少し頑張りが必要なのではないでしょうか。
ただ不動産のトラブルは非常にわかりにくかったり、一般の消費者と不動産業者の知識力の違いからか、トラブルが表面化し見つけるのが難しいです。
国土交通省もそのトラブルを見つけるのに苦労していると思います。
ちなみに、これは相談の件数。
実際の被害、トラブルはこれ以上にあるとは思います。
さいごに
不動産に関係するものとして笑えない話ですが、やっぱり多いみたいです、不動産トラブル。
このブログでは何度も書いていますが、「部屋だけでなく、契約内容が大切!」です。
不動産の契約は、どれも全て同じと思っている人も多いですが、実はそれぞれ違います。
特に安い物件や、敷金礼金ゼロ!なんていう初期費用が安い物件などは、とくに注意が必要です。
消費者庁の相談ランキングから「不動産賃借」がなくなる日を願って、頑張っていきたいと思います。
それでは今日はこのあたりで。