こんにちは暮らしっく不動産の門伝です。

先週の日曜日、宅建の試験がありました。
私が受けたのは、7年ほど前なので懐かしいです。 
試験当日は緊張しました。でも思いの外早く終わってしまい、暇でした(。

さて今年の宅建試験、面白いひっかけ問題が出ていました。
Twitterに画像もありました。

不動産取引と思いきや、なんとまさかの「中古車」の取引。

平成29年度 宅地建物取引士試験 問5

【問5】 Aは、中古車自動車を売却するため、Bの売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うこと約した。
Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。
この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1. Bが報酬を得て売買の媒介を行っているので、CはAから当該自転車の引き渡しを受ける前に、100万円をAに支払わなければならない。

2.当該自動車に隠れた瑕疵があった場合には、CはAに対しても、Bに対しても、瑕疵担保責任を追求することができる。

3.売買契約が締結された際に、Cが解約手付として手付金10万円をAに支払っている場合には、Aはいつでも20万円を償還して売買家役を解除することができる。

4.売買契約締結時には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。

いやー、車の取引は詳しくないので難しいです。
問いてみます。

1について

1. Bが報酬を得て売買の媒介を行っているので、CはAから当該自転車の引き渡しを受ける前に、100万円をAに支払わなければならない。

中古車の取引なので、媒介の規定は無いはず。
引渡し前でも、引渡しと同時でも良いと考えます。
ちなみに、不動産は引渡しと同時、が基本です。

民法には車取引の規定はないと思うので、これは✕だと思います。

2について

2. 当該自動車に隠れた瑕疵があった場合には、CはAに対しても、Bに対しても、瑕疵担保責任を追求することができる。


瑕疵担保責任についてですね。

中古車自動車の場合、瑕疵担保責任はその契約内容によります。 いわゆる保証ってやつですね。
ディーラーの場合は、機関部分などの瑕疵担保責任はディーラーがしっかりと保証するという内容になっていることが多いです。
まぁ車なので動かないとしょうがないですから。

この問題について考えると、これがどのような契約だったのかは分かりません。
で、民法には車取引の規定はないと思うので、これは✕だと思います。

ちなみに不動産の場合は瑕疵担保責任の設定が必ずあります。
業者だと2年とか、一般的には3ヶ月とか、設備だと1週間とか。 古い物件は瑕疵担保免責とか。
これが取引内容によってさまざま。

詳しくは以前書いたこちらを。

瑕疵担保責任のわかりやすい説明書(暮らしっく不動産)
https://www.kurachic.jp/column/800/



ちなみに、中古車の保証はこんな内容です。
トヨタさんの中古車保証の情報。

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3について

3. 売買契約が締結された際に、Cが解約手付として手付金10万円をAに支払っている場合には、Aはいつでも20万円を償還して売買契約を解除することができる。


車の契約では、特に手付の決まりはありません。
私も先日車を買う機会がありましたが、手付金はなかったです。(過去に買ったとき、手付金が必要な場合もありました。)
なので、ケースバイケース。

で、不動産取引のように手付放棄というルールも基本ないです。 
ひっかけで、手付の倍返しのような文章になってますが、車ではないです。但し、そういう契約の場合は別。(でもあんまりないんじゃないかな?)

なので、この問題も✕!

ちなみにこれが不動産だった場合は、◯です。
不動産の手付の倍返しがこれにあたります。

4について

4. 売買契約締結時には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。

これは◯です。
善意、悪意の問題ですが、自動車の契約では特に適用はないと思います。

不動産の場合は、Cが善意(知らなかった)か悪意(知っていた)で、場合は変ってきます。
善意の第三者、とか言われる項目ですね。

さいごに

TACさんの解答速報では、4が正解でした。
よかった!

http://www.tac-school.co.jp/kaitousokuhou/downloads/8_2017_takken_sokuhou.pdf


今年のボーダーラインは果たしてどのくらいなのでしょうか。
皆さまが良い結果であることを祈ります!

それではまた。