こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

アスベストという建材ご存知でしょうか。
一時期、健康被害があるということで世間を賑わしていました。
現在ではアスベストを含むものの製造が禁止されていますが、かつては様々な住宅をはじめとした様々な場所でごくごく当たり前に使用されていました。
古い建物だと今でも残っていたりするのですが、少しまとめておきたいと思います。

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ちなみにこちら、アスベストを含有したバルコニー手すりの写真です。
飛散しないように決められた場所で保管しなければいけません。


アスベストとは何か?


アスベスト(石綿)は、天然にできた鉱物繊維です。
熱に強く、摩擦に強く切れにくい、酸やアルカリにも強いなど、丈夫で変化しにくいという特性を持っていることから、その特性を活かしさまざまな製品に使用されてきました。
一方、丈夫で変化しにくいため、吸い込んで肺の中に入ると組織に刺さり、15~40年の潜伏期間を経て、肺がん、悪性中皮腫( 悪性の腫瘍) などの病気を引き起こすおそれがあります。
目に見えないくらい細い繊維のために、気づかないうちに吸い込んでしまう可能性があります。


引用:環境省 アスベスト含有家庭用品の廃棄について
http://www.env.go.jp/air/asbestos/housewares/

使用されている場所


住宅や倉庫では外壁、屋根、軒裏等に成形板として、ビルや公共施設では梁・柱の耐火被覆、機械室等の天井・壁の吸音用等に吹付け材として使用されています。

  1. 鉄骨の耐火被覆材、機械室等の吸音・断熱材、屋根裏側や内壁などの結露防止材としての吹付け材
  2. 鉄骨の柱、梁等の耐火被覆成形板
  3. 天井等の吸音・断熱及び煙突の断熱としての断熱材
  4. 天井・壁・床の下地、化粧用内装材、天井板、外装材、屋根材等の成形板


その他、建材以外でも自動車のブレーキ、高圧電線の絶縁材、各種シーリング材等に使用されています。アスベストが使われている家庭用品についての注意事項は環境省ホームページ(アスベスト含有家庭用品の廃棄について:下記のURL)に掲載されておりますので、ご覧ください。
http://www.env.go.jp/air/asbestos/housewares/

引用:国土交通省
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/Q&A/index.html#a14

 

 


なぜ使用されてきたのか?


石綿は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火、断熱、防音の目的で使用されてきました。

引用:独立行政法人環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/asbestos/what/whats/basyo.html

使用されていた年代について


1956年ごろから1975年ごろまでの住宅(鉄骨耐火被覆・吸音、結露防止用)重量の70%含有
→1975年に吹付けアスベストが原則禁止


1975から1989年ごろ
→重量の5%以下程度で使用される。(吹付けロックウールに含有)

2004年
→労働安全衛生法施行令が改正されて石綿を含有する建材の製造等が禁止。

2012年3月1日以降 
→重量の0.1%を越えて含有する全ての物の製造等が禁止。

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引用:独立行政法人環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/asbestos/what/whats/basyo.html

1956年ごろから1975年ごろまでの鉄骨の住宅ですと石綿が入っている可能性があります。

除去費用の相場は?


アスベスト処理面積が300㎡以下の場合
除去費用→2.0万円/㎡から8.5万円/㎡

参考:国土交通省
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/Q&A/index.html#a10

費用としては高いですが国は補助金制度を用意しているとのことです。
詳細は下記リンクの国土交通省のサイトに記載がありますので、参考にしてみるといいでしょう。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/01/010425_3/01.pdf

さいごに

しかし、アスベストは建造物を解体しない限り危険性はないと言われる(普通、アスベストを含んだ建材は粉砕しないと空気中には飛散しない)「尼崎市保健福祉局」「WHO」。アスベスト吹き付け工事直後や解体工事時には多量のアスベストが飛散する恐れがあり、一連のアスベスト騒動で心配になったからといって、性急に除去工事を行うことはリスクを増大させる恐れがある。学校・病院等公共建造物ではアスベストの撤去作業を進めているが、解体作業者の安全性を考えると、アスベストを撤去した方が安全なのか、そのまま撤去しない方が安全なのか議論の分かれるところである。学校等の解体作業者が将来20~40年後中皮腫になる事についての懸念が持たれている。

出典:wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E5%95%8F%E9%A1%8C

こちらの記述によれば使用されているのが問題ではなく、粉塵が舞ってそれを吸い込んでしまうというのが健康上良くないようですね。自宅にアスベストがあるからといって慌てる必要はなさそうです。