部屋探しで気になるポイントの一つ、アパートとマンションの違い。

「アパートとマンションってどう違うんですか?」という質問もよくいただきます。
また「コーポやハイツはどっちになるんだろう?」なんていう声も。

当たり前の話ですが、不動産の知識の量で、部屋探しは大きく変わってきます。

「アパートや木造は不安だから」なんて思っていませんか?
偏った知識は、選択範囲を狭めてしまう上に、家賃の予算増加にもつながります。

今回はアパートとマンションの違い、そして部屋探しで抑えておきたいポイントを紹介していきたいと思います。

目次

1. 明確な決まりはありません

いきなり拍子抜けするかもしれませんが、明確な決まりはありません。
国が決めている不動産のルール「宅地建物取引業法」でも、建築物のルール「建築基準法」でも規定はありません。

国はアパートとマンションについて区別はしていないのです。

アパートとマンションは「共同住宅」「集合住宅」と同じカテゴリーに分類されています。

1-1. アパートとマンションの区切りは?

ではどこで線引して分類しているのか?
明確な線引がないので、一般的認知度とその募集をする不動産屋のさじ加減で決められています。
「何となく世の中的に、これはアパートだろう」というように、曖昧に分類されています。

ちなみに「マンション」というのは、和製英語です。 英語だと大きく意味が異なります。

以下、wikipediaより引用です。

アパート wikipediaより

アパート(apart)とは、建物の内部を複数に区切り、それぞれを独立した住居として居住者に賃貸する集合住宅。英語「アパートメント(apartment)」を元にした和製英語
同種の共同住宅のうち、比較的大規模・豪華なものは「マンション」と称されることが多い[1]。なお、高級アパートのことをコーポというが日本では使い分けが曖昧になっておりアパートと同義語になっている。

マンション wikipediaより

マンション和製英語:Mansion)とは、日本語ではアパートよりも大型の共同住宅(集合住宅)を表す一般名詞として使われている。ただし、語源である英語では、(例えばビル・ゲイツの私邸のような)豪邸などの意味で用いられることが多く、共同住宅の意味はほとんどない。英語ではCondominiumが相当するが、地域によっては「コンドミニアム」は比較的低層の集合住宅を意味することがあり、「高層集合住宅」の意味では賃貸・分譲を問わず「アパートメント」「アパルトマン(フランス語発音)」 (Apartments) が一般的な場合もある。

1-2. アパートとマンションの一般的な分類基準

不動産業界では一般的に建物の構造で種別しています。

構造は必ず明記することと不動産ルール「宅地建物取引業法」で決まっています。
インターネットでの情報、お店でもらう物件案内図面、どちらにも必ず構造について記載があります。

アパートと分類されるもの

木造、プレハブ造、軽量鉄骨造

マンションと分類されるもの

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)、鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨造(ALC)

1-3. 曖昧だから判断基準にしてはいけない

アパート<マンション
世の中の人は、このようにマンションの方が優れていると思っている人が多いです。

マンションの方が聞こえがいいことからという理由で、木造、プレハブ造、軽量鉄骨造でも、マンションと宣伝することもあります。
コーポやハイツという名前がついている物件に多いですね。

宣伝する不動産屋が勝手に決めてしまうんです。

ここまでで、アパートとマンションの区別は意味のないものだということがお分かり頂けたと思います。

1-4. 構造で区別しましょう

アパートとマンションでは、判断基準にならない。
ではどうやって部屋を選んでいけば?ということですが。
部屋を選ぶ中で大切なのは、構造です。

ここからは構造別に、建物のメリット・デメリットをあげていきます。
※今回の話は分かり易くするために、1-2.で上げた一般的な分類方法でしっかり区切って話しを進めていきます。

2. 構造別に見る 建物の性能「音について」

生活していく上で気になるポイントを、構造側からみていきたいと思います。

一番心配になるのが、隣の部屋の音、自分の部屋の音。
遮音性、騒音リスクなど、構造別にメリット・デメリットを考えていきます。

2-1. アパート 木造、プレハブ造、軽量鉄骨造の生活音と遮音性

その建物の間取り、造りによって大きく異なりますが、という前提に話しを進めていきます。

隣の音、上下の音は、やはり聞こえやすい傾向です。

何度も言いますが、間取り・造りによって大きく変ってきます。
「少し聞こえるかな?」という部屋もあれば、「まる聞こえ!!?」という部屋いろいろあります。

アパートでも、きちんと見ていけば良い物件に巡りあえます。

2-2. 木造でも騒音リスクが低い部屋の例

例えばこの木造のアパート物件。
生活空間が分かれるよう工夫されています。

間取図の段階で、この3部屋(101、102、105)の遮音性のレベル、騒音リスクを考えてみます。

角部屋

一番遮音が優れているのは101。
角部屋というのが一番のポイントです。
隣の入居者の騒音リスクは低いと考えられます。

角部屋の場合は窓、間口の先がどうなっているかがチェックポイントです。
窓というのは、音がけっこう入ってきます。
人通り多い、車がよく通るという場合には、要注意です。

間に部屋がある

2番目は102の部屋。

105との間はユニットバスがあります。 普段生活する洋室がの間に、一つ部屋があるような形になっているので105の生活音はほとんど問題ないと思います。
(入浴時などは、排水音などが少し聞こえるかもしれません。)

101の部屋とも生活エリアが違います。

気になるとすれば上の住民の音。 
ロフトとなっているところに要注意です。
1階でロフトの造りといことは、上の階の部屋とこの部屋の天井の間に空間がない可能性も考えられます。
ここは内見の時に、チェックしたいポイントです。

このように上の階との距離は、浴室に有る点検口などを開けてチェックします。

ただ騒音リスクはかなり低い部屋と判断して良いと思います。

導線を位置を確認

3番目は105。 
といっても2番目の102とそんなには変わらないとレベルでの評価です。

気になるのは、階段が近いというところ。
全体の間取図を見ると2階にある4部屋の入居者がここの階段を使います。

この階段の昇り降りの音は聞こえると思います。

このようにその建物住人の導線がどこにあるのかを考えるのも大切です。

それから細かいところですが、もう一つ。
壁の厚さ、造り、素材などにもよりますが、101の入居者がこちらの壁よりにテレビやスピーカーをした場合には、音漏れのリスクはあります。
音は、前からだけでなく後ろ方向へも出ています。 

小さい騒音リスクですが、可能性はあると考えられます。

2-3. マンション SRC、RC、ALCの生活音と遮音性

構造が、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)、鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨造(ALC)の一般的にマンションと分類されるものについてです。

これらの構造は、アパートと分類される(木造、プレハブ造、軽量鉄骨造)よりは、遮音性は高いです。
建築費も高いので、この辺りは当然と言えるでしょう。

もちろんこの分は、賃料に跳ね返ってきます。

壁をチェックしましょう

隣の部屋との壁については、これら構造とは別です。

分譲マンション物件で、壁は貧弱なんていうものは結構あります。

この壁がしっかりしたもので、あれば同じ建物の近隣住民の騒音リクスはかなり低いと考えられます。

2-4. 大通りの騒音

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)、鉄筋コンクリート造(RC)の建物は、建築費用が高いです。
よって規模の大きい場合には、この構造が取られます。 小さい規模の建物には取られません。

大規模と言うと面積の他に高さが関係してきます。
ある程度の高さが必要。

そうなると建築基準法の規定から、都心部、または大きな通り沿いというように「閑静な住宅街」エリアではなくなっていきます。

新たに問題となるのが、車の音。
特に救急車がよく通る幹線道路なんかは、結構うるさいです。

弊社の近隣例で上げると、西早稲田駅付近の明治通り沿いエリア。
この辺りは結構救急車が通るので夜はうるさいと聞きます。(実際に住んでいる人からの体験談)
夜間の緊急搬送も受け付ける大きな病院が近くにあるのも一つの原因です。

このようなデメリットもあります。
気になる人は部屋選びの基準ポイントの一つにしてもよいでしょう。

3. 構造別に見る 建物の性能「機密性」

ここでも「その建物の間取り、造りによって大きく異なります」という前提に話しを進めていきます。

あまり注目されませんが、「機密性」というのも大事なポイントです。
「エアコンの効き」というところに関係していきます。

メリット・デメリットについて考えていきます。

3-1. マンションは機密性が高い

一般的にマンションと分類される部屋の方が機密性が高いです。
ただ機密性が高いということで、湿気が溜まりやすかったりします。
空気の流れを考えて設計していないと、カビが発生しやすい場所などが出てきます。

下駄箱に入れていた靴がカビにだらけ・・・、クローゼットがカビでやられた・・・。 という話しをたまに聞きます。
ここはマンションのデメリット。

3-2. アパートは機密性が低い

対してアパート。 こちらは機密性が低いです。
メリットとして考えると、適度な通気性があるということになります。
マンションのように、極端な湿気に悩まされるケースは少ないと思います。

ただ天候など、外気の影響を受けやすいというところがあります。
雨の日、梅雨時などは、その影響を大きく受けます。

3-3. 機密性とエアコンの効率

機密性で問題が出てくる一つとして、エアコンの効率があります。
あまり目にすることはないかと思いますが、エアコンの説明書の中にある仕様表です。

「冷房面積のめやす」「暖房面積のめやす」というところをご覧ください。
建物の構造で、数値が違うのがわかると思います。
木造建物は、エアコン効率が少し落ちるということを表しています。

3-4. アパート物件はエアコンの能力をチェック

アパートの場合、特に木造の場合はエアコンの性能もチェックしておくことをお勧めします。

エアコンの下側、横側に型番、年式などの記載があります。

3-5. エアコンのパワーを見極める

何kWというところが大事です。 
kWはキロワット。 エアコン出力の目安になります。

エアコンはそれぞれ部屋の広さによって、パワーが違います。
2.2kW、2.8kW、3.6kW、4.0kWと数値が上がるにつれてエアコンの効きが良くなっていきます。

東京で一人暮らしの部屋だと、6帖というのが一つの目安になるかと思います。
6畳用は2.2kWです。

エアコンの型式は、エアコンのパワーが分かりやすいように、「kW」を型式のなかに数字で入れているメーカーが多いです。

例えばダイキン。
S22PTES-Wは、2.2kWです。

3-6. 木造で広めの部屋は、必ずエアコンをチェックを!

木造で広めの部屋の場合は必ずエアコンをチェックして下さい。

木造の部屋で、ちょっと広めの10帖+キッチン3帖なんていう場合は、2.2kWのエアコンだとちょっと心配です。
キッチンの仕切り戸が造りにもよりますが、2.8kWくらいは欲しいところです。

4. まとめ:自分のライフスタイルをよく考えて!

長くなりましたが、よい部屋探しをするための、基本の考え方は単純です。

良く考えてみて下さい。 不動産の分野に限りませんが、良い所・悪い所はそれぞれ金額に跳ね返ってくるのが、市場価格の原理です。
デメリットとすべて排除しようとすると、それなりの家賃になってきます。

今現在と将来を考え、どういう住まいが必要なのか、ということを第一に考えて欲しいと思います。
そのデメリットのために予算を上げる必要があるのか、本気で考えるべきです。
不動産屋の営業にマンは予算が上がると利益もあがるので、止めることはないと思います。 良いことしか言わない営業マンが多いです。
それは本当に必要なモノなのか。 
自分で、しっかり考えましょう。

ここで紹介したメリット・デメリットを自分のライフスタイルと照らして、より良い部屋探しにつながればと思います。