結論:大家さんが直接管理する物件は、費用が安めで修理の対応が早い傾向があります。ただし大家さんしだいで、良い点がそのまま悪い点にもなります。
なぜ重要か:誰が管理するかで、更新料や初期費用、故障時の連絡先と対応の速さが変わるからです。
次にすべきこと:
- 内見の前に担当者へ管理者を聞く
- 集合ポスト・廊下・ゴミ置き場を見る
暮らしっく不動産の門伝です。
大家さんが直接管理する物件(自主管理物件)のメリットは、余計な費用がかかりにくいことと、修理などの対応が早い傾向があることです。一方で、そのメリットは「良い大家さん」であることが前提です。大家さんによっては、同じ点がデメリットになってしまいます。
「大家さんが近くに住んでいるとめんどくさい?」「間に不動産屋が入っていたほうがいい?」など、いろいろ心配もあるかと思います。この記事では、自主管理物件と管理会社が入っている物件の違い、メリットとデメリット、良い大家さんの物件の見分け方を説明します。
自主管理物件と管理会社物件の違い
賃貸物件では、「誰が管理しているのか」をはっきりさせることになっています。毎日の生活を送る場所なので、緊急のときにはすぐに対応してもらわないといけないからです。
契約のときの書類には、「誰が所有しているのか」「誰が貸しているのか」「誰が管理するのか」を書くところがあります。
| 大家さんの直接管理(自主管理) | 管理会社が管理 | |
|---|---|---|
| 書類の管理者欄 | 大家さんの名前 | 管理会社(不動産屋)の名前 |
| 故障やトラブルの連絡先 | 大家さん | 管理会社 |
| 修理の流れ | 大家さんが直接手配することが多い | 管理会社から協力業者へ依頼し、大家さんにも確認することが多い |
書類のどこに書いてある?
一例として、通称「東京都ルール」と呼ばれる「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」を紹介します。

この赤枠の部分を見るとわかります。
- 「2. 専用部分の」:ここに、部屋を管理している人の名前が入ります。自主管理なら大家さんの名前、不動産屋などが管理しているなら不動産屋さんの名前です
- 「1. 共用部分の」:ここは部屋の外、廊下などを管理している人の名前です。ここで判断するわけではないので注意しましょう
ただし、この書類は契約のときまで見ることができません。契約前の書類の見方は重要事項説明書の記事も参考にしてください。
契約前に見分けるには
契約前に見分ける目安は、次の2つです。
- 建物の形・構造:変わった形の建物や木造アパートは、大家さんが自主管理していることが多いです
- 管理会社の看板があるか:建物の入口、ゴミ置き場、駐輪場のあたりに「管理会社 ◯◯不動産」という看板があれば、管理会社が入っています
これですべてがわかるわけではなく、あくまで一つの目安です。実際に自主管理か管理会社が入っているかを見極めるのは難しいです。
いちばん確実なのは、物件を見に行く前に担当者に聞くことです。不動産屋でも事前に調べないとわからない場合があるので、早めに聞いておくといいと思います。
大家さんの直接管理のメリット
ここからは、大家さんが直接管理する場合のメリットとデメリットをあげていきます。メリットは、良い大家さんであることが前提です。
1. 余計な費用がかかりにくい
間に不動産屋が入らないので、余計な費用がかからない傾向があります。
なかには「更新料を取らない」という物件もあります。この記事を書いた当時、賃貸の更新料は家賃の1ヶ月分が相場でした(地域によって違います。くわしくは更新料の記事へ)。
また、契約のときの初期費用なども必要最低限で、安いことが多いです。こうした点から見ても、お得感のある物件が多いです。
2. 修理などの対応が早い
修理などの対応が早い傾向があります。もちろん大家さんにもよりますが、ベテランの大家さんは対応が早いことが多いです。
不動産屋が管理している場合、修理を不動産屋が直接行うことは少なく、協力業者に依頼するのが一般的です。そのため、日程の調整や大家さんへの確認など、手順が増えます。こうしたこともあり、対応のスピード感が違ってきます。
もちろん、管理会社でも対応の早いところはあります。会社の規模や体制によって違うので、気になる方は担当者に聞いてみてください。
設備が故障したときにどこへ連絡するか、費用は誰が負担するかは、設備が故障したときの連絡先の記事でくわしく説明しています。
大家さんの直接管理のデメリット
良い大家さんであれば、デメリットは特にないと思います。
ただし、ここまでのメリットは良い大家さんの場合です。そうでない大家さんの場合は、すべてが反転してデメリットになってしまいます。たとえば、次のようなことが考えられます。
- 修理を頼んでも、なかなか対応してもらえない
- 大家さんが不在のときや夜間に、連絡がつきにくい
- 住み方について、細かく言われることがある
どれも大家さんしだいで、すべての自主管理物件にあてはまるわけではありません。夜間や休日の連絡先、困ったときの窓口は、契約の前に確かめておくと安心です。
管理がうまくいっていなかったアパートを引き継いで立て直した例は、生活保護受給者が入居するアパートの管理事例で紹介しています。
| 良い大家さんの場合 | そうでない大家さんの場合 | |
|---|---|---|
| 費用 | 更新料なし・初期費用が安めなど、お得なことが多い | 費用のルールがあいまいなことも |
| 修理の対応 | 直接頼めるので早い | 間に入る人がいないので、進まないことも |
| 距離の近さ | 相談しやすい | 気をつかう、干渉が気になる |
では、どうすれば良い大家さんの物件を見つけられるのでしょうか。
良い大家さんの物件の見分け方
集合ポスト、廊下、ゴミ置き場がきれいかどうかをチェックしましょう。
賃貸住宅では、入居者は「お客様」です。そのお客様を大事に思っているかどうかが、判断のポイントになります。わかりやすいのは次の3つです。
- 集合ポスト:チラシがあふれていないか。張り紙がある場合は、その文章や内容も見てみましょう。そのマンションやアパートの日常がわかる手がかりになります
- 廊下:私物が置きっぱなしになっていないか、汚れていないか
- ゴミ置き場:ゴミの日を確かめてからチェックしましょう。収集日のすぐあとなのにゴミが散らかっている場合は、あまり良くないと思います
ここを見れば、その物件を大事にしているか、入居者を大事にしているかが、なんとなくわかります。ゴミの収集日は、自治体のホームページなどで簡単に調べられます。
部屋の外で見ておきたいポイントは、内見で部屋以外に見るべきポイントの記事にもまとめています。
さいごに
良い物件というのは、部屋の中身だけではありません。管理の状況やトラブルのときの対応など、すべて含めて考えるべきだと思います。
良い大家さん、良い物件でも、間に入る不動産屋しだいで住み心地が悪くなることもあります。いろいろな角度から見てチェックして、良い物件を探しましょう。
