結論:2015年12月の調査では、駒込でも高田馬場でも坂の上の1R・1Kのほうが家賃が高めでした。本駒込6丁目と中里2丁目の差は月1.5万円です。

なぜ重要か:坂の上か下かで、家賃も買い物などの生活圏も変わります。

次にすべきこと:

  • 地形図で候補の街の高低差を見る
  • 駅から物件まで実際に歩いてみる

こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

坂の上と下の物件は、家賃も、ふだんの生活圏も違います。2015年12月に調べたデータでは、同じ駅の近くでも、坂の上のエリアのほうが1R・1Kの平均家賃が高めでした。この記事では、高低差の調べ方と、駒込・高田馬場で坂の上と下の家賃を比べた結果を紹介します。

坂の上と下では暮らしが変わる

人それぞれですが、坂の多い街をまったく気にしない人と、気にする人がいます。ぼくは、できれば避けたい派です。

以前、坂の下の街に住んでいたことがあります。物理的な距離は近いのに、坂の上に住む友人の家には行く機会がめっきり減りました。だんだん疎遠になっていくものです。友人がぼくの家に来るかというと、「帰りがねぇ、大変だからねぇ」と言われる始末でした。

買い物も、わざわざ坂の上の街には行きません。下町だったので、坂の下の商店街で済ませていました。

距離は近くても、過ごす文化は別。これが経験から言えることです。坂の上り下りを気にしない人なら、まったく問題ないのですが。

坂を気にするかどうかは、次のような点で考えてみてください。

  • 駅から部屋までの道に、上り坂があるか
  • 自転車で通勤・通学や買い物をするか
  • 重い荷物を持って歩くことが多いか
  • よく行くお店や友人の家が、坂の上と下のどちらにあるか

高低差を調べる方法

「高低差なんて地元の人しかわからない」という声も多そうなので、調べ方を紹介します。

国の地形図(デジタル標高地形図)で見る

出典:国土地理院ホームページ(1:25,000デジタル標高地形図「東京都区部」。平成18年3月 国土地理院作成 国土地理院技術資料 D・1-No.455)。画面キャプチャーとして使用。

この地図の高解像度の画像を見ると、おおよその地形がわかります。凡例にもあるとおり、赤色に近づくほど標高が高いところです。

出典:国土地理院ホームページ(1:25,000デジタル標高地形図「東京都区部」。平成18年3月 国土地理院作成 国土地理院技術資料 D・1-No.455)。拡大画面キャプチャーとして使用。

目の錯覚で、黄色より緑のほうが高く見えますが、緑のほうが標高は低いです。

地図ソフトに地形データを重ねて見る

パソコンの操作に慣れている人向けですが、立体的に見られる地図ソフトに、地形を色分けしたデータを重ねると、さらに細かく高低差を見ることができます。ふだん地図アプリしか使わない方向けにいうと、いつもの地図に高低差が映し出されるようなイメージです。

これは駒込あたりの地形図です。JR駒込駅には坂の上の出口と坂の下の出口があるのですが、この地図でも、ちょうど真ん中のところで地形がわかれているのがわかるかと思います。濃い緑の部分が谷になっているところです。下のほうにある湖のようなところは、六義園の池です。

なお、使えるソフトやデータは時期によって変わることがあります。今の地図サイトの中にも、標高や地形を表示できるものがあるので、使いやすいものを探してみてください。

住んでいる場所が台地か谷かを立体的に見る方法は、国土地理院のアナグリフ地図とは?で紹介しています。

駒込で坂の上と下の家賃を比べる

例に出した駒込駅の、坂の上と下で家賃を比べてみましょう。このあたりは、豊島区と北区と文京区が入り組んだ区境のエリアでもあります。

この写真は駒込駅のホームから撮影したものです。矢印の方向に坂が下っています。

比べたのは次の3つのエリアです。

  • 北区中里2丁目:駒込駅の下の出口から近い(坂の下)
  • 豊島区駒込3丁目:駒込駅の上の出口から近い(坂の上と下が混ざっている)
  • 文京区本駒込6丁目:高級エリアとして知られる(完全な坂の上)

条件はどれも、1R・1K、風呂・トイレが一緒のものと別のものの両方を含む、としました。間取りの違いは1Rと1Kの違いの記事をどうぞ。

駒込エリアの平均相場(2015年12月時点)

項目 北区中里2丁目(坂の下) 豊島区駒込3丁目(上と下が混在) 文京区本駒込6丁目(坂の上)
物件数(募集があったもの) 61件 116件 88件
賃料(管理費・共益費込み)の平均 7.2万円 7.4万円 8.7万円
専有面積の平均 22.26㎡ 22.23㎡ 23.61㎡
築年数の平均 25.12年 19.65年 15.45年
駅からの距離(徒歩)の平均 2.59分 3.63分 6.53分

中里2丁目と駒込3丁目では、平均築年数も関係していると思われるので、坂の要素だけとは言い切れません。それでも、平均家賃が2,000円ほど上がりました。しかも、駅からの分数は長くなっているのにです。

月2,000円の差でも、2年間借りると2,000円×24ヶ月=48,000円です。これはちょっと大きいですね。旅行のセールなら、海外に行けてしまうくらいの金額です。

中里2丁目と本駒込6丁目では、1.5万円も差が出ました。15,000円×24ヶ月=36万円です。これなら、ヨーロッパ旅行にも行けそうです。

高田馬場で坂の上と下の家賃を比べる

暮らしっく不動産は高田馬場にあるので、高田馬場の坂の上と下の物件も見てみましょう。

  • 高田馬場三丁目:坂の中腹から坂の下
  • 高田馬場四丁目:坂の上

先ほどの、地図ソフトに地形データを重ねる方法で地形を見てみます。

神田川近くの緑の部分が高田馬場三丁目です。対して、高田馬場四丁目は坂の上ですね。条件は駒込と同じく、1R・1K、風呂・トイレが一緒のものと別のものの両方を含みます。

高田馬場エリアの平均相場(2015年12月時点)

項目 新宿区高田馬場三丁目(坂の下) 新宿区高田馬場四丁目(坂の上)
物件数(募集があったもの) 577件 493件
賃料(管理費・共益費込み)の平均 7.6万円 8.2万円
専有面積の平均 20.50㎡ 22.20㎡
築年数の平均 17.94年 16.44年
駅からの距離(徒歩)の平均 7.32分 6.98分

こちらは、もっとはっきりした差が出ました。差額は6,000円。6,000円×24ヶ月=144,000円です。こちらも、ヨーロッパに行けてしまう金額です。

なお、どちらの比較も2015年12月時点で募集があった物件の平均です。今の家賃とは違うので、最新の相場は2026年の東京の家賃相場の記事で確かめてください。

坂の上と下、どう選ぶ?

坂の下だからといって、悪いわけではありません。坂の下には、下町の雰囲気を残す商店街ができていることも多く、生活には困りません。坂が気にならない人にとっては、むしろお得です。

  坂の上 坂の下
家賃(今回の比較) 高め 安め
暮らし 帰り道に上り坂がある場合も 商店街があることが多く、買い物に便利
向いている人 家賃より環境やエリアを重視する人 坂が気にならず、家賃を抑えたい人

わざわざ高い家賃を払ってまで坂の上に住む理由があるのか、一度、自分の住まい方を考えてみましょう。坂の下は、川の近くや谷になっている場所も多いので、気になる方は自治体のハザードマップもあわせて見ておくと安心です。

地図やネットで住む場所を調べる方法は、住む場所を決めるときに役立つ調べ方でも紹介しています。

今回は、少しマニアックな切り口で家賃を比べてみました。部屋探しの参考になればうれしいです。