こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

暮らしっく不動産があるのは高田馬場の住宅街なのですが店番などをしていますと、けっこうな確率で営業の人が色々なものを売りにきたりします。コーヒーだったりお茶だったりプリンターだったりもしますが、少し変わったものであればJリーグチケット、株、証券を売りに来る営業マンも過去にきたらしいです。

以前に何回かここのコラムでも書きましたが、ぼくは昔、戸建の営業をしていた時期もあったのですが、食品のように毎日売れるわけではありませんので、色々と試行錯誤をこらさないといけませんでした。
営業の人ならよくわかるかと思うのですが、お客さんに「買ってください」って言ってもダメなんですよね。
「この商品を使うと、お客さんの生活がこういう風に良くなりますよ!」とその商品を使った時のイメージが沸いてもらうのが重要なのです。戸建住宅でいえば、住まい方が変わるイメージを持ってもらうのが大切なのです。

暮らしっく不動産にも色々な営業マンの方(特に新人)がこられるのですが、色々なタイプがいます。その度に、上司からこのエリア回ってこい!って言われたんだろうな。かわいそうに。。。と思うわけです。もちろん可哀想だからと同情して買ったりはしませんが。。。

いろんな営業の人

1.とにかくキャピキャピ若さアピール営業


おそらく会社で1番かわいいであろう美人営業がやってきて「新人です。」とたどたどしく会社で一生懸命練習してきたであろうマニュアルやRPG(ロールプレイングというシミュレーション)通りに営業しにくるパターンです。セリフを噛んでしまったり、緊張してうまくできなかったりするのも込みで、おじさんあたりが「頑張ってるみたいだから契約してあげよう」なんていうのを狙っていたりします。

2.ハキハキ体育会系営業


行動力と情熱が売りの営業です。特徴としてはとにかく声が大きいです。飛び込み営業するのも特に苦ではなくお客様とお話しする時間をとろうと必死です。ちなみにぼくはこのタイプがあまり得意ではありません。爽やかすぎて怖い。。。どこまでこの人は本音で話しているんだろう。と色々と考えてしまうのです。
彼らは会話に困るとスポーツの話をしますが、ぼくはスポーツをやらないので雑談でスポーツの話をふられても全然わからないのです。


3.知性派営業


新人の頃は商品知識もあまりないので、人としてのキャラクターで勝負するしかないのですが、勉強熱心な人は知性派になる人もいます。商品の細かい数値を覚えていたりして、お客さんが理系の人でそういうところを気にする人だと意気投合します。わりと合理的な考え方をするので無駄な雑談とかは一切しません。

4.雑学営業


地元のネタから鉄道からテレビの内容から最新の映画から歴史までなんでも幅広く会話ができるタイプです。
おっさんくさいといえばそれまでですが、幅広く雑談もできるのですが浅く広くなため細かい数値は覚えていません。
理系的なお客さんだと雑談よりもきちんとしたデータが欲しいのであまり仲良くはなりません。
わりとぼくはこのタイプの営業マンでした。

近江商人の話

伊藤忠商事をはじめ、ぼくのいた会社でも新人研修で見たビデオがあります。近江商人のビデオです。
おぼろげな記憶だったのでインターネットで検索してみました。

『てんびんの詩』(梅津明治郎監督、一九八八年)

近江商人は天秤棒を担いで全国を行商していたことで有名です。
そんな近江商人の息子が小学校を卒業する年齢になりました。
近江商人の子どもたちは近江八幡商業学校に行くことになっていて、
子ども同士で「おまえ、どこ行くねん」「八商行こうと思うねん」「ぼくも八商や」とか会話するわけです。

その中の一人がある日学校から帰ると、父親から「おまえは明日から鍋蓋を売ってこい」と命じられます。
木でできた丸い鍋の蓋です。
それを天秤棒に載せて売ってこい、売ることができたら八幡商業へ行かせてやると言うのです。

少年は翌日から鍋蓋を天秤棒で売りにでるのですが、子どものことですから最初は親戚や知人に頼ります。
ところがそこでは「あかん。そんなことしたら大将に怒られる。
あんた、自分で売りなさい」と叱られてしまう。
と言っても、そうそう売れるものではなくて、彼は途方に暮れてしまいます。

そんなとき、ある家で鍋蓋を庭先に干してあるのを見つけます。
これを壊してしまえば新しいものを買ってもらえると考えた彼は、その鍋蓋を壊そうとします。
ところがそれを見つかって家の人に追い回される羽目になったりします。

どうにもならなくなった彼は、中学進学を半ば諦めながら川べりに停んでいました。
するとそこに、古い鍋蓋が捨ててあることに気づきます。
手にとってみた彼は「これはまだ使えるんじゃないか」と、その鍋蓋を磨きはじめました。
そこに通りがかったひとりのおばちゃんが、少年になにをしているのか尋ねます。
「私は鍋蓋を売って歩いているんですが、全然売れへんのです。ふと見たら、
ここにこの鍋蓋が捨ててあって、これを売った人もえらく苦労したんやろなとおもたら、鍋蓋が愛しく思えて」
それを聞いたおばちゃんが、「よし、あんたの鍋蓋、ひとつ買うたるわ」と、そこではじめて鍋蓋が売れました。

家に帰ると、父親が彼の担いでいた天秤棒に名前と日付を書き込みます。
それを奥の座敷に持っていくと、同じような天秤棒がずらりと並んでいて、
そこには父親自身の名前やその父親、そのまた父親と、代々の当主の名前が書かれていました。
「うちはおまえの年になると、みんな天秤棒を担いではじめての商いに行ったんや。よう売ってきたな、八商に行ってええぞ」

出典:yahoo知恵袋 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1217656337

公式HP http://tenbinnouta.ciao.jp/tenbin1.html

モノを売るということがどういうことなのかという本質をついた映画です。
よくできてるし全部見ようと思ったらすごく長い時間がかかる作品です。
が、これからの時代に必要かどうか?と問われると少し疑問がわきます。

欲しいモノは自分で調べて比較して買う

高齢者や実物のモノがない地方ならこのやり方はまだまだニーズがありますが、都心部においてこのやりかたは厳しいのではないかと思うのです。なぜなら最近の人は自分でインターネットで比較してネット上で決済して買ってしまうからなのです。そこには情熱も若さもキャラクターもありません。そこにあるのは商品としての価値です。
例えば価格.comここでは世の中の商品の最安値を知ることができます。

価格.com

そして今の時代、いいものはあっというまにネットで拡散されてお問い合わせがきます。


人が売りにくる商品は"商品価値+売り手のキャラクター"になるので商品そのものの本質がぼやけてしまいます。
そもそも株なんて売りにこられて「儲かりますよ!」なんて言われても、「じゃー、自分でやればいいじゃん」と言いたくなりませんか?売れないからやるんですよね。「いいものなので広めたいんですよ」なわけがない。あくまでもそれはセールストーク。

今後10年でなくなるといわれている仕事

先日、オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が今後10年でなくなる仕事を予測し発表していましたね。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40925


PCの発達にとどまらず、ウェアラブル端末(身につけるタイプの小さなパソコンのようなもの)の発達を見越しての未来だと思いますがたくさんの仕事がコンピュータ化されるという予測です。
PCやロボット産業の発達はめざましいので、より高齢者や地方のほうでももっと簡単に比較して買えるシステムが確立されるかもしれません。
直接営業に行く経費よりもインターネツトに広告を出したほうが儲かるとなれば営業の人材がいらなくなります。
そんな時代がもう、すぐそこまで来ているのかもしれません。

モノを知らない人が売る時代

インターネット化されればいいような話を書きましたが、逆にいうとシステムさえ確立されてしまえば、そのモノの本質を知らない人が売るということもできます。
これは非常に危険なことです。効率化がだけが優先され、モノに対する愛情もないまま売られていくことになります。
職人の腕を必要とするような手工芸品に対する手間暇や生産者の声がエンドユーザーから見えにくいというおそれもあります。「月間10個しか生産できないものを質を落としてもいいから100個作って」なんてモノを知らない人に職人さんが言われたら、多くの場合怒られてしまうでしょう。
そういうジャンルはしっかりと残していくべきだと思います。

そうしないと守られない文化があります。

賃貸住宅

暮らしっく不動産では押し売りをしない。というスタンスがぼくにも門伝にもあります。
アドバイスやおすすめはするけど、あくまでも住むのはお客様。その人の住まい方や捻出できる費用を考えて現実的で住まいやすい物件を紹介するようにしています。
不動産屋の現実や裏話もここのコラムやご来店いただいたお客様には積極的にお話しするようにもしています。
おとり物件を掲載している業者も多いこの業界ですが、ここは一切ありません。
なるべくスマートに最適な家を見つける。これが暮らしっく不動産のモットーです。
なので、駅近くに事務所はないですし、窓一面に物件をベタベタ何ヶ月も貼るようなこともしません。

というわけで最後は暮らしっく不動産の宣伝になってしまいましたが、家探しでお困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声掛けください。ご来店しなくても、メールやお問い合わせフォームからでも可能です。

それでは!