結論:内見で部屋が汚いのは、クリーニング前だからということがよくあります。ふつうは入居までに業者のクリーニングが入ります。
ここが大事:汚れは落ちても、傷や設備の不具合は掃除では直りません。そこを見落とさないことが大切です。
まずはここから!
- クリーニングと補修の予定をメールで確かめる
- 入居日、荷物を入れる前に写真を撮る
こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
内見に行ったら部屋が思ったより汚くて、驚いたことはありませんか。
じつは、内見の時点でクリーニング前ということはよくあります。前の入居者が退去したあと、次の人が入るまでに業者がクリーニングをするのが普通です。汚れているからといって、そのままの状態で引き渡されるとは限りません。
私はお客様と東京23区内のいろいろな部屋に内見に行きます。業者のクリーニングが終わってしばらく空いている部屋もあれば、「昨日退去したばかりで、クリーニングはまだです」という部屋もあります。
この記事では、クリーニング前の部屋がどんな状態なのかを写真でお見せします。あわせて、クリーニング前の内見で見るべき所と、入居前の確認の仕方も説明します。
目次
クリーニング前の内見で見てよい所・見えない所
先に答えをまとめておきます。
| 内容 | |
|---|---|
| 見てよい所(クリーニング前でもわかる) | 広さ・間取り、日当たりや眺め、収納の大きさ、床や壁の傷、ドアや窓の開け閉め、設備の有無、水回りの傷み、におい、周りの音 |
| 見えない所(クリーニング後でないとわからない) | 掃除したあとの仕上がり、汚れが落ちるかどうか、補修や交換をしたあとの状態、残置物が片付いたあとの様子 |
つまり、クリーニング前の内見では「汚れ」は判断の材料にしすぎず、掃除では変わらない部分で部屋を選ぶのがコツです。見えない所は、担当者に予定を聞いて記録に残しておけば大丈夫です。
なぜクリーニング前でも内見できるのか
賃貸の物件は、退去が決まった時点で、わりと早いうちに「◯月退去予定」として不動産会社向けの物件サイトに募集が出されます。つまり、退去の前後から内見ができるようになります。
そのため、管理会社もクリーニングが終わっていなくても内見をさせてくれます。人気のある部屋ほど、クリーニングを待たずに次の人が決まることもあります。
クリーニングが終わってから探そうとすると、良い部屋は先に決まってしまうかもしれません。汚れている部屋を見ても、「クリーニング前の状態」と考えて落ち着いて見ることが大切です。
クリーニング前の部屋はこんな状態です
実際に内見で見た、クリーニング前の部屋の写真です。

場所は忘れましたが、ある物件に内見に行ったときに残っていたものです。
前の入居者が残していったものを、不動産会社では「残置物(ざんちぶつ)」と呼びます。よくあるのはエアコンやガスコンロです。「捨てるのはもったいないので、次の入居者がよければ使ってください」というものです。ただし物件の持ち物ではないので、壊れても大家さんや管理会社は修理代や処分代を出さないのが一般的です。残置物があるときは、扱いを担当者に確認しておきましょう。
ところがこの写真は、残置物というよりゴミです。洗い桶の中にS字フックや布団ばさみなどが入っています。洗濯機の防水パンもかなり汚れていました。前の日に退去した人の部屋だったと記憶しています。

ひどくひび割れたガラスです。もう割れていると言ってよい状態でした。

墨でも流したのかと思うほど黒ずんだお風呂と洗面台です。

掃除をしていない部屋です。ホコリがたくさんたまっていました。

私はもともと部屋のクリーニングの仕事をしていたので、汚れ方を見ると、どんな暮らし方をしていたのか大体わかります。タバコのヤニ汚れ、キッチンの汚れ方、ホコリのたまり方、よくわからない残置物などです。
こうした部屋も、退去のあとにリフォームやクリーニングをしてから次の入居者に引き渡されます。プロのクリーニングでどんな作業をするのかは、ハウスクリーニングの裏側の記事で写真付きで紹介しています。
掃除されている部屋との違い

これは、クリーニング業者が入る前のキッチンです。前の入居者がとてもきれいに使い、ひととおり掃除もしてから退去されたのだと思います。業者が入る前でも、とてもきれいでした。

こちらは築8年(撮影当時)で、プロのクリーニングが済んだ物件です。
汚すぎて写真は控えますが、料理や掃除が苦手な人が住んでいたと思われる部屋のキッチンはすごいことになっています。吹きこぼれをそのままにして焦げ、それが重なって地層のようになっていることもあります。反対に、まったく料理をしなかったと思われる人のキッチンは物置になりがちで、油汚れや焦げよりもホコリが多かったりします。
同じ「クリーニング前」でも、前の入居者の使い方で状態はかなり違います。
クリーニング前の内見で見るべき所
クリーニング前の内見では、汚れそのものより、クリーニングでは直らないものを見ることが大切です。汚れは掃除で落ちることが多いですが、傷や設備の不具合は掃除では直りません。
| 見る所 | 確認すること |
|---|---|
| 床・壁・建具 | へこみ、えぐれた傷、はがれ、ドアや窓の開け閉め、割れたガラス |
| 水回り | お風呂・洗面・キッチンの黒ずみが汚れなのか、素材の傷みなのか。水漏れのあと、排水口のにおい |
| 設備 | エアコン・給湯器・コンロ・換気扇が動くか。それが物件の設備か残置物か |
| におい | タバコやペットのにおい、カビのにおい。換気しても残るか |
| 洗濯機置き場 | 防水パンの割れ、排水口の位置、蛇口の位置 |
判断に迷うときは、その場で担当者に「これはクリーニングで落ちますか」「交換や補修の予定はありますか」と聞いてみましょう。気になる所は、内見のときにスマートフォンで写真を撮っておくと、あとで比べるときにも役立ちます。
洗濯機置き場の排水まわりについては、洗濯機のエルボの記事も参考にしてください。
「入居前にクリーニングしますか」と確認する
クリーニング前の部屋を気に入ったら、申し込む前に担当者に確認しておくと安心です。聞き方の例です。
- 「入居までにハウスクリーニングは入りますか」
- 「割れているガラスや傷んでいる所は、入居前に直してもらえますか」
- 「残っているエアコン(コンロ)は設備ですか、残置物ですか」
- 「クリーニングが終わったあとに、もう一度見ることはできますか」
クリーニングをするのか、どこまで直すのかは、物件や管理会社によって違います。口頭だけでなく、メールなど記録に残る形で返事をもらっておくと、あとで「言った・言わない」になりにくくなります。
頼み方は「場所・状態・写真」をそろえて
直してほしい所があるときは、「ここが汚いので何とかしてください」より、具体的に伝えるほうが話が早く進みます。
- 場所:「洗面台の鏡の下」「北側の部屋の窓ガラス」など
- 状態:「ひびが入っている」「黒ずみがある」など
- 写真:内見で撮った写真をメールに添える
- 聞きたいこと:「入居までに直りますか」「直らない場合、入居時からある傷として記録してもらえますか」
申し込みの前後は話が進むのが早いので、気になる所は申し込みと同じタイミングで伝えておくのがおすすめです。
クリーニング代の扱いも物件によって違います。初期費用の見積もりに「クリーニング代」などの項目があるときは、何の費用なのかを担当者に確認しましょう。初期費用の見方は初期費用の記事で説明しています。
クリーニング後なのに汚いときはどうする?
「クリーニング済み」の部屋を内見したのに汚れが気になる、ということもあります。その場合は、まず担当者に「クリーニングは終わっていますか」「追加で掃除や補修をする予定はありますか」と聞いてみましょう。古い部屋では、黒ずみや色あせが汚れではなく、素材の傷みのこともあります。その場合は掃除では落ちません。
クリーニングが入ったはずなのに、入居してみたら汚れや傷が残っていた、ということもあります。その場合は、次の順番で対応しましょう。
- 荷物を運び込む前に、部屋全体と気になる所の写真を撮る(日付がわかるように残す)
- 汚れ・傷の場所と状態をメモにまとめる
- なるべく早く管理会社(または仲介した不動産会社)に連絡し、写真を送る
- どう対応してもらえるか、返事を記録に残しておく
入居したときからあった傷や汚れを記録しておくことは、退去のときにも役立ちます。自分がつけたものではないと説明しやすくなるからです。退去費用の考え方は退去費用の記事を参考にしてください。
入居日に確認すること
鍵を受け取ったら、荷物を運び込む前に部屋をひととおり見ておきましょう。家具を置くと、床や壁の傷が見えなくなるからです。
- 床・壁・天井:傷、へこみ、シミ、はがれ
- 水回り:お風呂・洗面・キッチン・トイレの汚れ、水を流したときの水漏れやにおい
- 設備:エアコン、給湯器、換気扇、照明、インターホンが動くか
- 建具:ドア、窓、網戸、収納の扉の開け閉め、鍵のかかり方
- 内見のときに頼んだ所:約束どおり掃除や補修がされているか
気になる所は、部屋全体がわかる写真と、近くで撮った写真の両方を残しておくと安心です。
退去するときは最低限の掃除を
ここからは、不動産屋としてのお願いです。
退去したあとはクリーニングが入るとはいえ、あまりに汚いままというのは、ちょっと恥ずかしいものです。掃除機をかける、ゴミは捨てておく、くらいの最低限の掃除はしておいたほうがいいと思います。
次に内見に来る人の印象にも関わります。せめて最低限の掃除はお願いしたいなと思っています。
よくある質問
クリーニング前の部屋を見て申し込んでも大丈夫ですか?
大丈夫です。人気の部屋はクリーニングを待たずに決まることも多いです。そのかわり、クリーニングや補修の予定を担当者に確かめ、返事をメールなど記録に残る形でもらっておきましょう。
クリーニングが終わったあとに、もう一度内見できますか?
物件や管理会社によって違うので、担当者に聞いてみてください。難しい場合でも、入居日に荷物を入れる前に部屋を確認して、気になる所を写真で残しておけば対応しやすくなります。
入居してからクリーニングが不十分だと気づいたら?
なるべく早く、写真をつけて管理会社に連絡しましょう。入居してから時間がたつと、自分で汚したのか元からなのかがわかりにくくなります。返事も記録に残しておくと安心です。
エアコンの中まで掃除してもらえますか?
エアコンの内部の洗浄までするかどうかは、物件や管理会社によって違います。気になる方は、申し込みの前に「エアコンの内部の洗浄はしますか」と聞いてみてください。
部屋のにおいはクリーニングで消えますか?
換気や掃除で軽くなるにおいもありますが、タバコのにおいが壁紙にしみついている場合などは、掃除だけでは残ることもあります。におい対策をするのか、内見の時点で担当者に確かめておきましょう。
まとめ

これは、この記事を書いた日に内見に行った新築の物件の写真です。まだ誰も入居していないので、きれいですね。
新築でない限り、内見の部屋はクリーニング前ということもあります。汚れに驚かず、次のことを押さえておきましょう。
- 汚れより、傷・設備・におい・水回りの状態を見る
- 入居前にクリーニングや補修をするか、記録に残る形で確認する
- 入居日に写真を撮り、汚れや傷があればすぐに管理会社へ連絡する
それでは!
