結論:申し込み後にネット回線や引越しの勧誘が来るのは、申込書と一緒に書いた個人情報の同意書に「勧誘の電話をします」と書いてあることがあるからです。
なぜ重要か:一度渡った個人情報は、あとから止めるのが難しいです。
次にすべきこと:
- 同意書の「利用目的」「第三者への提供」を読んでからサインする
- 不要な勧誘ははっきり断る
こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
「賃貸の申し込みをしただけなのに、インターネットや引越しの勧誘が来た。どこから個人情報がもれているの?」
こんな経験をした方は多いようです。答えから言うと、申し込みのときにサインした書類に、「勧誘の連絡をします」「関連する会社に個人情報を渡します」と書いてある場合があります。知らないうちに、自分で同意していることがあるのです。
この記事では、実際の同意書の文面を見ながら、どこを読めばいいのか、勧誘が来たときにどうすればいいのかをお伝えします。
申込書には小さな文字で書いてあることがある
申込書や契約書の説明は文字ばかりなので、読む気が起きないかもしれません。ですが、大事なことは小さな文字でしっかり書いてあります。
これは、申込書と一緒に書くことが多い「個人情報の同意書」です。担当者から「最近は個人情報の扱いにうるさいので、こちらも書いてください」と言われて書くことが多いと思います。
「ああ、個人情報を第三者にもらしません、というやつね」と思いこんでサインすると、実は書いてある内容がまったく逆ということがあるのです。
上の写真の、赤線を引いた部分をよく見てください。
「インターネット設備をご案内するために、案内の窓口から契約者へお電話します」という内容が書いてあります。つまり、勧誘の電話をします、ということです。思いこんでいた内容と真逆のことが書いてあるわけです。
同意書の「個人情報の取り扱い」を読んでみる
せっかくなので、本文もよく読んでみます。
この同意書には、おおむね次のようなことが書かれていました。
個人情報の利用目的
- お客様に役立つと思われる情報・サービスを、郵便・電話・メールなどで案内する(営業活動・マーケティング活動)
- 顧客の動向の分析や、商品開発などの調査
- 本人から申し出があれば、情報やサービスの案内はやめる
個人情報を渡す相手(第三者への提供)
名前と住所を、書面・郵便・電話・インターネット・メール・広告などの方法で、次のような相手に渡すと書かれていました。本人から申し出があれば、提供は止めるとも書かれています。
- 契約の相手方や、その見込みのある人
- ほかの不動産会社
- インターネット広告などの広告の掲載業者
- 指定流通機構(不動産会社どうしの物件データベースの運営先)
- 不動産管理・内装リフォームなどの関連会社
- 入居者の信用を確かめるための信用情報機関(必要な場合)
- インターネットを開設するときのインターネット事業者
- 建物が売買されたときの買主・新しい所有者
要するに、こういうこと
丁寧な言葉で長く書いてありますが、まとめるとこうなります。
- いただいた個人情報を使って、お客様に役立つと思ったものを電話・郵便・メールで案内します
- そのために、関連する会社に個人情報を渡します
- でも、本人から申し出があれば止めます
「会社として、個人情報をむやみに第三者に渡しません」という書類だと思ってサインしたら、実は逆のことが書いてあった。そういうことがあるのです。
会社側とお客さん側の考えのずれ
会社側からすれば、お客様はちゃんと同意書にサインしているので、何も悪いことはしていない、きちんと読まないほうが悪い、という理屈になります。それも事実ではあります。
一方、お客さんからすれば、まさかそんなことはしないだろうと思ってサインしたのに、実際は逆だった。やり方がきたない、と感じてしまいますね。
大きな文字で「インターネットの勧誘をします!サインしてください!」と書いてあれば、誰もサインしないでしょう。それでは商売にならないので、苦肉の策ともいえます。
携帯電話の料金プランがわかりにくく、大事なことが小さく書いてあると話題になった時期がありましたが、不動産業界も同じです。夢のない話や現実的な話は、小さく書いてあるものなのです。
大事なのは、内容をきちんと読むこと
会社側の考えとお客さんの思いこみのずれは、こういうところから生まれます。サインする前に、次の点を確かめましょう。
- 「利用目的」に、営業・勧誘・マーケティングといった言葉がないか
- 「第三者への提供」に、インターネット事業者や関連会社などが入っていないか
- 「申し出があれば止める」と書いてあるか、どこに申し出ればいいか
おかしいなと思ったら、その場で担当者に聞いてください。勧誘の連絡がいらない場合は、そのことを担当者に伝えておくのもひとつの方法です。どこまで対応してもらえるかは、不動産会社や管理会社によって違うので確認してください。
申し込みの流れや、審査で使われる情報については賃貸の申込みと入居審査の記事と入居審査で聞かれることの記事にまとめています。
勧誘の電話が来たときの断り方
すでに勧誘の電話が来ている場合は、次のように対応するとよいでしょう。
- いらないなら、はっきり断る:「契約するつもりはありません」と短く伝えます。あいまいな返事をすると、何度もかかってくることがあります
- どこで連絡先を知ったのかを聞く:どの書類・どの会社から情報が渡ったのかがわかれば、申し出る先もわかります
- 今後の連絡をやめるよう申し出る:同意書に「申し出があれば止める」と書いてあれば、そのとおり伝えます。サインした不動産会社にも、勧誘を止めたいと伝えましょう
- その場で契約しない:電話で急かされても、内容や料金を自分で確かめてから決めます
ただし、あとで書くように、申し出ても止まらないこともあります。いちばん確実なのは、サインする前に内容を読むことです。
インターネットは自分で申し込んだほうがお得なことが多い
以前にも門伝が記事にしていますが、インターネット回線は、自分で申し込んだほうが特典やキャッシュバックが大きいことが多いです。
実際、ぼくもこの方法で申し込みました。家電をそろえる必要があったので、比較サイト経由で申し込み、家電のひとつ(DVDレコーダー)を1円で手に入れました。キャッシュバックの特典で考えると、3.5万円ほどでしょうか(2016年当時)。
物件によっては、建物のつくりの関係で使える回線が決まっていることもあります。ケーブルテレビ(CATV)経由という方法もあります。どの回線が使えるかは物件によって違うので、管理会社や不動産会社に確認したうえで、自分に合う会社を選びましょう。
「メンテナンス」という名の訪問営業
もうひとつ体験談です。ネットの契約も終わった引越し直後のころ、地元のケーブルテレビ会社からお知らせが入っていました。
「設備機器の点検(定期メンテナンス)のため、部屋に入らせてください。希望の時間をアンケートに書いて、設置してあるポストへ」という内容です。
最初は「へえ、そんなことをやるんだ。メンテナンスなら仕方ないね」と家に入ってもらいました。ところが、メンテナンスは3分で終わり、残りの20分はひたすら勧誘でした。
なかなか帰ってくれないので、しびれを切らして、こちらから説明しました。
- 2年以内に解約すると違約金がかかること
- その違約金は、キャッシュバックの金額くらいでは取り戻せないこと
- 特典でもらえるルーターなどは性能が低くて、使いものにならないこと
すると、らちがあかないと思ったのか帰ってくれました。あれは、メンテナンスという名の訪問営業だったなと思います。
それ以来、そのアンケートは書いていませんが、今のところ一度も問題はありません。「点検」「メンテナンス」というお知らせが来たら、本当に必要な点検なのか、管理会社に確かめてからでも遅くありません。
さいごに
少しくらい特典がなくなっても、面倒なので全部まとめてやってほしいという方は、不動産屋さんに聞いてみるといいかもしれません。提携している業者からすぐに連絡が来ると思います。
少しでもお得にしたい方は、自分で調べていちばん合う業者を選びましょう。
「あれ?個人情報がもれてる?」と思ったら、もう一度書類を確認してみてください。知らないうちにサインしているかもしれません。
不動産屋で申し込みを急かされたときの考え方は、「とりあえず申し込み」の記事も参考にしてください。
後日談(2016年3月26日 追記)
同意書には「本人から申し出があれば情報の提供を止める」と書いてありましたが、実際には止まりませんでした。
ふつうに考えて、一度外に出てしまった個人情報を止めるのは難しいものです。こういうことがあるから、不動産屋の印象が悪くなってしまうのだと思います。申し込みの書類にサインするときは、じゅうぶん気をつけてください。
