こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
暮らしっく不動産では東京のみならず、地方から初めて東京に出てくる上京組の方々からお部屋探しのリクエストを多くいただくのも特徴の一つです。
様々な地域の方々からご相談を受け、お部屋のマッチングを行って来ましたが、皆様からよくいただく質問や疑問、上京時の部屋探しのポイントをまとめてみました。
これから上京される方は必見です。
目次
- 1.上京の目的を明確に
- 2.どのような生活がしたいか考えてみよう
- 3.家賃にいくら使えるか考えてみよう
- 4.必要な設備や必要な広さを考えてみよう
- 5.部屋探しのスケジュールをたてよう
- 6.不動産屋に行く前に
- 7.部屋探しのポイント
- 8.スケジュールと入居までのフロー
- 9.審査にとおったらやること
- 10.親御さんはどのようなスタンスでいるべきか
1.上京の目的を明確に
まずは上京する目的を明確にしておきましょう。
就職(新社会人・転職)によるものなのか、会社都合の転勤なのか進学なのか?それとも他の何かなのか。
コトを成し遂げるには目的を明確化することが大切です。
- 東京に行ってから仕事を考える(いわゆる無職の状態)
- 東京に行ったら何か自分が変えられるかも(荷物一つで東京で部屋探しはじめる状態)
上記のように目的が曖昧な状態で部屋探しをはじめると東京で暮らす理由が曖昧なので色々なものが定まりません。
そして無職なので借りられる部屋はほぼ皆無。
おそらくこの記事を読んでいただいている方は新社会人や転職によって東京勤務、進学による上京の方がほとんどだと思いますが念のために書いておきます。
"何をしたい・何をするために東京に来るのかを明確にする"のがポイントです。
2.どのような生活がしたいか考えてみよう
実際に東京での部屋探しをした時に、多くいただくリクエストとして、知っている駅の列挙というケースが少なからず散見されます。もちろんこれは東京の土地勘がないので致し方のないことなのですが、"知っている駅=住みやすい駅"とはかぎりません。遊びや出張で訪れる駅というのは繁華街・オフィス街がほとんどだと思うのですが、家賃相場は高く、スーパーもあまり無いということもかなりあります。
東京は"住む場所と遊ぶ街が別れている"と言えると思います。
街ごとに用途が違うとでもいえましょう。
オフィス街の例(駅ベース)
- 新橋
- 有楽町
- 西新宿
- 九段下
- 霞が関
- 神田
- 茅場町
- 品川
- 田町
- 浜松町
- etc
繁華街の例(駅ベース)
- 池袋
- 新宿
- 渋谷
- 上野
- 六本木
- etc
特にJR・私鉄・地下鉄と沢山の路線、沢山の駅がある東京23区では駅間も短く、徒歩10分以内に複数の駅があるケースがかなりあります。
都心部はほとんど徒歩10分以内!家賃は比例します
https://www.kurachic.jp/column/1326/
さて、ここで考えたいのが、自分が東京でどういう生活をしたいのか?ということです。
- 職場近くで通勤時間を最短に
- 友人と遊びたいので繁華街の近いところに
- オンとオフを切り替えたいので郊外の安定した環境で
- TVなどでよく紹介される憧れの街で
もちろん、本心は"全てのバランスがほどよくとれた街で住みたい"というところだとは思いますが、なかなかそうもいかないのが現実です。
事前に考えておきたいポイントの一つ。
初めての上京から二回目の引越しの際に、前述の街に住んだ方々の引越し理由を聞いてみると下記のような要素があります。
- 職場近くで通勤時間を最短に→スーパーや買い物の要素で不便だった
- 友人と遊びたいので繁華街の近いところに→夜中までパトカーの音や酔っぱらいがうるさかった
- オンとオフを切り替えたいので郊外の自然の多い環境で→通勤時間がきつい
- TVなどでよく紹介される憧れの街で→オシャレな店などが多く、スーパーの物価も高かった。コンビニに行くにもスウェットで歩けない。
気にならなければ何の問題もないのですが、こうなってくると本当にオフィス街や繁華街に住むのが幸せなのか微妙なところですね。
知っている駅に住むのではなく少しはずした駅を考えるのがポイントになってきます。
3.家賃にいくら使えるか考えてみよう
次に考えたいポイントは家賃です。
- 安ければ安いほうがいい
- 毎日インスタント食べて自炊するから無理してでもいいところに住みたい
と思っていても賃貸の質は家賃に比例する要素が大きいので、金額相応のスペックや利便性しかありませんし、後者の場合ですと入居審査の部分で審査承認がおりません。
ちなみに保証会社や大家さんの審査では年収の30%以内金額であれば審査承認が降りる確率が高いと言われています。
月収で考えた場合は額面24万円、手取り21万円だったら、24万円の30%で考えます。
24万円0.3=7.2万円
これが目安となる家賃です。
多くの上京組の方とお話させていただいている印象としては一人暮らしの多くの場合、30%の家賃でも設備や場所でいくらかの妥協をされているケースが多いように思います。(逆に東京23区で全部の要素を満たそうとするとプラス1万から2万円家賃を上げないと満たされない傾向にあります。)
4.必要な設備や必要な広さを考えてみよう
特に初めて一人暮らしをする人に気をつけてもらいたいポイントです。
"本当に必要な設備や本当に必要な広さ"を考えるというところ。
先程も書きましたが、全部の要望を満たそうとするとかなりの確率で予算オーバーをします。
実家や学校の寮等で与えられた空間で生活をしていた生活から色々なものを自分で考えて生活しなければいけません。
設備について
(例)実家にあって当たり前だったもの
- 独立洗面台
- 追い焚き
- 脱衣場
- 二口コンロや三口コンロ
これらは一人暮らしとしてはワンランク上の設備になってきます。
家賃を上昇させる要素の一つです。
前述の設備をどのように一人暮らしの先輩は切り抜けているのかというと、
- 独立洗面台→キッチンやユニットバスの洗面台、居室の机などを作業台として代用
- 追い焚き→お風呂に入るのは一人なので入る前にお湯をはる。一人暮らしだと湯船はあってもシャワーの比率がほとんど。
- 脱衣場→人がいる時にお風呂に入る機会は年間に何回あるか考えたらほとんどなかった。
- 二口コンロや三口コンロ→カセットコンロなど併用。案外一人暮らしだと料理をする時間も気力もなかった。
もちろんあったほうがいい設備にはなりますが、これらを入れることにより同一の予算の場合、通勤時間がプラス30分になるとしたらどう考えますか?ちょっとそれは無理!と思う方、けっこう多いように思います。
広さについて
初めての一人暮らしの場合、間取り図に書いてある平方メートルだとイメージがわかない人も多いです。
広い居室があったことに越したことはありませんが23区に住もうと思うとそんなに広い部屋を借りるためには古い物件にするか、かなり郊外まで行くか、家賃を上げるかしないと手に入らないのも事実。
本当に居室で必要な広さはどのぐらいの広さなのか考えておきましょう。
- ベッド
- 机
- TV台
- etc
広さの概念については下記記事を参照してください。
m²と畳と坪 広さの単位と部屋のサイズ
https://www.kurachic.jp/column/1001/
色々な感覚の方がいらっしゃるので一概にはいえないのですが、上京組の初めての一人暮らしのお客さんと話している感触ですと次のような感想をいただきます。
- 15から18平方メートルのワンルーム→住める
- 15から17平方メートルの1K(しかも柱の太い鉄筋コンクリート)→狭い(ベッド置いたら終わり)
この違いが何を意味しているかというと、1Kの場合、キッチンと居室をしきる壁があるので、その分、有効面積が減っているということ、壁などの圧迫感がある、RCなどの場合、柱が太いのでデッドスペースが多いというところになります。
このあたり、もう少し詳しくという方は下記の記事を参照してください。
木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの違い
https://www.kurachic.jp/column/994/
5.部屋探しのスケジュールをたてよう
日本のスケジュールで一番移動の多い時期が2月,3月。
不動産屋が忙しいのもこの時期です。
まず覚えておきたい予備知識を書いておきます。
- 賃料発生日は申込みから2週間から3週間(1ヶ月は待ってくれない物件がほとんど)
- 現在の入居者が退去するのは2月や3月(退去するまでは内見ができない)
- この時期はスケジュール強行で部屋探しをする人も多いので築浅物件は見ないで申し込む人多数
住まないけど家賃を払う?
住まないのに家賃は払いたくないし、そんな余裕もない。
というのはわかりますが多くの物件で、内見を行い申し込みを行うと2週間から3週間で賃料が発生してきます。
もちろん2/20から賃料が発生して3/10に実際は入居するというのも構わないのですが住まない約20日分の賃料を払うのか?というのはちょっと悩ましいところですね。
お金がある人はそれでもかまわないと思いますが、少しでも節約したい人は適切な時期に内見と申込みをするのがベターです。部屋探しは早すぎても遅すぎてもダメです。
現在の入居者が退去するのは2月・3月が多い
賃貸の普通借家契約は2年というのが多いのですが、多くの人が退去するのは2月末や3月。
あまり早く動きはじめると物件は気になるが内見ができない。という現象になります。
きちんと内見をして部屋を決めるというのであれば、退去が住んだ後の時期に照準をあわせるのがベターです。
実は穴場は4月だと個人的に思っています。(3月末に退去した物件が出て来るのは4月→繁忙期後のため)
内見せずに申し込みをするのはワンランク上の探し方
この時期になると、入居中なのに申し込みが入っている物件が多数出てきます。
その多くの物件の特徴は次のようなもの。
- リフォーム予定でスペックが上がる物件
- 築浅
- 駅近
- 設備充実
つまり、これらの物件は内見をせずに申し込みをしているということを意味しています。
広さの感覚も無い、土地勘もあまりない人にとってかなり難易度が高い部屋探しです。
今まで人が住んでいたのだから住めるだろう。という思い切りの良さが必要になってきますが、実際に住んでみたら聞いていた話と違う!とトラブルの元になりやすいのも事実です。
- 一見すると家賃が安そうに見えるが更新料が高い、必須項目が多い
- 図面と実際が異なっても図面の端に小さく書かれた"現況を優先とする"という文言のとおり、実際の仕様が優先される。
一部の不動産仲介業者の場合、あまりネガティブな情報は教えてくれません。
一刻も早く契約・成約をあげたいのでポジティブな情報しか出しません。
仮にそれで図面と違ったとしても"現況優先と書いてありますよね"の一言で終わってしまいます。
築浅、駅近、設備の良さだけで選んでしまうと悲しい思いをすることもありえますので、引越しに慣れた人にしかできない部屋探しといえます。
参考記事
間取り図面 見るべきところはどこ? "めやす賃料"という概念
https://www.kurachic.jp/column/1752/
6.不動産屋に行く前に準備しておきたいこと
物件探しをすることに夢中になると、いざ申し込み!という時に必要な情報が全くなく、申し込めない場合があります。
事前に調べておきましょう。
管理会社によってフォーマットは異なりますが、多くの物件で共通して聞かれるのは下記の要素。
契約者情報
- 名前
- 住所
- 生年月日
- お勤め先名前
- お勤め先住所
- お勤め先電話番号
- お勤め先資本金
- お勤め先従業員数
- 年収
連帯保証人様情報(緊急連絡先情報)
- 名前
- 住所
- 生年月日
- お勤め先名前
- お勤め先住所
- お勤め先電話番号
- お勤め先資本金
- お勤め先従業員数
- 年収
この中で契約者・連帯保証人様、どちらも一番大事な要素は"年収"の部分です。
申込書を提出すると管理会社・大家さん・保証会社は職業、年齢、年収などをもとにその人がコンスタントに家賃を払えるかどうかを審査します。年収の部分が未記入だと計算ができませんのでここはしっかりおさえておいてください。
特にこれから新入社員になるみなさん、見込み年収でかまいませんので、必ず情報を入れておきましょう。
大学生の場合は?
これから大学生になる皆さんの場合は、契約者になることが難しいことが多いです。
契約者=親御さん
入居者=大学生
連帯保証人=保証会社
となるケースが多いので、一人で東京に部屋探しに来る場合は、親御さんにしっかりと事情を話して事前に情報を聞いておいてください。けっこう、このタイミングで親の年収がわかるという方も多いです。
7.部屋探しのポイント
部屋探しは数字で見ていく部分と、直感的な部分の2つの要素がありますが、比較的うまくいく物件探しと失敗する物件探しの例を書いておきます。
うまくいく例
- 家賃相場の把握
- 妥協点の軸を明確にしている
- 設備や築年数ではなく、通勤時間や買い物や生活などの多方面からバランスを考えている
失敗する例
- フローリングの色や建具の色で探してしまう。
- 沢山内見をしたら一個ぐらい気に入るところが出てくるかも。と思っている。
- 設備や築年数にしか目がいっていない
うまくいく例と失敗する例を3つずつ書きましたが、うまくいくポイントとしては通勤・遊び・生活のバランスを考えたうえでの部屋探しということです。どうしてもこの設備、どうしてもこの色や形の設備、何がなんでも築浅となってしまうと賃料とのバランスが取れずに物件が見つからないというループに落ちがちです。
"木を見て森を見ず"ということわざがありますが、まさにその通りです。
【意味】木を見て森を見ずとは、物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うこと。
出典:故事ことわざ辞典 http://kotowaza-allguide.com/ki/kiwomitemoriwomizu.html
本来の目的である東京で仕事・進学をするというのが目的であるはずだったのに、あまりに築年数や設備にこだわってしまうと、全体を見失ってしまいがちです。どうしても独立洗面台をつけたいがためにかなり郊外まで行って通勤や通学に苦行を覚えてしまっては本末転倒です。
8.スケジュールと入居までのフロー
スケジュールと入居までのフローについても記載しておきます。
- 不動産屋へお問い合わせ
- 店頭やメールや電話にて条件のすり合わせ、内見
- 申し込み
- 審査→2,3営業日から1週間ほど
- 初期費用入金
- 契約
- 鍵渡し
- 入居
という段取りになります。無事に申し込めたら審査です。
ここの部分では少々やきもきしますが、おとなしくしているしかありません。
必要書類や必要な情報が揃っていれば2,3日、追加書類などがあればそのやりとりに時間がかかるため合計すると7営業日ぐらいかかる時もあります。
9.審査に通ったらやること
"審査に通る=その物件に住める権利が生まれる"ということを意味しますが、物件に住めることが決まる前にやることと、決まってからやることがあります。順番を間違えると物件探しに支障をきたす場合もあるので要注意です。
物件を決める前にやっておくこと
- 必要書類の準備(内定通知書や源泉徴収票などの準備)
- 必要な情報の準備(前述の契約者情報や連帯保証人情報)
物件が決まったらやること
- ベッド、家具、家電などの手配
- 住所変更に必要なものの洗い出しと準備(免許証、住民票、郵便、銀行口座や各種webサイトに登録してある住所の変更)
- ライフライン(電気・水道・ガス)の手続き
入居してからやること
- 区役所などへの住所変更届け
- 免許証の書き換え
- 銀行や各種webサイトなどへの住所変更
まれに物件が決まる前に、家具、家電、ベッドなどを手配してします人がいますが、それは後から行うようにしましょう。
どんな間取りの部屋に住めるのかというのが決まらないとどれぐらいのサイズのものを購入できるのかがわからないからです。
大きなベッドを先に買ってしまい物件探しが困難になるケースも見受けられます。
慌てて全部一気にやる必要はなく、必要な時期に必要な手続きを行うようにしましょう。
10.親御さんはどのようなスタンスでいるべきか
私が大学生だった時や新社会人になる時には一人で物件探しを行い、事後報告パターンの友人も沢山いたのですが、近年はお部屋探しから親御さんが同伴というケースがかなり多いです。
親御さんも人によって様々なスタンスなのですが、
- 物件探しから契約まで全部親御さんが整える
- 子供に社会勉強させる意味合いもこめて最後まで口は出さず、連帯保証人などの時に協力する
- ある程度方向性を決めて、最後の決断だけ子供にさせる
- ついつい親御さんのほうが物件探しに熱が入ってしまって子供が入り込める余地が無い
- 親の希望と子供希望が全く違った
みなさん色々です。
住むのは子供、とはいえ色々と人生の先輩として言ってしまいたいというのが多いケースのように思います。
親子といえど好みは違いますので、なかなか親子の意見が合致するケースはないのですが、最終的には子供が住みたい部屋になるケースが多いように思います。
さいごに
今回は初めて上京される方向けに記事を書いてみました。
暮らしっく不動産で沢山の親子とお部屋探しをしてきた中で得られたこと、気づいたことですので、是非お部屋探しの参考にしていただければと思います。