結論:構造は骨組みの材料の違いで、木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC・SRCの順に重く、音や揺れに強く、家賃は高めになる傾向です。

ここが大事:内装が仕上がると見た目では構造がわからず、相場より高い新しい木造が安いRCより静かなこともあります。

まずはここから!

  • 募集資料の「構造」欄を見る
  • 内見で柱型と壁を確かめる

木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造(RC造)の違いは、建物の骨組みが木か、鉄骨か、鉄筋とコンクリートかの違いです。一般的には、木造→鉄骨造→RC造の順に音が伝わりにくく、家賃は高めになる傾向があります。見た目ではわかりにくいので、募集資料の「構造」欄で確かめるのが確実です。

こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

内見でお客様をご案内していたとき、何人かの方から「木造、鉄骨、RCの違いって何ですか?」と聞かれました。賃貸でも売買でも、構造を気にされる方は多い印象です。

ただ、構造は目に見えにくい部分です。外装や内装を仕上げてしまうと、どの構造なのかはほとんどわかりません。そこで今回は、工事中や解体中の写真を使って、それぞれの構造の違いと、部屋探しでの見分け方を説明します。

この部屋の構造は何でしょう?(答えは記事の後半で書きます。)

木造・鉄骨・鉄筋コンクリートの違い(早見表)

まずは、部屋探しで気になる点だけを3つの構造で比べます。あくまで一般的な傾向で、同じ構造でも建物によって差があります。

構造 音 家賃 火への強さ 見分ける手がかり
木造 伝わりやすい傾向 低めの傾向 木は燃える材料。防火のつくりは建物による 低層のアパートに多い。構造欄に「木造」
鉄骨造 木造に近い〜中くらい 中くらいの傾向 鉄は燃えないが、熱で強さが落ちる 構造欄に「鉄骨造」「軽量鉄骨造」など
RC造(鉄筋コンクリート) 伝わりにくい傾向(壁や床の厚み次第) 高めの傾向 コンクリートは燃えにくい 中高層のマンションに多い。室内に柱型が出やすい

次の表は、鉄骨造を軽量と重量に分け、SRC造も加えたくわしい比較です。

構造 骨組み 音 揺れ 家賃の傾向
木造 木の柱・梁・筋交い 伝わりやすい傾向。ただし新しく家賃の高い物件はしっかりしていることも多い 建物が軽く、揺れを感じやすいことがある 建築費が安く、家賃は低めの傾向
軽量鉄骨 細い鉄骨+筋交い(ブレース) 木造に近いことが多い 木造に近いことが多い 重量鉄骨より低めの傾向
重量鉄骨 太い鉄骨の柱と梁 床パネルの厚みなどで差が出る 軽量鉄骨より揺れにくい傾向 中くらい〜高め
RC(鉄筋コンクリート) 鉄筋+コンクリート 伝わりにくい傾向。ただし床や壁の厚みで大きく変わる 重く、揺れを感じにくい傾向 建築費が高く、家賃は高めの傾向
SRC(鉄骨鉄筋コンクリート) 鉄骨のまわりを鉄筋コンクリートで固める RCと同じく厚み次第 重く、揺れを感じにくい傾向 大型マンションに多く、高めの傾向

賃貸の検索で「アパート」「マンション」と分かれている場合、おおむね次のような区分けになっています。

  • アパート:木造、軽量鉄骨
  • マンション:重量鉄骨、RC・SRC

アパートとマンションの違いそのものは、アパートとマンションの「本当の違い」とは?で説明しています。

「鉄筋」と「鉄骨」は別のもの

名前が似ているので混同しやすいのですが、「鉄筋」と「鉄骨」は別のものです。

  • 鉄骨:H形やコの字形などの鉄の柱・梁そのもので骨組みをつくります(鉄骨造)
  • 鉄筋:細い鉄の棒を網のように組み、まわりにコンクリートを流し込んで固めます(鉄筋コンクリート造=RC造)

「鉄筋の物件」といえば、ふつうはRC造のことです。鉄骨造とは音の伝わり方や家賃の傾向が違うので、募集資料ではどちらなのかを見ておきましょう。

ここからは、写真を見ながらそれぞれの構造を説明します。

1. 木造

ある大手ハウスメーカーの木造の建物です。木造は、日本で昔からある工法です。柱・梁・筋交いを組み立てて建てていきます(木造でも、ツーバイフォーなど別の工法もあります)。

鉄と比べると加工しやすく、設計の自由度は高いです。ただ、柱と梁の本数が多くなるので、間取りには制約が出ます。苦手なのは、大きな窓を付けるような、柱のない長い空間(ロングスパン)です。途中に柱や壁が入ることが多いですね。

日本ではまだまだ主流の工法です。建築費は鉄骨やRCと比べて安く、解体費も他の工法より安いです。

内装工事が始まって、石膏ボード(写真の黄色い壁)を貼ってしまえば、どんな構造なのかはわからなくなります。

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こちらは、ある木造住宅の解体現場の写真です。外壁の枠の部分に白いビニールのようなものが見えますが、おそらく断熱材だと思われます。2Fの左側に見える箱のようなものは、ユニットバスと考えられます。

木造や軽量鉄骨の建物には、ロフト付きの部屋もあります。この断面写真でいうと、屋根裏の部分がロフトになる場所です(この建物にロフトはなさそうですが)。「ロフトは夏は暑い」と言われますが、屋根のすぐ下だと思うと納得ですね。

倒壊した学生アパートの築年数を調べた話は、熊本県南阿蘇村で倒壊した学生アパートの本当の築年数で紹介しています。

2. 鉄骨造(重量鉄骨・軽量鉄骨)

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鉄骨造には「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」があります。

  • 軽量鉄骨造:細い鉄骨をたくさん使って強度を出す
  • 重量鉄骨造:太くて大きな柱や梁を使って強度を出す

細かくいうと、使っている鉄骨の厚みに差があります。

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こちらは、鉄骨の柱・梁に外壁パネルを取り付けている途中の写真です。工事現場を見ると、どんなつくりになっているかがわかるので、いい勉強になります。

重量鉄骨

重量鉄骨と呼ばれる種類の鉄骨造です。太い柱と梁を組み合わせて、強い剛性を生み出しています(柱梁ラーメン構造といいます)。ビルのようなつくりです。このあと、床にALC(軽量気泡コンクリート)の床パネルを敷きつめます。

これがALCの床パネルです。ALCは火に強く、遮音性もそこそこ高いです。写真はあるハウスメーカーの施工例です。建物によっては床パネルが薄く、音が響く場合もあります。

重量鉄骨は柱と梁が太く頑丈なので、筋交いがいらず、大きなスパンを取れます。大きな窓や広い空間をつくりやすいのが特徴です。

デメリットは、柱型(はしらがた)が出ることです。柱が太い分、部屋の中に柱の形が出っ張ります。これは重量鉄骨とRC・SRCのどちらにもいえます。柱型が出ていない建物もありますが、それは柱の厚みの分だけ壁を手前にふかしている(厚くしている)ということです。

柱型の有無で部屋の広さが変わる

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まずは、柱型をそのまま残している状態です。見た目はきれいではありませんが、部屋を広く使えます。有効に使える面積が多い状態です。

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こちらは、柱の大きさに合わせて内壁をつくり、柱型を隠した状態です。見た目はきれいで使いやすそうですが、その分、部屋の面積は狭くなります。

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実際に柱型が出ている部屋です。見た目は少しいびつですが、部屋の面積は広くなります。

同じ帖数でも、柱型の出方で家具の置きやすさは変わります。間取り図の見方は間取り図の記事も参考にしてください。

ある重量鉄骨の建物の外壁

重量鉄骨の骨組みに外壁を取り付けたものを、部屋側から見た写真です。「カーテンウォール工法」といって、地震のときに壁をゆらゆらと揺らして力を逃がします。壁パネルの間にあるゴムのような目地(シーリング)は、外壁の割れを防ぐ役目もあります。

軽量鉄骨

軽量鉄骨は、重量鉄骨と比べると柱も梁も細いです。その分、本数を多くして、筋交い(ブレース)を使って全体の強度を出しています。

大きな窓は取りにくく、筋交いのある場所は壁を抜けないので、間取りの自由度は下がります。地震のときに力が分散するので、設計しだいでは重量鉄骨より強度を出せる、という専門家もいます。

2階建ての鉄骨の物件だと、軽量鉄骨が多いように感じます。建築費は重量鉄骨より安めです。

鉄骨造とはいっても、鉄骨は骨組みの部分です。もちろん木も材料として使っています。写真は屋根の部分です。ちなみに、私の住んでいる家も鉄骨造です。

くり返しになりますが、内装ができあがると、木造なのか鉄骨なのかRC・SRCなのかは見た目ではわかりません。

3. RC造(鉄筋コンクリート造)

RC造、いわゆる「コンクリ造」です。正式には「鉄筋コンクリート造」といいます。

写真は、あるマンションの工事中のものです。左側に見えているのはユニットバスで、むき出しの状態だとこんな感じです。ここから床を施工していきます。相場よりかなり価格の高いマンションですが、高いだけあって、使っている材料や壁の厚みなどもきちんとしています。良いものは高い、ということですね。

RCは、鉄筋の骨組みにコンクリートを流し込んでつくります。この写真のように、隣の部屋との壁までコンクリートの躯体(くたい)なら、音の心配は少ないです。もちろん床もコンクリートです。

建築費も解体費も高めです。建物が重くなるので、それなりの地盤改良や杭打ちも必要になります。

こちらはコンクリートを流し込む前の状態です。鉄筋がびっしりと張りめぐらされています。

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こちらは解体中のRC造です。先ほどの建物と比べると、ランクが下がります。

コンクリートの床の厚みを「スラブ厚」といいますが、先ほどの建物と比べると薄い印象です。スラブ厚や外壁の厚みは、遮音性に大きく関係します。隣の部屋との壁がコンクリートの躯体なのか、石膏ボードなのかでも大きく変わります。

RCだから遮音性は抜群、と考えるのは早計です。RC造の壁や遮音性については、RC造(鉄筋コンクリート)だから遮音性抜群?でくわしく書いています。

4. SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

SRCは「鉄骨鉄筋コンクリート造」です。鉄骨の柱のまわりを、鉄筋コンクリートで固めていく工法です。かなり大きなマンションやビルでないと、あまりなじみがないかもしれません。

構造の答えは?

最初の問題、「この部屋の構造は何でしょう?」の答えです。

答えはRC造です。

そうなんです。見た目ではまったくわかりません。内装に木材や石を使うこともありますが、その中の骨組みは見えないのです。

外観・図面・募集資料での見分け方

見た目でわからないなら、どうやって見分ければいいのでしょうか。部屋探しのときは、次の順番で確かめるのが確実です。

どこで 見るところ ポイント
募集資料・物件の詳細ページ 「構造」の欄 木造、軽量鉄骨造、鉄骨造、RC造、SRC造などと書かれています。いちばん確実です
物件の種別 アパートかマンションか アパートは木造・軽量鉄骨、マンションは重量鉄骨・RC・SRCが多いです
建物の階数 何階建てか 2階建ての鉄骨造は軽量鉄骨が多い印象です。高い建物ほどRC・SRCが多い傾向です
外観 外壁の継ぎ目(目地) パネルを貼った外壁には、パネルの間にゴムのような目地が見えることがあります。ただ、外観だけで決めつけるのは難しいです
室内・間取り図 柱型の出っ張り 部屋の角に柱型が出ていれば、重量鉄骨・RC・SRCの可能性があります

「鉄骨造」とだけ書かれていて、重量鉄骨か軽量鉄骨かがわからないこともあります。気になるときは、仲介会社に確認してもらいましょう。物件や管理会社によって資料の書き方は違うので、最後は担当者に聞くのが確実です。

外観で見るときのポイント

外観だけで構造を言い当てるのは、プロでも難しいです。それでも、次のような点は手がかりになります。

  • 階数と建物の大きさ:2〜3階建ての小さめのアパートは木造や軽量鉄骨が多く、5階建て以上のマンションはRC・SRCが多い傾向です
  • 外壁の継ぎ目:パネルを貼った外壁は、一定の間隔で縦や横に継ぎ目(目地)が見えます。木造や鉄骨造で多い仕上げです
  • 外階段・共用廊下:鉄の外階段がついていても、建物本体は木造ということはよくあります。階段の材料だけで判断しないようにしましょう

タイル貼りや吹き付けの外壁は、中の骨組みが何でも同じように見えます。外観はあくまで目安と考えてください。

書類で確かめる(募集資料・重要事項説明書・登記)

いちばん確実なのは書類です。

  • 募集資料・物件の詳細ページ:「構造」欄に書かれています。まずはここを見ます
  • 重要事項説明書・契約書:建物の表示の欄に構造が書かれていることが多いです。契約前に重要事項説明書で確かめておくと安心です
  • 登記事項証明書:建物の登記にも構造が載っています。ただし登記の区分は「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」などで、軽量鉄骨か重量鉄骨かまでは書かれません

重量か軽量かを知りたいときは、仲介会社を通して管理会社に聞いてもらうのが早いです。

内見で確かめる

音が気になる方は、内見のときに隣の部屋との壁や床の様子も見ておくと安心です。部屋の角に柱型が出ていれば、重量鉄骨・RC・SRCの可能性があります。壁の確かめ方は、先ほどのRC造の遮音性の記事にまとめています。上の階の音については天井裏と床から考える賃貸の遮音性、音の悩み全般は賃貸の遮音性や防音性の問題点と解決策もどうぞ。

家賃と住み心地の関係

「音が心配なので木造は避けたい」というご意見をたまにいただきます。でも、木造だからダメということはありません。

家賃が相場より高い、築年数の新しい木造の物件は、家賃の安いRCの物件より遮音性がきちんとしていることも多いです。構造は、住み心地を決める要素のひとつにすぎません。

  • 構造だけで選ばない:同じRCでも、床や壁の厚み、隣の部屋との壁の材料で音の伝わり方は変わります。
  • 柱型も見ておく:重量鉄骨やRCでは、柱型の出方で使える広さが変わります。
  • ロフトの暑さ:木造や軽量鉄骨のロフトは屋根に近く、夏は暑くなりやすいです。
  • 家賃とのバランス:どの構造にもいえますが、相場より安い物件にいろいろな条件を求めるのは難しいと考えておきましょう。安い理由については相場より安い物件の理由の記事もどうぞ。

構造ごとの法定耐用年数(築年数を見るときの目安)

構造の違いを調べると、「法定耐用年数」という言葉もよく出てきます。これは税金の計算(減価償却)のために国が決めている年数です。国税庁の耐用年数表では、住宅用の建物は次のとおりです(2026年10月時点で確認)。

構造(住宅用) 法定耐用年数
木造 22年
鉄骨造(骨格材の厚み3mm以下) 19年
鉄骨造(骨格材の厚み3mm超〜4mm以下) 27年
鉄骨造(骨格材の厚み4mm超) 34年
RC造・SRC造 47年

ただし、これは建物に住める年数ではありません。耐用年数を過ぎた建物でも、手入れがされていれば問題なく住めます。逆に、年数の内でも管理の状態によって住み心地は変わります。築年数が気になるときは、年数だけでなく、外壁や共用部の手入れの様子を内見で見ておきましょう。

よくある質問

軽量鉄骨は木造より静かですか?

大きな差がないことが多いです。軽量鉄骨の建物は、壁や床のつくりが木造に近いことがあるためです。音が気になるなら、構造名よりも壁や床のつくり、築年数、家賃帯を見て比べましょう。

RC造なら隣の音は聞こえませんか?

聞こえにくい傾向はありますが、必ずではありません。隣の部屋との壁がコンクリートではなく石膏ボードのこともあり、床の厚みでも変わります。くわしくはRC造の遮音性の記事で説明しています。

募集資料に「鉄骨造」としか書いていません。軽量か重量か知る方法は?

仲介会社に頼んで、管理会社や大家さんに確認してもらうのが確実です。登記には軽量・重量の区別が書かれないため、書類だけではわからないこともあります。2階建てなら軽量鉄骨が多い印象ですが、あくまで目安です。

RC造とSRC造はどちらがいいですか?

SRC造は鉄骨のまわりを鉄筋コンクリートで固めたもので、大きなマンションに多い構造です。住み心地は、構造の違いよりも壁や床の厚み、間取り、管理の状態で変わることが多いです。どちらかで選ぶより、内見で音や部屋のつくりを見て決めましょう。

木造アパートでも静かな部屋はありますか?

あります。家賃が相場より高い、築年数の新しい木造は、家賃の安いRCより遮音性がきちんとしていることも多いです。角部屋や最上階を選ぶ、隣と収納をはさむ間取りを選ぶなども工夫のひとつです。

さいごに

木造・鉄骨・RC・SRCの違いは、骨組みの材料とつくり方の違いです。一般的には、重い構造ほど音や揺れに強く、家賃は高めになる傾向があります。ただ、内装ができあがると見た目では見分けられず、同じ構造でも建物によって住み心地は変わります。

構造は募集資料の「構造」欄で確かめ、内見では柱型や壁、床の様子を見てみてください。お部屋探しの参考になればうれしいです。

それでは!