結論:一般向けの物件サイトはリアルタイム更新ではなく、私の感覚では3〜4割が実在しないか条件が違います。
ここが大事:古い情報やおとり物件を信じると、時間をむだにしたり、2年間で見ると高い部屋を選んだりします。
まずはここから!
- サイトは相場と費用の計算に使う
- 気になる物件は不動産屋に今あるか確認する
こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
結論からお伝えすると、一般の人が見る物件サイトの情報はそのまま信じるとあてにならないことが多いです。更新がリアルタイムではなく、すでに埋まった部屋やおとり物件が残っていることがあるからです。
この記事では、不動産屋が使っている業者用の検索サイトとの違い、一般向けサイトの情報がずれる理由、そしてネット検索をうまく使うコツを、現場の目線でお話しします。
不動産屋が使う「業者用の検索サイト」
「賃貸 一人暮らし」のような言葉で検索すると、すぐに物件検索サイトが出てきます。希望の条件を入れて、見つかった物件を「ここ見てみたいな」と思うのは自然なことです。
暮らしっく不動産でも、お客様から「事前に調べたんですけど、この物件ありますか?」と聞かれることがよくあります。物件の写真だけでなく、物件の管理番号までメモしてくる方もいます。
ところが、業者用のシステムでいくら探しても、その物件が出てこないことがあります。私の探し方が悪いのでは、と思うこともありますが、基本的にそうではありません。
日本の不動産屋のほとんどは、業者用の検索システムを使っています。このシステムを使えば、世の中のほとんどの物件を見られるといってもいいほどです。
ATBB
一つは、アットホームが運営している「ATBB」という業者向けのサイトです。

画像もきれいで、とても見やすいサイトです。
レインズ
もう一つは、国の仕組みとして運営されている「レインズ」というサイトです。

混んでいる時間帯にはつながりにくいこともあり、見やすさの面ではもう少し改善してほしいと感じるサイトです。
どちらも一般の人は見られない
この二つのサイトに共通しているのは、不動産業者しか見られないことです。IDとパスワードは不動産業者にしか発行されません。そのぶん情報は正確ですが、一般のお客様はアクセスできません。
一般の人が見ている物件サイトとの違い
では、テレビCMでもおなじみの、一般の人が見ている物件サイトは何なのでしょうか。
私たち業者から見ると、あのサイトはあくまで販促ツールです。業者が見ているサイトとはまったくの別物といってもいいほどです。違いをまとめると、次のようになります。
| 業者用の検索サイト | 一般向けの物件サイト | |
|---|---|---|
| 見られる人 | 不動産業者だけ | だれでも |
| 役割 | 業者どうしで物件情報を共有する | お客様を集めるための広告 |
| 情報の新しさ | 正確な情報 | リアルタイム更新ではない |
| おとり物件 | そういうものはない | まじっていることが多い |
同じ物件がいくつものサイトや不動産屋に出てくる仕組みは、ネットや複数の不動産屋で同じ物件が出てくる仕組みでくわしく説明しています。
1.更新が遅い
一般向けのサイトは、リアルタイム更新ではありません。大事なことなので、もう一度書きます。リアルタイム更新ではありません。
多くの場合、サイトを更新しているのはその会社の事務担当やWeb担当です。一方で、物件を担当しているのは営業マンだったりします。担当者がお休みだったり、更新が遅れたりすると、決まった物件がサイトに残ったままになります。
ひどいところだと、3ヶ月も前の情報のままということもあります。そこにはもう別の人が住んでいるのに、です。
2.おとり物件がある

このコラムでも何度も書いていますが、一般向けのサイトにはおとり物件が多くまじっています。おとり物件とは、お客様を集めるための物件のことです。実際にはその物件がなかったり、数字の見せ方で極端に安く見せていたりする、広告のための物件です。
私たちが使っている業者専用のサイトにはそういうものはないので、調べればすぐにわかります。そういうことをしがちな不動産屋も、よくわかります。組織的にやっているな、と感じることもあります。
おとり物件の見分け方は、おとり物件の見分け方でくわしく解説しています。
これはネットに限りません。不動産屋の窓に貼られた物件チラシでもわかります。毎日同じ道を通っていると、何ヶ月も同じチラシが貼られていることがありますよね。あれは「この物件が空いています」というより、「こんな物件を扱ったことがあります」というアピールか、「気になるでしょ?お店に来てね」というアピールであることが多いのです。
極端に安い物件は要注意
国土交通省は毎年、地価を発表しています。地価とは土地の値段のことです。
土地の値段が高くなれば、当然、家賃にもはね返ってきます。だから、場所によって家賃の相場が決まっています。相場より安い物件には、何かしらの理由があります。
- 築年数が古い
- 定期借家(契約の期間があらかじめ決まっている契約)である
- そもそも広告のための物件である
安い物件によくある理由は、相場より安い賃貸物件の9つの理由でもくわしく紹介しています。
土地代も建築費も高いのに、家賃を極端に安くする大家さんがいるでしょうか。もしいたとしたら、経営としては失敗です。賃貸業も商売なので、大家さんは少しでも早くローンを返したり、貯蓄に回したりしたいと考えるものです。
2年間の総額で見て、月いくらかを考える
初期費用や家賃が極端に安くても、契約期間の2年間で見ると高くつく物件もあります。先ほど書いた「数字の見せ方のからくり」です。たとえば次のような物件です。
- 家賃は安いが、初期費用がいろいろとかかる物件
- 家賃は安いが、退去費用がかかる物件
ここで大事なのは、契約期間の2年間でかかる費用を全部足して、24で割ったときに、月々いくらになるかをつかむことです。
引越しとなると、つい初期費用だけに目が行きがちです。でも、管理する不動産会社も商売なので、「この物件は2年間でいくらの収益を生むか」という目線で計算していたりします。毎月の家賃だけを見ていると、足元を見られてしまいます。契約期間の中でかかるコストの合計が大事なのです。
初期費用の内訳は初期費用の記事を参考にしてください。
一般向けサイトの上手な使い方
では、一般向けのサイトは何に使えばいいのでしょうか。
私は、参考にすべきなのは個々の物件情報ではないと考えています。自分が住みたいエリアの相場や、かかる費用を計算するために使うサイトだと思います。もちろん、本当に実在する物件ものっています。
ただ、私の個人的な感覚では、一般向けのサイトにのっている物件の3〜4割は、実在しないか、実在しても条件が違うことが多いです(この記事を書いた2016年1月時点の感覚です)。情報が遅く、本当に参考にならないこともあります。
ネット検索をうまく使うには、次のような流れがおすすめです。
- サイトで、住みたいエリアの家賃の相場をつかむ
- 気になる物件は、不動産屋に「今も空いているか」「条件はのっている通りか」を確認する
- 相場より極端に安い物件は、理由を聞く
- 家賃だけでなく、2年間の総額で比べる
さいごに
早い物件は、情報が出てから1日で埋まることもあります。3ヶ月たっても埋まらない物件もあります。ただ、1日で埋まる物件が、その人にとっていい物件とは限りません。
みなさん、いろいろな事情や条件で部屋を探しています。ネットの情報にふり回されず、自分に合った部屋を見つけてください。
……と言っているそばから、おとり物件を見つけました。みなさんも気をつけてくださいね。
